手のひら先生の高麗手指鍼療法 54 出版した本を絶賛していただきました。驚きと感謝です


昨年本を出版しました。難しくないようにかみ砕いたつもりで鍼治療のことを書きました。

あれを治したこれを治した類ではなく、鍼治療では何を出来るのかを書いたつもりです。

そのためには進化の記憶を刻んでいるツボを刺激することで、自らの力で病気を治せる可能性があることを書きました。

勿論自費出版でしたが、まもなく1年経過します。

韓国で生まれた高麗手指鍼に関する本ですが、本題は鍼灸と人間の進化を扱ったものです。

高麗手指鍼自体が日本では珍しいものでしたし、鍼治療の本質が知られていないので、そのことを分かり易く書いたつもりでした。

果たして理解してくれるだろうかと思いました。ところが思わないところで、本質を理解する人はいるものだとつくづく感じた次第です。

今日はそのことを書きます。

出版の動機

本は出したいと思っていましたが、なかなか治療を行いながら出版のテーマを考えるのは困難でした。

韓国の鍼高麗手指鍼(コウライ・シュシシン)の説明なら、柳泰佑会長が「手のひらつぼ療法」を出されているので、二番煎じではならないようにしなければなりません。

鍼治療が腰痛肩こり専門から脱して、病気を治す医療として認知されるようにしたいと考えていました。

それを実現する可能性があると考えていたのが高麗手指鍼でした。

確かに既存の鍼治療に比べて効果は出やすいし、金成万先生のように末期がんを治す可能性もあります。

しかし大局的に見れば、それほどの差はなかったかかもしれません。

幸い私は開業当初から免疫調整の方法を見つけ出せていたことと、金成万先生から亡くなる前にアドバイスを頂いたことで、少しは治せていたかもしれません。

ただ数年前に韓国でお会いした地方の治療家の方に久しぶりにお会いしましたが、高麗手指鍼治療ををやめていました。

既存の鍼に戻られたようでした。

高麗手指鍼が秘めている力をどうにかして、人々に知っていただけるのかを考えていました。

そんな中久しぶりに韓国で開かれる「韓日学術大会」に数年ぶりに参加しようと決めました。

3年前の話でした。

ノジェ式耳鍼から

関節リウマチも効果を出せて治せるとある程度自信を持てました。

少数例ですが癌も消すことが出来ました。

しかしまだ決定的に高麗手指鍼を手の中に納め、これなら自信をもって治療できる理論を見いだせないでいました。

そこで今まで学んだ治療法の中で他と違うものが一つありました。

それが「ノジェ式耳鍼法」でした。

耳鍼には一つ解けない謎がありました。それが位相(フェーズ)でした。

何冊かある蔵書をめくってみても、フェーズとは何かが書かれていません。

ポール・ノジェ博士も何を意味しているのかは分からなかったのではないでしょうか。

試しに手のひらに博士とは別のアプローチで行いました。

フェーズワンからスリーまで臓器のツボから、脳神経のツボまで探すことが出来ました。

博士は5から6までフェーズに分けてツボを探せたと書いています。

実際本にはフェーズ・スリーまでしか書かれていませんが。

発表論文の結論が導き出せない苦しみ

韓日学術大会参加を決め発表論文を書き始めました。

最初はスムーズに書けましたが、結論になってまとまりません。

位相(フェーズ)のことを含め高麗手指鍼の新たな理論にチャレンジしていたつもりですが、最後の結論のところで行き詰まってしまいました。

そこから自問自答の葛藤がありました。

「フェーズとは何か」という質問はされないかも知れませんが、論文発表としては失敗です。

1か月ほど考えました。

そこで手にしたのが、三木茂夫著「生命形態学序説」でした。

人間は進化し続けてきました。

4億年前は魚であり、鳥の時代になって600万年前ごろから人間が出現したと言う分けです。

受精から28日間で体内の受精卵はこのとてつもない時間を再現しているというのは驚きです。

そうだもしかしてフェーズとは進化の段階に当たるのではないか?そう気が付いて検証にはいりました。

検証の目印となるのはその時代だけにある、臓器の違いです。

進化して変化した鰓が肺になったり、2サイクルの心臓が4サイクルに変わったり、子宮が出来たりなどが目印になります。

案の定フェーズによって違いが現れるのです。

実はフェーズⅠ~Ⅲまではどこにもどのツボも同じように現れるのですが、真のフェーズのところとそれ以外のところとはツボの力が違うのです。

つまり進化する前のフェーズにも変化した後のフェーズにも、臓器のツボは同じように現れるのですが、鍼を刺した効果が違ってきます。

ツボに力がないからです。

ついに結論が出た

とうとう結論に至ったと喜び原稿を韓国の事務局に送ることが出来ました。

ただ発表してもほとんど反響はなかったようです。

お一人この進化のところに興味を抱き問い合わせがあったそうですが、そのほかの方も日本人も理解できなかったのではないでしょうか。

その1年後に出版の機会がありました。

発売の時間から逆算して原稿の締め切りは5月1か月しかありませんでした。

1か月でまとめましたが一般向けなので、鍼治療とは何か何が重要なのかを書きました。

進化論を取り込んだことを分かり易く書いたつもりですが、果たしてこれをどれだけ理解する方がいらっしゃるか?

理解してくれる方がお二人いました

一部上場のトップをされていた方から褒めていただきました。

妹が昔の職場の同僚に本を贈っていたそうです。

そのご主人は従業員四万人の大会社の社長を務められた方でした

読もうとテーブルに置いていたのをご主人が見つけ「これ読んでいい?と言って読まれたそうです」

しばらくして「これは俺には書けないわ」と感想を言っていたと、妹を通して伝えてくれました。

それからつい最近ですが患者さんが褒めてくれました。

どこに注目したかと思っていたのですが「鍼治療に進化論から焦点を当てたところに感銘を受けました」という事でした。

してやったり。一般の方の中に私の意図することを理解してくれる方がいたことに、感銘を受けるとともに感謝した次第です。

まとめ

1、発想力の源は日本にはゴロゴロとある
2、中国から学ぶことはない
3、気の力だけの鍼治療にバイバイ
4、身体には進化の痕跡が残っている
5、西洋医学が東洋医学に近づいている


私のホームページはこちらです。「手のひら先生のリウマチ相談室」


次の本は「手のひら先生スタイルの高麗手指鍼療法」がどのようにして生まれたのかを書いたものです。

他の鍼灸書のようにこのツボを使えば治るというような本ではありません。手のひらのツボのことや治療法については
「高麗手指鍼講座」柳泰佑著 たにぐち書店 刊 日本語訳がありますのでご覧ください。鍼灸は見たり読んだりしても身につくものではありません。

一般の方には病気を治す鍼治療とはどういうものか理解できるように書いてあります。さらに私なりの簡単自律神経調整法を図解しております。

最後まで拙い文章をお読みいただきありがとうございました。感謝いたします!!

サポート頂いたら最先端の医学雑誌と、最先端の進化論本を購入し難病治療研究に役立てる予定です。