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自分の事ができたら(代表挨拶)

代表挨拶

2022年6月16日、友達を誘ってふたり出版社を立ち上げました。

ふたりとも、出版業に関わる仕事をしたことは一度もありません。過去に簡単な同人誌を2冊作ったことがあるだけ。未経験のど素人です。さらに言えば、ぼくは現在28歳、友達は32歳ですが、ふたりとも正社員になったことすら一度もありません。ぼくは個人事業主だった時期がありますが、会社はこれが初めてです。右も左もほとんど何もわからない状態で、完全に見切り発車で、勢いだけでこの会社をつくりました。

この会社をつくるまで、ぼくは4年間ぐらいずっとニートでした。何をしてもだめでした。去年は就職活動をしていましたが、正社員どころかアルバイトの面接すらことごとく落ちました。他にも病気など色々な理由が重なって、「疲れたな。もう面倒くさいから死のう」と考えていました。

でも、このまま死ぬのはどうしても嫌でした。ふざけるなと思いました。だから「どうせなら最後にやりたいこと全部やってから死のう。本をつくろう。全財産ぶっ込もう。今までずっとぼくのことを助けてくれた本や音楽や映画に恩返しをしよう。それに、ぼくが「素敵だ」と感じたものの魅力を社会に広めていければ、もしかしたら誰かが助かるかもしれない。せめて最後ぐらいは人の役に立ってから死のう」と決めました。

点滅社のスローガンは「日々を静かにおもしろく照らす本を」です。読んでくれた方の日々がちょっとでもおもしろくなるように、ぼくたちはできる限りのことをやります。中身を読まなくても、ただ本棚に置いてあるだけで不思議と静かな気持ちになれるような、そんな本をつくります。「人生を救う」とかそんな大きなことは無理だしできないのだけど、でも読んでいる間の30分間だけは、死にたくなるほど苦しい人生を忘れて安心できるような、クソ以下の現実をぶっ飛ばす勇気が湧いてくるような、隣で一緒になってこのくだらない社会に中指を突き立ててくれるような、「それでもたまには悪くないかもな」とこのどうしようもない世界を笑い飛ばしてしまえるような、そんな本をつくります。

死ぬとかクソとか物騒なことばかり書いてしまいごめんなさい。ですが、仮にこの会社が潰れてしまってもぼくは死にません。たとえ大失敗で終わったとしても、最後まで立ち向かうことができたのなら大丈夫。自分で自分の事ができたのなら大丈夫。それさえできたのなら、ぼくは今後も生きのばしていける気がしています。

明日、一冊目の刊行作品「ニーネ詩集 自分の事ができたら」が事務所に届きます。この本をつくるために、本当にたくさんの方々に協力してもらいました。その方々に恩返しするためにも、ぼくはできる限り、最後まで点滅社を続けていきます。

長々と大袈裟なご挨拶になってしまいましたが、どうぞよろしくお願いいたします。

2022年11月3日
点滅社代表 屋良朝哉


(11月にHPに載せようと思ったんだけど結局やめて、代わりにフリーペーパーに載せた代表挨拶です。来年も続けるために頑張ろうという気持ちを込めて今回noteに投稿しました。2023年もよろしくお願いします。生きま~す)





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