傷害(けが)予防に効果的な運動は? 筋トレがカギを握る!
アスリートは、”けが”がつきものです。
しかし、まれにアスリートとしてのキャリアを失うような傷害(けが)をしてしまい、引退を余儀なくされることもあります。
そのような選手を何人も見てきました。
その度に、悔やまれる事もたくさんあります。
近年では、ストレッチが傷害予防効果として注目されています。
しかし、本当にストレッチだけが、傷害予防になるのでしょうか?
近年の科学は、それを否定しています。
運動によるけがを防ぐためには、筋トレが非常に効果的だということが科学的に証明されているんですね。
今回は、筋トレがどのようにしてけがを予防するのかを解説します。
論文の紹介
この研究は、2013年にデンマークのコペンハーゲン大学のJeppe Bo Lauersenらによって行われました。
彼らは、ランダム化比較試験(RCT)に基づく25件の研究を分析し、運動介入がスポーツ傷害をどれだけ減少させるかを調べました。
このメタアナリシスの結果は、筋トレや固有受容感覚トレーニングが、けがの発生率を大幅に減少させることを示しています。
主要な研究結果
この研究では、筋力トレーニング、固有受容感覚トレーニング、ストレッチング、複合的な運動プログラムの効果が調べられました。
その結果、特に筋トレが”けが”予防に有効であることが確認されました。
筋力トレーニングの効果
筋トレを行うことで、”けが”のリスクを70%も減少させることができるという驚きの結果が出ました。
この結果は、筋力トレーニングが筋肉と関節を強化し、運動中の怪我を未然に防ぐための重要な役割を果たしていることを示しています。
固有受容感覚トレーニングの効果
バランス感覚を向上させる固有受容感覚トレーニングも、”けが”のリスクを45%減少させることができるとされています。特に、捻挫や足首の怪我に効果的です。
ストレッチングは効果が少ない?
一方で、ストレッチングにはけがを予防する効果がほとんどないことがわかりました。ストレッチングによってリスクが大きく減少するという証拠は見つかりませんでした。
怪我予防に筋トレが最適!
さらに、この研究では、筋トレが特に急性傷害や過労傷害(オーバーーユース)の予防に効果的であることが示されました。
たとえば、急性のけがのリスクは38.5%減少し、過労によるけがは47.3%**も減少するという結果が得られました。
これらのデータは、筋力トレーニングを定期的に行うことが、長期的な怪我予防に非常に有効であることを示しています。
結論:筋トレでけがを防ごう!
今回の研究結果からわかるように、筋トレはけがのリスクを大幅に減少させる強力な手段です。
特にスポーツや運動に取り組む方々は、けがを予防するためにも筋力トレーニングを取り入れるべきです。
ストレッチングだけでは効果が薄いことが分かっているため、筋肉と関節を強化するトレーニングを重視しましょう。