【電子帳簿保存法】検索要件の取引金額は税込?税抜?正しい記録方法を解説
はじめに
電子帳簿保存法(電帳法)への対応は、多くの企業にとって重要な課題となっています。
特に、検索要件における取引金額の記録方法については、「税込で記録すべきか、税抜で記録すべきか」という疑問が多く寄せられています。
本記事では、「検索要件における取引金額は税込か税抜か」に焦点を当て、正しい対応方法を詳しく解説します。
この記事を読むことで、以下のことがわかります
✅ 電子帳簿保存法における検索要件の意義と重要性
✅ 取引金額の記録における税込・税抜の選択基準
✅ 帳簿との整合性を保つための具体的な方法
✅ 柔軟な対応が可能な範囲と注意点
✅ 税務調査を見据えた適切な記録管理の実践方法
【記事監修】金子佳祐(@kaneko_less)
公認会計士試験合格後、PwCあらた有限責任監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)の金融事業部へ入社し、会計監査・内部統制監査・アドバイザリー業務に従事。
監査法人退所後は会計コンサル会社に勤め、経理支援やシステム導入に従事し、経理現場の改善に務める。
その後、公認会計士・税理士として独立開業、業務改善コンサルを手掛ける株式会社Lessを立ち上げる。
結論:帳簿に合わせるのが基本、柔軟な対応も可能
結論、電子帳簿保存法の検索要件における取引金額の記録方法については、基本的に帳簿の処理方法(税抜経理/税込経理)に合わせることが望ましいです。
これは、税務調査の効率性を確保するという検索要件の本来の目的に沿った対応となります。
帳簿の処理方法と合致させることで、帳簿から該当する取引について資料を検索しやすくなります。
ただし、法令では柔軟な対応も認められており、受領した国税関係書類に記載されている金額をそのまま記録項目とすることも差し支えありません。
重要なのは、一貫性を持って記録を行い、税務調査時に説明できる状態を維持することです。
実際に、国税庁の「電子帳簿一問一答【電子取引関係】」には以下のように記述されています。
問51 検索要件の記録項目である「取引金額」については、税抜・税込どちらとすべきでしょうか。
【回答】
帳簿の処理方法(税抜経理/税込経理)に合わせるべきと考えられますが、授受した電子取引データに記載されている取引金額を検索要件の記録項目とすることとしても差し支えありません。
【解説】
検索機能の確保の要件は、税務調査の際に必要なデータを確認することを可能とし、調査の効率性の確保に資するために設けられているものです。また、税務調査では帳簿の確認を基本とし、帳簿に関連する書類や取引情報の確認を行っていくことが想定されることから、基本的には帳簿と同じ金額で検索できるようにしておくべきと考えられます。
ただし、税抜・税込を統一せずに、授受した電子取引データに記載されている金額を記録項目としていても問題はありません。
実務上のポイント
ここまでで、取引金額の記録方法について基本的な考え方を確認しました。ここからは、実務上の注意点と税務調査への備えについて解説します。
記録方法の一貫性:選択した記録方法(税込or税抜)は、可能な限り一貫して適用してください。ただし、やむを得ず記録方法が混在する場合は、その理由と対象となる取引を明確に説明できるようにしておくことが重要です。
税務調査時の説明準備:税務調査の際には、採用している記録方法とその理由を明確に説明できるようにしておく必要があります。特に、帳簿の処理方法と異なる記録方法を採用している場合は、その妥当性を示せるよう準備しておきましょう。
これらのポイントに注意して対応することで、電子帳簿保存法の要件を満たしつつ、効率的な経理処理と円滑な税務調査対応が可能になります。
自動AI命名ツールのご紹介
ここまで電子帳簿保存法における取引金額の記録方法について詳しく解説してきました。しかし、実際の運用となると、まだまだ課題が残されているのではないでしょうか。特に、大量の書類を効率的に処理し、法令に準拠したデータ管理を行うことは、多くの企業にとって大きな負担となっています。
そんな悩みを解決し、さらなる業務効率化を実現するのが、AI搭載の経理業務効率化ツール「テンキレス」です。
テンキレスは、経理業務をスマートに効率化するAIツールで、以下のような特徴を持っています:
✅ 簡単アップロード:ドラッグ&ドロップで処理開始
✅ 自動データ抽出:取引先名、金額、日付を高精度で認識
✅ 法令遵守サポート:電子帳簿保存法準拠のファイル名自動生成
これらの特徴により、テンキレスを使用することで以下のようなことが実現できます:
取引金額の自動抽出: レシートや請求書から税込金額を判別し抽出します。手入力の手間と誤りのリスクを大幅に削減できます。
電子帳簿保存法に準拠したデータ管理: 自動生成されるファイル名により、国税庁の要件を満たすデータ管理が可能になります。これにより、税務調査への対応も円滑に行えます。
会計ソフトとの連携: 抽出されたデータは構造化され、主要な会計ソフトと連携可能です。これにより、帳簿との整合性を保ちつつ、効率的なデータ入力が実現します。
テンキレスを導入することで、電子帳簿保存法への対応はもちろん、日々の経理業務の効率化も図ることができます。
煩雑な書類処理や法令対応の負担を軽減し、より戦略的な業務に時間を割くことが可能になるでしょう。
経理業務の効率化にお悩みの方は、ぜひテンキレスの活用をご検討ください。
まとめ:適切な取引金額の記録で電子帳簿保存法に対応
電子帳簿保存法における検索要件の取引金額記録について、主要なポイントを再確認しましょう:
✅ 基本的には帳簿の処理方法(税抜/税込)に合わせる
✅ 受領した書類の金額をそのまま記録することも可能
✅ 一貫性のある記録方法を採用する
✅ 税務調査時の説明準備を整える
✅ 内部規程を整備し、統一的な運用を図る
これらのポイントを踏まえ、自社の状況に最適な記録方法を選択し、実践してください。適切な対応は、法令遵守だけでなく、業務効率の向上にもつながります。
電子帳簿保存法への対応は、一度の取り組みで終わるものではありません。法改正や自社の状況変化に応じて、定期的に記録方法を見直すことをおすすめします。
このような継続的な取り組みが、長期的な経理業務の効率化と、スムーズな税務調査対応につながるでしょう。