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手のひら先生の高麗手指鍼療法 27 妹のパーキンソン病治療の根本治療に取り掛かかり始めました。
高校生の時バドミントン部にほんの半年ほど籍を置いたことがありました。
先輩が時々同級生をコートに招き、シャトルを打たせていました。
「バドミントン?羽根つきみたいなもんじゃね?」と言うのが大方の感想だった時代なので、そんな馬鹿にしたように言う同級生を招いて実体験をさせたのでした。
実際シャトルの羽を打ってもコートの半分、ネットを超えることはありませんでした。
同じようなことが鍼治療にも起こるのです。
穴(ツボ)に鍼を刺せば痛みは消える。簡単なものだ。
医者が治せないものを鍼灸師が治せるわけはない。世間一般の常識はそうなっているのでしょう。
さて、脳溢血で退院してから2年ほどして妹がパーキンソン病と診断されました。
最初は高麗手指鍼の基本通りに週2回鍼治療を行っていました。
特許を取った治療器具「ニードルキーパー」を装着し、通常より強度を強めた内容になっていたはずでした。
しかし手足の震えが止まりません。徐々にひどくなってきました。
手の震えからその振動はあごが左右に震えるまでなりました。
身内の疾患を治せれば一人前と習いましたので、これは必ず治さなければなりません。
以前医師が「身内が癌を宣告されて初めて、いかに自分が無力であることに傲然とした」と言う文章を読んだことがありました。
何が何でも治さねばと必死でした。
ついに手に入れられた脳神経
しかし脳のツボがありません。
それを新しく見つけるには必要な、脳神経試料が手元にはありませんでした。
前回書きましたが幸運にも親切な方の手助けで、それが手に入れられることになりました。
念願の試料が揃うことになったのは良かったのですが、予算は想像以上のものでしたね。それから得られるものははるかに大きかったのですが、痛いことには変わりはなかったですが。
試料を元に一つづつツボを発見していきました。
その成果をもとに治療を始めると、あれほど顎が左右にずれるような動きがすっかり消えていました。
同じころに地区の基幹病院に移り、パーキンソン病の権威に診てもらうことになりました。
初対面で言われたそうです「この病気は治りません。進行を遅らせるだけになります」
あれから7,8年近くなりますが日常生活に支障はなく送っています。
月刊「臨床神経科学」Clinical Neuroscience から学ぶ
それ以前から脳神経を学ばねばと思い、月刊誌のバックナンバーを購入していました。
専門雑誌なので細部まで理解することは難しいところがあります。
パーキンソン病では大脳基底核の神経回路を理解することは、専門用語も含めて何回も読み返しましたが理解できませんでした。
これは鍼灸師が都合よく使う言葉でもあるのですが、人間の持つ自然治癒力が働くので細かい刺激は必要ない。
そんな馬鹿な!
ただ西洋医学でパーキンソン病を治すには、大脳基底核を巡る大脳神経の働きを正常にさせ制御させるのは、至難のことと私でも理解できます。
大脳基底核と視床などパーキンソン病に関連する神経のツボが見つかれば、そのツボの状態を読み取れれば補瀉の技術を施せば、それで自然治癒力が働くことにもなります。
このところは鍼灸が効かせることが出来れば優位な点になります。
ただし今のところそのような鍼治療はありません。
複雑な脳のメカニズムを知らなければ治せないし、治すツボが見つかっていないので治せる鍼治療はないことになります。
ある患者さんが他所から移ってきました。
前のところで隣に座っていた高齢女性が、ブルブル震えていたそうです。
「何の病気ですか?」と聞くと「パーキンソン病です。もう1年間通っています」と言ったそうです。
パーキンソン病は鍼治療にとって難しそうな病気のようです。
もし治せる治療家がいるとすれば、それは気を自在に使える達人と言うことになるでしょうか。
試料を手に入れてから2年パーキンソン病が回復するまで3年かかりました
それまでは妹に「良くなって来ただろう?」と聞いても「美容院に行くと震えているのを知られるので行っていないとか、道で近所の人に会うと病気が分かるので散歩を控えている」などと言っていました。
やはり最大の難患者は身内と言えます。
脳の働きを知って改めてそのすごさを知る
パーキンソン病はドーパミンが出なくなって起こるというような単純なメカニズムでないことが分かりました。
どうしてこのような装置を我々は備えてきたのだろうか?
最初脳神経の試料を顕微鏡で覗いても、素人の我々は区別もつきません。
医師を目指し始めた学生でも、初めははっきりと判別できないそうです。
よく言われますが類人猿と人間の遺伝子配列はほとんど変わらないと言われます。
そのような中でなぜ、何が働いてこのようなメカニズムを持つのか不思議なことです。
もう一つは適正なツボに正しい鍼灸理論に基づいた方法を取れば、脳神経は正常になっていくのもまた不思議なことです
出版と韓国手指鍼学会学術大会論文にさいして
脳のツボを発見していく中でノジェ博士の耳鍼理論を取り入れると、電圧を変えることで耳と同じように手のひらにも次々と新しいツボが現れました。
それは何なのか結論を見つけなければなりませんでした。
そこで思い出したのが。東京芸術大学三木茂夫教授の「生命形態学序説」でした。
その進化論を取り入れると、フェーズⅠ フェーズⅡ フェーズⅢに現れるツボは、どのような意味を持つのかが理解できました。
卒業論文の最後のまとめも中々まとめられませんでしたが、まさに同じような思いでした。
それが上記の本を参考にして検証すると、まさに手のひらの中に進化の過程が浮き出てきました。
妹のパーキンソン病に処方したところ、いままで以上に状態が良くなりました。
この新しい治療法はまだ始まったばかりですが、今までにない効果が出る気がしています。
新しい治療法なので先は長くなるでしょうか?
脳溢血で入院したところから始まりましたが、もう10年は経過してしまいました。
少しづつ亀の歩みですが、診断方法や勿論治療法もですが進化しています。
患者さんが多ければ症例も増えるのでしょうが、なかなか思うようにはいかないのが世の常です。
最後にこのほか別の研究も行っているのですが、その検証をして驚くのは人間の身体は正確に組み上げられた機械のように出来上がっていることです。
まだまだ掘り下げるべきことは始まったばかりのようです。
まとめ
1、頭を捻れば道は開ける
2、改めて研究者の努力はすごいことをしる
3、脳って素晴らしい
4、三木茂夫教授ってすごいぞ
5、青年老いやすく学成り難し
私のホームページはこちらです。「手のひら先生のリウマチ相談室」
次の本は「手のひら先生スタイルの高麗手指鍼療法」がどのようにして生まれたのかを書いたものです。
他の鍼灸書のようにこのツボを使えば治るというような本ではありません。手のひらのツボのことや治療法については
「高麗手指鍼講座」柳泰佑著 たにぐち書店 刊 日本語訳がありますのでご覧ください。鍼灸は見たり読んだりしても身につくものではありません。
一般の方には病気を治す鍼治療とはどういうものか理解できるように書いてあります。さらに私なりの簡単自律神経調整法を図解しております。
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