どーもくんの不思議てれびの思い出
どーもです。
僕はお酒が好きではありませんが、居酒屋メニューは大好き。近所に昔ながらのお店があって、たまにご飯を食べに行きます。
カウンターに座り、大量にぶら下がっているお品書きの木札を眺めます。「やっぱここは大好物のニラ玉にしようかな」決めかけたところ、ひとつの木札に白い紙が貼られて見えなくなっていました。
「あの木札って何のメニューだったっけ。」なんとなく気になったのですが、思い出せずに店員のおばちゃんに聞いてみたところ、どうやら「肉じゃが」だったそうです。
「へー、肉じゃがが減ったんだなぁ。」と思いました。
ドキュメンタルの松本人志の手紙のような導入ですみません。
僕はどーもくんが好きです。NHKのマスコットキャラクターの彼。茶色くて鋭い歯を持つ、あいつ。当然NHKでアニメーションが放送されてたらしいですが、見たことありません。ほら、うちBS映んなかったからさ。…本当に好きなのかな。
偶然立ち読んだゲームカタログ曰く、そんなどーもくんがゲームになるとのこと。
「どーもくんの不思議てれび」
2002年、ゲームボーイアドバンス専用ソフトとして発売されたどーもくんのゲーム。
同じく2002年に発売されたゲームといえば、「ポケットモンスタールビー・サファイア」や、「ロックマンエグゼ3」が同じくゲームボーイアドバンスのソフトとして発売されています。
当時の小学生キッズはポケモンかエグゼ3か必ずどちらかに夢中になっていましたが、僕は「どーもくんのゲーム」というアングラな好奇心に引き寄せられ、ポケモン派にもエグゼ派にも属さず、どーもを、孤立を、選んだ。周りに合わせて行動する協調性キッズが足を踏み外した瞬間。最高瞬間視聴率、18.3%。初孤立、どーも。
後になって知ったのですが、実はこのゲーム、非常に高い評価のようで、知る人ぞ知る神ゲーとの評価。よかった、僕の小5から中3のプレイした1000時間は間違いじゃなかった。
僕はこのゲームについて語りたかったが語れる人もいなかったためインターネットの海にそっとこの便箋を流すことにした。
賽は投げられた。小堺一機の手によって。なにがでるかななにがでるかな。
「どーもくんの不思議てれびの話」
※これからプレイする人に配慮して以下ネタバレ要素はありませんので、安心してご覧ください。
どーもはテレビが大好きなので、テレビが壊れることは一大事。どーもは必死にテレビをバンバンと叩きます。今だったらTVerで見れるから物語が進みませんね。NHKってTVerで見れたっけ?まあいいやそんなことは。
ゲーム内容としては、どーもが全30種類の番組に出演することになるのですが、番組ひとつひとつがミニゲームとなっていて、バラエティに富んだゲームを楽しめる、ミニゲーム集的なゲームになっています。
それぞれの番組では操作方法も丁寧に解説してくれるので、小さいお子様にも安心して遊べる設計になっています。やったー!
あと、エンディングまで話のテンポもめちゃくちゃいいです。
僕はラストサビのあとにAメロやって終わりの構成の曲がめちゃくちゃ好きなんですが、このゲームのストーリーもそんな感じの構成で、多分BUMP OF CHICKENが作ってるんじゃないかと思います。
単純明快なストーリーに充実の操作説明、どーもたちのポップなグラフィックと、ここまで売れない要素がありませんでしたが、なぜか難易度が高すぎるという弱点が。子ども向けなのかマニア向けなのか、結局残ったのが将来のマニア予備軍のねじ曲がりキッズのみという結果になってしまいました。
ここからは僕が印象に残った番組(ミニゲーム)をいくつか紹介します。
自然スペシャル鳥の成長
ポケモンルビーサファイアでは最初に
キモリ、アチャモ、ミズゴロウの3匹のポケモンから選んで物語が始まりますが、このゲームでは「自然スペシャル鳥の成長」と「Dサイトベースボール」の2つの番組のどちらかを選んでいきます。
この番組(ゲーム)はどーもが卵を温め、雛を孵化させ、蛇や鳥などの外敵から守りながら雛に餌をやり、無事に巣立たせるゲームです。
「嘘をつけ!ゲーム開始直後で雛を巣立たすゲームがあるか!」うーん、それがあるんだよな。
この「鳥の成長」だけではなく、このゲームのほとんどに共通して、どーもにはHPがあり、それが「肉じゃが」です。よくあるハートみたいな感じで画面の左下には常に肉じゃがが表示されています。しかもあんまりおいしくなさそうな肉じゃがが常に映ってて大変にシュール。でも、どーもの好きな食べ物と言えば、肉じゃがだし。ドラえもんっつったらどら焼き、キン肉マンっつったら牛丼、どーもっつったら肉じゃが。当然ですね。えっ、知らない?すみません。
この「鳥の成長」の操作説明には僕の大好きな言葉があります。
「どーもはこころのいたみで肉じゃがが1こへります。」
「どーもはこころのいたみで肉じゃがが1こへります。」
「どーもはこころのいたみで肉じゃがが1こへります。」
僕は何を思えばいいんだろう
僕は何て言えばいいんだろう
ゲームシステムを知らなきゃ何言ってんのかさっぱりわからないけれど、チュートリアル史に残る名文です。
Dサイトベースボール
ゲーム開始時に鳥の成長ともう一つ遊べる番組がこの「Dサイトベースボール」
この番組は代打の切り札のどーもがチームの勝敗を決める大事なシーンで登場する野球ゲームです。年俸が0円になるとほうそうちゅうし(ゲームオーバー)です。
どーもはホームラン予告ができるのですが、ホームラン予告して三振すると年俸が約2千万円下がります。僕も仕事のミスが発覚次第給料が引かれたらすぐにほうそうちゅうし(ゲームオーバー)してしまいそうです。
どーもライブ
ところ変わって音楽ナタリー「tenngumanニューアルバム特集ロングインタビュー」
──まずはtenngumanさんの音楽のルーツから伺わせてください。
tennguman んー、やっぱどーもライブっすかね?日本人だったら誰でも『どーもくんの音ゲーがやりたい!』って一度は考えると思いますけど、その夢がどーもライブで叶いましたもんね。さっき難易度の高いゲームだと言いましたが、基本どの番組も難易度が分けられていて、このどーもライブもノーマル、ハード、スペシャルの3段階に分かれています。全クリだけを目指すならべつにノーマルだけクリアすれば問題なかったかと思います。僕はお助けアイテム縛りのスペシャルモードのフルコンボに4年かかりましたね(笑)この、ライトゲーマーからハードゲーマーまで楽しめるシステムがこのゲームの最も評価できる点だと思います。
どーも探検隊迷宮の秘宝
この番組では、どーもが遺跡内を探検し、お宝を集めます。敵の攻撃や、槍のトラップなどを避けつつお宝を集めてトロッコで脱出してクリアです。
この番組ではどーもに攻撃手段はありません。
しかし、遺跡内に設置されている松明を落とすことで襲い来る巨大ミイラ男を燃やすことができます。無表情でミイラ男を燃やすどーもは必見。でも仕方ない。テレビが映らないんだから。僕も水瀬いのりの曲が聴けなくなったら巨大ミイラ男を燃やすかもしれません。
聖なる館
「どーもくん興味湧いてきたけど、バイオハザード好きな俺を満足させられるかな?」そんなあなたには「聖なる館」。どーもくんの不思議てれびではゾンビだらけの洋館から脱出するホラーゲームも楽しめます。
洋館内にはうさじいや、コウモリの親子のもりおとしのぶ、お友達のたーちゃんが助けを待っているので助けてあげましょう。(助けずに脱出することもできます。自分の命が大事だし、テレビも壊れてるし、仕方ないよね) ちなみにここでもどーもは逃げることしかできません。「どーも」と声を出してゾンビを誘導することしかできません。
もちろんうかうかしていたらゾンビにかじられちゃいます。ゾンビにかじられるどーもくん見たことあります?
どーもドーケサーカス
どーもで玉乗りがしたい?なら「どーもドーケサーカス」がおすすめです。思い出したくもない高難易度のストレス量産番組ですが...
玉乗りしてバランスを取りながらゴールを目指します。途中火の輪をくぐらなければならないのですが、スピードが遅いとどーもが燃えます。まぁテレビ壊れてるから必死ですよね。
燃えるどーもくん見たことあります?大丈夫!燃えても肉じゃがが減るだけだから!
はたらくどーも
どーもで建設工事をしたいという全人類の願いが叶った瞬間でした。「はたらくどーも」では高層ビルを建設できます。
鉄骨に梯子をかけて上を目指していきますが、もたもたしてるとコンクリ作業が始まって、どーもが生き埋めにされます。
急げよどーも。この番組の最高難易度である「でんせつのしょくにん」は、このどーもくん不思議てれびの中でも屈指の難しさです。すぐ床が抜けて落っこちて…労災?肉じゃがで保障されますが、わりとすぐ肉じゃがが足りなくなります。
コンクリで生き埋めにされるどーもくん見たことあります?
剣豪!!みねうちどーも
心優しき浪人、どーもが悪人どもをみね打ちで成敗する、時代劇番組です。侍でありながら人を傷つけることをせず、みね打ちで裁くのが彼のポリシーです。さすが教育的配慮。
操作説明を見てみます。
こころのいたみで肉じゃが減らしてたあの頃には戻れない。
僕もどーもも。