技術派遣とは?実際に働いてみた主観を交えて解説します。
技術派遣と訊いてもピンとこない方は多いのではないでしょうか?
私は技術派遣として8年程働いていましたが、派遣先企業の担当者も良く分かっていないであろうケースがほとんどでした。
実際に働いてみた主観を踏まえて解説していきます。
この記事の結論
技術派遣で働くのであれば自分自身でキャリアを考えていく必要があります。
派遣先でどういったスキルを身に付けられるのか?そのスキルは需要や汎用性はあるのか?は意識するようにしましょう。
就業先は不安定にならざるを得ません。ただし、常用型派遣であれば、解雇ではなく次の派遣先が見つかるまで待機になります。
ChatGPTの回答
ひとまずChatGPTに訊いてみましょう。
『なるほど、分かるようで分からん』となったと思うので、順を追って解説します。
派遣社員と派遣会社と派遣先企業の関係
技術派遣に限った事ではないですが、派遣では派遣社員と雇用されている企業(派遣会社)と実際に業務を行う企業(派遣先)との3者の関係があります。
派遣社員にとっては派遣会社と派遣先企業の2社と関係をもつ必要があります。
とはいえ、日常業務で派遣会社と連絡することはほとんどありません。勤怠の提出や有給休暇の連絡をするぐらいです(もちろん派遣先にも連絡するので、2社に連絡することになり少し面倒です)。
雇用先と派遣先が異なることは、派遣先の社員にとって派遣社員は部外者であるという意味です。派遣先の社員とは壁を感じながら、仕事をすることになります。
例えば派遣先の機密情報にはアクセスできないなどの制限があり、人によっては疎外感を抱えて業務をすることになります。
逆に言えば、会社と距離が取れているとも言えます。私を含め、会社と距離感が程よいと感じている技術派遣は多かったです。
専門的なスキルを持つ人材とありますが、そういったスキルが無い方でも就業しているケースは多く見られます。これは派遣先にとってスキルの確保よりも自社で雇用するよりも採用、労務管理コストを抑えて労働力を確保したい意図があります。
また人材育成にかけるコストも小さくなるため、現場の負担が小さくできる点もメリットです。
技術派遣の雇用形態
技術派遣で働くのであれば、常用型派遣or登録型派遣のどちらを希望するのか明確にする必要があります。
技術派遣は派遣会社に雇われていますが、雇用形態として『常用型派遣』と『登録型派遣』があります。
常用型派遣は派遣会社に正社員として雇われていますが、登録型派遣は正社員ではありません。具体的には雇用の期間が異なります。
常用型派遣は期間に定めがない
=社員が辞めると言わない限り雇用を継続
登録型派遣は期間に定めがある
=登録時に決めた期間で雇用終了
派遣社員は同じ企業への派遣は3年までと聞いたことがある思います。これは登録型派遣に限った話であり、常用型派遣には適応されません。常用型派遣では3年を超えて同じ派遣先に就業可能です。
ただし、派遣先から契約終了する判断が出た場合は別です。多くの場合、派遣先との契約は3~6ヵ月ですが、更新されないこともあります。
そのような場合、常用型派遣であれば派遣会社が別の派遣先を見つけるまで待機となります。待機中も派遣会社と派遣社員の雇用は継続され、減額はされますが給与も支払われます。
なお、私は常用型派遣で働いていたので、断りのない限り常用型派遣についての話をしています。
ちなみに個人の経験上ですが、
・派遣先企業の担当者が常用型派遣と登録型派遣の違いを理解している事はほとんどありません。
・派遣先にとっては常用型派遣と登録型派遣のどちらであろうと派遣=外部からのお手伝いさんの認識です。
・どれくらいの期間、同じ派遣先で働けるかは派遣先によります。短いパターンだと数か月、長い場合では10年以上同じ派遣先で就業することもあります。
技術派遣のキャリア形成、直接雇用
キャリア形成は自分で考える
技術派遣は自分自身でキャリアを考えていく必要があります。
技術派遣として働くならば、派遣先でどういったスキルを身に付けられるのか?そのスキルは需要や汎用性はあるのか?は意識するようにしましょう。
特定のスキル、専門性を活かせる場面について、技術派遣として働くことで専門性は身につけることができます(もちろん本人にその意識があるとの前提ですが)。
ただ、専門性は別に派遣に限った話でもなく、直接雇用の正社員として働く中でも身につきます。
このため、正社員で働く人以上の専門性を身につけることは意識する必要があります。
また多様な経験を積むことができるとありますが、これは技術に限った話です。技術派遣は人の指示を受けて業務をすることが多いので、人と交渉する、リーダーシップを取る等の経験は少ない傾向になってしまいます。
また、キャリア形成に関して言えば、企業に正社員として就職した場合、上司と面談して半期の目標を立てるケースが多いと思いますが、派遣先が技術派遣に目標設定することはまずありません。そのためキャリア形成の側面からは技術派遣は周りからのフォローが足りていないといえます。
ただし上司との面談は形式的であまり意味がない場合もあり、そういった時間を取られないとメリットと見ることもできます。
技術派遣からの直接雇用
派遣先に直接雇用されたケースは何度か見たことはあります。派遣先からの評価が高いことに加え、経済状況や年齢、派遣先と派遣会社の関係性が影響します。
ただ、私の周りに限って言えば、技術派遣としての働き方が気に入っている人が多く、派遣先への雇用を希望していない場合が多かったです。
技術派遣のメリットとデメリット
メリットについて
スキルを活かすについては需要があるスキルを持っていれば、の前提があります。
スキルアップについては、自分次第です。スキルアップを考えて業務を任されることはないので、手を挙げる必要があります。
働く場所や業務内容は”選べる場合がある”ということで必ず思い通りになるとは限りません。これはスキルに対する需要、タイミングの影響が大きいです。
その他のメリットとして会社と距離感が程よいと感じている技術派遣は多かったです。派遣会社とはほとんど関わることがなく、派遣先からは部会社として忠誠心を求められないので、気が楽です。
デメリットについて
派遣先の事情により、契約終了される可能性は常にあることから、多くの人は雇用は安定していないと感じると思います。
10年以上同じ派遣先で就業することもありますが、契約を続けるかどうかは派遣先に決定権があり、やはり安定しているとは言えません。
ただし、常用型派遣であれば契約終了=雇用終了ではありません。次の派遣先が見つかるまで待機になります。
収入は減りますが、派遣先との契約終了が派遣会社との雇用終了にはなりません。
給与や福利厚生は普通は派遣先よりも劣ります。
その差を間近で感じながら働くのは人によってはストレスかもしれません。また、年齢が上がるにつれてその差は大きく開きます。
とはいえ、技術派遣は零細企業よりはよい待遇です。就業環境も派遣先企業のものを使うことになるので零細企業よりも整っている場合がほとんどです。
派遣先での人間関係や社内文化の変化に対応する必要はあるについては、派遣に限った話ではないと思います。正社員での転職や部署に異動についても同じことが言えます。
まとめ
技術派遣で働くのであれば技術派遣は自分自身でキャリアを考えていく必要があります。
派遣先でどういったスキルを身に付けられるのか?そのスキルは需要や汎用性はあるのか?は意識するようにしましょう。
就業先は不安定にならざるを得ません。ただし、常用型派遣であれば、解雇ではなく次の派遣先が見つかるまで待機になります。
以上、参考になれば嬉しいです。