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音楽がスポーツパフォーマンスを変える! 科学が証明する効果と最適な活用法


スポーツと音楽には、昔から深い関係があります。
アスリートが試合前に音楽を聴くのは、単なる気分転換ではなく、パフォーマンス向上にもつながることが科学的に証明されています。

本記事では、音楽が運動やスポーツに与える影響について、最新の研究をもとにわかりやすく解説し、トレーニングや競技での活用方法をご紹介します。


音楽がスポーツに与える影響とは?

音楽が運動に与える影響については、多くの研究が行われています。2020年に南クイーンズランド大学とブリュネル大学ロンドンから発表された「運動とスポーツにおける音楽の効果:メタ分析」(Terry et al., 2020)では、139件の研究、合計3,599人のデータを分析し、音楽が持つ以下の4つの主要な効果を明らかにしました。

① 気分の向上(モチベーションアップ)

音楽を聴くことで、ポジティブな感情が高まり、運動への意欲が向上します。研究では、音楽を聴くことで気分の向上効果が**約9~12%**あると示されています。

② パフォーマンス向上(運動能力の向上)

音楽を取り入れることで、運動のパフォーマンスが約2~5%向上するといわれています。特に、速いテンポの音楽(120BPM以上)は、持久系スポーツ(ランニングやサイクリング)でより効果が大きいとされています。

③ 疲労感の軽減(RPEの低下)

音楽を聴くことで、運動中の疲労感が軽くなります。研究によると、主観的な疲労感が約4~7%軽減することが示されています。

④ 酸素消費効率の向上(VO₂の減少)

音楽を聴きながら運動すると、エネルギーの消費効率が向上し、酸素消費量が減少することが確認されています。これは、酸素消費量が約3~5%削減されることを示唆しており、音楽のリズムに体が自然と同調し、無駄な動きを抑えるためと考えられます。



トレーニングで音楽を活用する方法

音楽を効果的に活用するために、以下のポイントを押さえましょう。

① テンポ(BPM)を意識する

  • 120BPM以上:ランニングやサイクリングなどの持久系運動に最適

  • 100~120BPM:筋トレや短距離走に適している

  • 100BPM未満:ストレッチやクールダウン時におすすめ

② 好きな音楽を選ぶ

研究では、自己選択した音楽のほうが、モチベーションの向上効果が高いことが示されています。自分が楽しめる曲をプレイリストに加えてみましょう。

③ 競技に合わせて音楽を使い分ける

  • ランニング・サイクリング → 一定のリズムを持つアップテンポな曲

  • 筋トレ → 力強いビートが特徴の楽曲

  • ヨガやストレッチ → 落ち着いたリラックス系のBGM


おすすめのプレイリスト(邦楽編)

BPM120以上(運動パフォーマンス向上向け)

  1. ワタリドリ - [Alexandros](BPM 132)

  2. Mela! - 緑黄色社会(BPM 130)

  3. うっせぇわ - Ado(BPM 140)

  4. - Ado(BPM 128)

  5. 夜に駆ける - YOASOBI(BPM 130)

BPM120未満(集中力・リラックス向け)

  1. オールナイトレディオ - Ado(BPM 118)

  2. 日常 - Official髭男dism(BPM 118)

  3. バタフライエフェクト - SEKAI NO OWARI(BPM 118)

  4. Magic - Mrs. GREEN APPLE(BPM 118)

  5. 恋風邪にのせて - Vaundy(BPM 118)


まとめ:音楽を活用してトレーニングの質を向上させよう

音楽は、運動のパフォーマンス向上や疲労感の軽減に非常に有効です。特に120BPM以上の音楽は、モチベーションアップに大きな影響を与えます。トレーニング時に音楽を取り入れることで、より楽しく効果的に運動を続けることができます。ぜひ、自分に合ったプレイリストを作成し、トレーニングに活かしてみてください。


参考文献

Terry, P. C., Karageorghis, C. I., Curran, M. L., Martin, O. V. and Parsons-Smith, R. L. (2020) 'Effects of music in exercise and sport: A meta-analytic review', Psychological Bulletin, 146(2), pp. 91–117


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