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【衝撃】スロートレーニングは効果なし?筋力アップしたいなら今すぐやめるべき理
「スロートレーニングが筋肉にいいらしい」
「ゆっくり動かすと効くって聞いたんだけど…」
こんな風に思っていませんか?確かに、スロートレーニング(ISVRE:Intentionally Slow Concentric Velocity Resistance Exercise)は「筋肥大や筋力向上に効果的」と言われることもあります。
しかし、最新の科学的研究は「スロートレーニングでは筋力が最大化しない」ことを明らかにしました。
想像してください。
あなたがスクワットやベンチプレスで、1秒で爆発的に持ち上げたときと、10秒かけてゆっくり持ち上げたとき。
どちらの方が重い重量を扱えますか?どちらの方が実際に筋力が伸びると思いますか?
結論を言います。筋力を伸ばしたいなら、スロートレーニングから通常の筋トレに戻すべきです。
今回は、最新のメタ分析の結果を基に、スロートレーニングの問題点と、筋力を最大化するための最適なトレーニング法を解説します。
スロートレーニング vs 速いトレーニング:科学が示す結論
最新のメタ分析(Hermes & Fry, 2023)では、スロートレーニング(ISVRE)と従来の速いトレーニング(Fast/Traditional)を比較し、筋力向上の効果を分析しました。
研究の概要
対象者:健康な成人625名(男性64%: 400名、女性36%: 225名)
比較内容:
スロートレーニング(ISVRE)
コンセントリック(上げる動作):2秒以上、場合によっては10秒
エキセントリック(下げる動作):3秒〜10秒
速いトレーニング(Fast/Traditional)
コンセントリック(上げる動作):1〜2秒以下(最大加速を意識)
エキセントリック(下げる動作):1〜3秒(コントロールあり)
トレーニング期間:平均9.6週間(範囲4〜16週間)
筋力向上の結果:
速いトレーニング:+25.77%
スロートレーニング:+22.12%
速いトレーニングの方が有意に効果が高い(Hedges' g = 0.21, p = 0.034)
つまり、スロートレーニングよりも速い動作の方が3.65%も筋力向上率が高かったということです。
3.65%は少ないと感じましたか?
10週間で考えると少ないかもしれません。
でも、1年後は?と考えると、大きな差になります。
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スロートレーニングの3つの問題点
① 高い負荷を扱えない
筋力を伸ばすには、高重量を扱う必要があります。しかし、スロートレーニングでは長時間の動作を維持するために負荷を下げざるを得ません。
結果として、筋力向上に必要な刺激が不足するのです。
② 爆発的な力の発揮ができない
筋力は「どれだけ重いものを持ち上げられるか」だけでなく、「どれだけ速く力を発揮できるか」も重要です。
スロートレーニングは爆発的な力の発揮を抑制し、アスリートのパフォーマンス向上には向かないとされています。
③ トレーニング効果が男女で異なる
この研究では、女性は特にスロートレーニングの影響を受けやすく、速い動作の方が筋力向上に大きな効果がある(Hedges' g = 0.95, p < 0.001)ことがわかりました。
つまり、女性アスリートは特に速い動作を意識すべきなのです。
筋力を最大化するための最適なトレーニング方法
① コンセントリック(上げる動作)はできるだけ速く
速い動作(1秒以内)で持ち上げることで、高い力を発揮でき、神経系の適応も促進されます。
→ スクワット・ベンチプレス・デッドリフトは爆発的に!
ただし、怪我をしやすいので、正確な姿勢を意識することが必要です。
② エキセントリック(下げる動作)はコントロールしつつ1〜3秒
スロートレーニングのように極端に遅くするのではなく、1〜3秒でコントロールすることで、筋損傷を最適化し、成長を促進します。
③ 80%1RM以上の重量を使う
軽い重量ではなく、高重量を扱うことが筋力向上のカギです。
スロートレーニングではなく、しっかりと負荷をかけた従来のトレーニングを優先しましょう。
スロートレーニングが必要なのはどんな人?
では、スロートレーニングは全く不要なのか?
結論として、スポーツ選手が怪我をしない限り、スロートレーニングは必要ありません。しかし、以下のようなケースでは有効です。
怪我後のリハビリ
怪我した部位に過度な負荷をかけずにトレーニングするために使われる。
怪我予防
安定性を高めるために一部取り入れるのはアリ。
ただし、筋力向上が目的なら、スロートレーニングをやる必要はないというのが科学の結論です。
結論:スロートレーニングはもうやめよう
速い動作の方が筋力向上率が3.65%高い(p = 0.034)。
女性は特に速い動作の方が圧倒的に効果的(p < 0.001)。
筋力を伸ばしたいなら、爆発的な動作を取り入れるべき!
スロートレーニングが必要なのは、怪我をしたときだけ。
「スロートレーニングがいいらしい」という誤解を捨て、科学的に正しいトレーニングを取り入れましょう!
参考文献
Hermes, M. J., & Fry, A. C. (2023). Intentionally slow concentric velocity resistance exercise and strength adaptations: A meta-analysis. Journal of Strength and Conditioning Research, 37(8), e470–e484.