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早熟か?大器か?
今回は、プロを目指すジュニアの皆さん、
そのご父兄に向けて書いていきます。
シンプルに陸上で例えるなら、
「100mを10.1秒以下で走れない。」
ようならプロを目指すべきではありません。
ファーストサービスを200キロ以上かつ50%で入れ続けらるフィジカルとテクニック。
そのレベルのサービスをラケットの真ん中で
捉えるコーディネーション能力。
これが、100mで例えるならば、11秒台くらいです。
さらに毎日、スリーセットマッチをやり続けられる体力と回復力。
その他のストローク、ボレー、スマッシュと全種類の回転…。
毎日3から5時間テニスに費やしても、最低10年は必要です。
つまり、プロテニスプレーヤーとしての準備をするならば、
52週×5日×3時間×10年=7800時間
52週×5日×5時間×10年=13000時間
8000時間から13000時間の準備が必要に
なります。
東大に入る為に準備時間が5000時間くらい
らしいので、その量の多さが理解して頂けると思います。
さらに、これは、
「才能のある選手の最短」
なので、そうでない選手が努力で補おうとした場合…そうですね、1.2倍、頑張ったとして、週5日で6時間必要になります。
それも10年間。学校に行っていた場合、
ほとんど無理なのです。
プロスポーツ選手の寿命を30歳までとして、
18歳から12年間、
「職業テニスプレーヤー」
として働く事が出来たとして…。
計算するのも馬鹿らしいくらいコスパが
悪いのです。
なので、
「天才くらいの才能しか持ち合わせていない人間が立ち入れる領域ではない。」
のです。錦織圭選手や西岡選手がいかに
「化物」
か理解して頂けたと思います。
それが分かっているから、テニスコーチの
99%の人間は、
「人生をやり直した程度じゃ、プロで食べていくレベルにならない。」
と痛感しているわけです。
でも、それで良いと思います。テニス、楽しいですし。学びも気付きも、とても多いスポーツで人生を豊かにしてくれます。
小学校、中学校の
「かけっこ」
程度でいくらクラスの1番、学年の1番なんて言ったところで、
「胃の中のかわず」
にすらなれないのです。
これは、テニスにも言えること。低学年のうちからイエローで打たせていれば、
スタートダッシュは切れるかもしれませんが、
「結局は、身体が出そろってからが勝負」
なのですから、さほど意味をもちません。
しかしながら、
低学年のうちにある程度、勝てないと
「中学校、高校でテニスを選んでもらえない。」
ので、コーチの焦る気持ちも痛いほど理解できます。
擬似的な早熟の天才は作る事が出来ます。
まぁ、ほとんどの場合、その子の人生を犠牲にしてですが。
そこまでして、プロテニスプレーヤーを目指させる理由が見つけられません。
あそこは、化物達の領域。だからこそ
「お金を払って観戦する価値がある。」
のです。
テニプラ