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スクリーンタイムと幼児の睡眠の関係:最新研究
現代の家庭では、テレビやスマホ・タブレットなどのデジタル機器が生活の一部となり、幼児もスクリーンを使う時間が増えています。
しかし、そのスクリーンタイムが子どもの健康や睡眠に悪影響を与える可能性があります。
特に幼児期は、心と体の成長が著しい大切な時期です。
十分な睡眠がとれないと、集中力や情緒の安定、身体の発達に悪影響が出るかもしれません。
このままで本当に大丈夫なのでしょうか?
最新の研究では、スクリーンタイムの増加が幼児の睡眠にどのような影響を与えるのかが明らかになっています。
本記事では、その研究結果と、スクリーンタイムを適切に管理し、子どもの健康的な睡眠をサポートする具体的な方法について詳しく紹介します。
今日からできる対策を実践し、子どもたちの成長を一緒にサポートしていきましょう。
研究の概要
この研究は、イギリスの名門ケンブリッジ大学とロンドン大学の研究チーム(Carter et al., 2023)によって実施されました。
研究チームは、0〜4歳の幼児を対象にスクリーンタイム、座っている時間(座位行動)、身体活動が睡眠にどのような影響を与えるかを系統的に分析しました。
この研究では、過去の複数の研究結果をまとめたメタアナリシスが行われ、スクリーンタイムの増加が幼児の睡眠時間の短縮や入眠の遅れ、夜間覚醒の増加と関連していることが示されています。
一方、身体活動や屋外遊びが睡眠の質を改善することも明らかになりました。
主な研究結果
1日2時間以上のスクリーンタイムがある子は、平均して30分以上睡眠が短くなっていました。
スクリーンタイムが長いと、寝つきが悪くなり、夜中に起きる回数も増えることがわかりました。
外で遊ぶ時間が多い子は、ぐっすり眠れることが多かったです。
夕方から夜にかけてのスクリーンタイムは、特に悪い影響が大きいことがわかりました。
以前、スクリーンタイムが長い青少年の睡眠の影響を紹介しました。ほぼ、おなじような結果でした。
子どもの睡眠を守るためにできること
研究から、子どもが健康に育つためには、スクリーンタイムを減らすこととたくさん体を動かすことが大事だとわかりました。
特に、夜にテレビ・スマホ・タブレット画面を見せないようにすることが重要です。
たとえば、週に3回は30分以上公園で遊ぶ、週末は家族で公園に行く、室内ではダンスや簡単な体操を取り入れるなど、日常生活に無理なく運動を取り入れることが効果的です。
おすすめの対策
スクリーンタイムを1日1時間以内にする。寝る1時間前は画面を見ない。
たくさん外で遊ぶ(公園で遊ぶ、散歩するなど)。
寝る環境を整える(暗くして、静かな部屋で寝る)。
家族みんなで取り組む(親もスマホの時間を減らす)。
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長く続くスクリーンタイムの影響
睡眠不足が続くと、子どもの脳の発達や気持ちの安定、集中力に悪い影響があります。
特に、1日あたり7時間未満の睡眠が続くと、記憶力や学習能力が平均15%低下するという研究結果があります。
十分に眠ることで、記憶力や学ぶ力が伸び、気持ちのコントロールも上手になります。
特に3~5歳は脳が大きく成長する時期なので、この時期に良い睡眠をとることが、将来の勉強や友だちとの関係にも大きな影響を与えます。
まとめ
研究によると、スクリーンタイムは子どもの睡眠に大きな影響を与えます。スクリーンタイムを減らし、たくさん体を動かすことで、健康的に成長できるのです。
テレビやスマホ、タブレットの時間を見直して、外でたくさん遊ぶようにしてみましょう。
たとえば、毎日30分間公園で遊ぶ、家族で週末に散歩に出かける、寝る前にストレッチや簡単な体操を取り入れるなど、無理のない範囲で体を動かす習慣を作ることが大切です。
それが、子どもの明るい未来につながります。
参考論文
Carter, J., Rees, P., Hale, L., Bhui, K., & Foubister, C. (2023). Associations of screen time, sedentary time and physical activity with sleep in under 5s: A systematic review and meta-analysis. BMC Public Health, 23(1), 456.