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テニス上達メモ113.打つのが怖い「あなた限定」。これでボールに集中できます
▶「集中」と「恐怖」は隣り合わせ
テニスでは、ボールだけに集中すると上手くプレーできます。
常識的なテニス指導が伝える「フォーム」「打ち方」「スイング」に集中しても、そのぶんボールに集中できなくなるのですから、上手くプレーできません。
ボールに集中する。
それが戦う上で最も安全です。
ですがそれは、恐怖と隣り合わせ。
▶「視野狭窄」だから怖くなる
安全と言っておきながら恐怖とは、どういうことでしょうか?
たとえばこちらで紹介したラファエル・ナダルは、ボールに一点集中するあまり観客席が見えなくなって、あわや突っ込んで怪我もしかねませんでした。
パフォーマンスは確かに上がっています。
ボールに集中すると、「動こう」「動かなきゃ」ではなくて、「動きたがる体になる」からです。
ボールに体を「操り人形化」させているから、速く正確に動けます。
しかし、ボールに集中すればするほど、ボールしか見えない「視野狭窄」(もちろんここでは目の病気ではなく、絞り込まれた視野のことです)。
周りが見えず危険だから、集中するのは怖い。
怖いから、集中できない。
潜在的に、こんな怖れが潜んでいます。
潜在的だから、自分では怖れているとも、なかなか気づきにくいのです。
▶怖いから「全体」を視野に収めたくなる
視野狭窄になると、プレーは最も安全なのですけれども、たとえば対戦相手のポジションや様子も見えません。
それが冒頭でお伝えした、「集中するのが怖い」一因です。
ボールだけを目で追っていると、急に相手が視野に飛び込んでくるからびっくりする。
それが怖くて「防衛本能」が働くために、全体を視野に収めたくなるのです。
なお対戦相手が自分に視野に飛び込んでこなければ、ご自身のウイナー。
どうせボールに向かって対戦相手は引き寄せられて来るのですから、直接見なくても相手のポジションは分かるのです。
▶打つのが怖くないですか?
特にオープンスキル系の競技はこの怖さがあるために、クローズドスキル系のスポーツや趣味の世界と違って、「楽しい集中の世界」へ入りづらいのです。
ランニングや、こちらで述べているようなASMR、あるいは映画鑑賞などではそのような「防衛本能」が働きにくいから、楽しい集中の世界へ入っていきやすいのです。
ですがテニスももちろん、「楽しい集中の世界」へ入っていくプレーは可能。
それができずに「打つのが怖い」というプレーヤーは、少なくありません。
それはやはり、今はまだ、ボールに集中しているつもりでも、ボールに集中できていないからなのです。
「今はまだ」と但し書きしました。
この先を読むと、「ボールに集中」できるようになります。
▶ドタバタvs.スーッ
全体を視野に収めると、相手の動きに惑わされます。
繰り返しになりますが「潜在的」だから、惑わされているとは本人は気づきません。
たとえば相手前衛が勢いよくポーチに出てきそうになったら、尻込みして後ずさりしたりしませんか?
その時点でボールは、「まだ打ち出されていない」にも関わらず。
ですからボールに集中していないプレーヤーは、誤った無駄な動き方をするから、傍から見ていると分かります。
それが、ドタバタするプレーヤーと、頑張って走っているようには見えないのに、ボールにスーッと追いつくプレーヤーとの違いです。
▶「ポーチキャッチ」の「分からない」が正解
相手にポーチを打ち込まれても、前衛を務める自分の手が思わず出て、「ポーチキャッチ」できた経験はないでしょうか?
「思わず」というのが、つまり「思考していない」から集中です。
相手の動きに惑わされて後ずさりなどしたら、捕れるポーチも捕れなくなります。
「思わず」捕れた。
思わずだから、自分でもなぜだか分かりません。
やはりボールにだけ集中するのが、最も安全なのです。
▶怖いから対戦相手を見てしまう「罠」
あるいはこちら。
ボールにだけ集中して対戦相手を見ずにいると、ご報告いただいたプレーヤーのごとく、確かにテニスのパフォーマンスが上がります。
しかし、それができないプレーヤーは少なくありません。
対戦相手が見えない怖さがあるから、くだんのご報告いただいたプレーヤーのように、びっくりするのです。
それで怖いから安心したいために、ボールだけではなく対戦相手も見てしまうのが罠です。
するとボールだけを見ていればパフォーマンスが確かに上がる現実に反比例して、対戦相手も見てしまうと、確かにパフォーマンスは現実的に下がる相関です。
「罠」ですから、気づけません。
見えている罠には、引っかかりようがないからです。
▶どんなボールが来るか知りたい?
「罠」にはまるプレーヤーは対戦相手を見て、どんなボールが来るのか、いち早く知りたいのです。
それはすなわち、意識が未来に飛んでいて、「今・ここ・この瞬間」のボールから集中が逸れている。
常識的なテニス指導では、そうやって飛んで来るボールを「予測せよ」と教えます。
だからボールに集中できなくなってミスが多くなるため、打つのが「怖くなる」のです。
▶「びっくりする見方」。それ正解
ボールにだけ集中していると、対戦相手が急に視野へ入り込んできて、飛び出してくるようにも映るものだからびっくりするのですけれども、その見方が差し当たって正解です。
びっくりするのは、あくまでも「差し当たって」です。
集中する見方に慣れてくると、そのほうがプレーするうえでは全然ミスしなくなるからいちばん安全だと腑に落ちて、やがてびっくりもしなくなります。
▶最も「安全・安心・確実」なプレーの仕方
対戦相手を見るから、打ち込まれそうな雰囲気を感じて怖くなる。
逆もまた然り。
安心したくなって対戦相手を見たくなる心理も働くのです。
すると、ボールだけを見て打つ先を見ずに打つ「ノールックショット」ができません。
対戦相手には目をくれず、ノールックで打ち切れば、ボールがよく見えるから、実はそれが最も「安全・安心・確実」なのです。
▶集中できないあなたへ「克服方法」
克服するにはどうすればいいでしょうか?
「自分は怖れているんだ」と気づけば、実は問題はほぼクリアです。
「なぜ集中できないんだろう?」と手探り状態の「罠」から抜け出せるからです。
「自分は怖れている」と気づければ、対戦相手の動きに惑わされずに済みます。
恐怖を乗り越えたその先に、最も「安全・安心・確実」な世界がパーッと開けているイメージ。
そうすると、戦うオープンスキル系のテニスでも、今まで体験したことのなかった「楽しい集中の世界」に入れます。
「打球音はショパンの調べ」です。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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