カフェイン摂取タイミングで眠れなくなる
年齢やライフスタイルにかかわらず、多くの人がカフェインを日常的に摂取しています。
私自身、朝はコーヒーを飲まないと、”シャキッ”としない感じがしています。
朝のコーヒーや運動前のサプリメントとして、カフェインを摂取する人も多いでしょう。
運動前のカフェイン摂取は、脂肪代謝を促進することでも有名ですね。
しかし、カフェインがその後の睡眠にどのような影響を与えるかをご存知でしょうか?
今回ご紹介するのは、2023年に発表された「The effect of caffeine on subsequent sleep: A systematic review and meta-analysis」という論文です。
この研究では、カフェイン摂取のタイミングが睡眠にどのように影響するかを調査しています。
それでは、詳しく見ていきましょう。
論文紹介
この研究は、カフェインが睡眠に与える影響について調べた24の研究を対象としたメタ分析です。
総計340人の健康な成人(18〜65歳)が対象です。
コーヒーやトレーニング前のサプリメントを摂取後に、睡眠状態を詳細に分析した研究です。
方法
研究では、被験者がカフェインを摂取した後の睡眠特性(総睡眠時間、入眠までの時間、睡眠効率、睡眠中の覚醒時間)を測定し、カフェインを摂取しないグループと比較しました。
カフェイン摂取グループ:
コーヒー1杯あたり107mgのカフェインを摂取
サプリメント1回分には217.5mgのカフェインが含まれている
対照グループ: カフェインを含まないプラセボを摂取
結果
結果はコーヒーやサプリメントのカフェイン量や摂取タイミングにより、睡眠に大きな影響を及ぼすことが確認されました。
コーヒー(107mgカフェイン)
総睡眠時間: 45分短縮
入眠までの時間: 9分延長
睡眠効率: 7%低下
コーヒーを摂取する場合は、就寝の8.8時間前までに飲むことで睡眠に悪影響を与えないことがわかりました。
サプリメント(217.5mgカフェイン)
サプリメントの場合、コーヒーよりもカフェインの含有量が多いため、就寝の13.2時間前までに摂取を完了することが必要です。
摂取タイミングが遅れると、睡眠に悪影響を及ぼします。
まとめ
カフェイン摂取は、パフォーマンス向上の助けになる一方で、摂取タイミングによっては睡眠に大きな影響を及ぼします。
特に、サプリメントは13.2時間前、コーヒーは8.8時間前までに摂取することで、睡眠への影響を避けることができます。
参考文献
Gardiner, C., Weakley, J., Burke, L. M., et al. (2023). The effect of caffeine on subsequent sleep: A systematic review and meta-analysis. Sleep Medicine Reviews 69, 101764.