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意識の使い方(リライト版)
とある学者が言いました。
「意識は0.5秒遅れてやってくる」と。今回は、意思決定について話しましょう。
音波が鼓膜に届いてから動くまで、0.1秒かかります。光が網膜に届いてから動くまで、0.2秒から0.3秒かかります。単純な反応だけでもこれだけの時間がかかるのです。そして、これが「高度な判断」になると、0.5秒以上かかることもあります。
時速200キロのサーブは、バウンドなどで減速しなければ、0.43秒で到達します。
つまり、
「ボールが来てから判断したら遅い」
ということです。
人間にはこのようなタイムラグがあるのですが、
「これを意識しにくくする脳の機能がある」
ことがわかっています。運動センスの良い人ほど、この機能が弱く、つまりタイムラグを認識できているということです。
このような脳の補正機能は他にもあります。たとえば、
「盲点」
は誰しも持っているにもかかわらず、普段は意識することがほとんどありません。これは脳が補正しているからです。
では、スイングが開始される0.5秒前に判断をしていなければ、
「実質的には判断していないのと同じ」
です。さらに、
「飛んだ方向を狙った」
と脳が錯覚させようとすることもあります。テイクバックしてから打つ場所を決めているという人は、
「脳に錯覚させられているだけ」
なのです。
実際に、
「打つ場所をコールしてからテイクバックしてみてください」
というレッスンを行うと、
「コーチ、コールすると狙った場所に飛ばない」
という声がよく聞かれます。
「コールしたらコントロールできなくなるなんてことはありません。普段からコントロールできていないだけで、飛んだ方向を狙ったと勘違いしていただけです」
ということを、少し柔らかく伝える必要があります。
つまり、スプリットステップの時点で意思決定をしていなければ、満足なスイングはできないということです。「迷ったらどこに打ちますか?」と聞かれた時点で、迷っているなら狙うことはできず、運任せになってしまいます。
打てるかどうかは別として、
「狙う」
ということが、上達や試合で勝つために重要なのです。
筋肉は脳の指令でしか動きません。明確に動くためには、明確な命令が必要です。迷えば、その迷いが命令に反映されます。命令通りに動いた結果、ミスが起こることもあるわけです。
このように、クリアな命令を出すことが、上達にもつながります。しっかりと狙いを定めて行動することで、結果もクリアに現れてくるのです。
以上です。ありがとうございました。
テニプラ