何故君は俺と一緒にいるのだろう
今日はニーネのドラム、サダさんの歌詞について書きます。
サダさんは、自分に自信がありません。歌い方も、頑張ってひねり出すようなボーカルです。そして(おそらく)すべての曲を、大塚さんに手伝ってもらうことでなんとか完成させています。その感じがまずめちゃくちゃよい。
「何故君は俺と一緒にいるのだろう」は特に好きな曲で、この曲を広めたくてライブ版のサブスクを解禁してもらったところがあります。
なぜきみはおれと一緒にいるの、なんでおれなんかと会話してくれるの、なんで一緒にいてくれるの…みたいな、友達でも恋人でも家族でも知り合いでも、誰かとずっと一緒にいると、つい忘れてしまいがちな感情を思い出させてくれます。
サダさんは何回かニーネを脱退しているのですが、これはたぶん再復帰することを決めたときの歌だと思います。「とにかく」はニーネ詩集のバイオグラフィーを読んだ後に見返すと、ますますいい歌詞に見えてきます。
「Heart Full of Soul」は、サダさんが途中で放り投げた「何故君は俺と一緒にいるのだろう」を大塚さんが拾い上げて、後半に新しく歌詞を付け足して完成させた曲です。恋愛の歌から友情の歌に変化しています。
この曲は後半、ほとんど誰にも心を開こうとしないニーネの歌詞世界の主人公である「俺」が、かなり積極的に、もう鬱陶しいぐらい「お前」と熱く関わろうとしているところがいいです。「こんなに悲しい気分も誰にもわかるわけがない」と歌っていた「俺」の心境の変化が伺えます。二十歳前後の頃はこれと正反対の内容をよく歌っていました(どっちが良いとか悪いとかではなく)。
ニーネは「夏休みは終わりだ」以降、ラブソングが少なくなります。その代わり友情の歌が増えているところが特徴のひとつです。
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