フェスをつなげる
この上なく団結力を感じたGWだった。
GW中に、2つの大型音楽フェスが実施された。
JAPAN JAMとVIVA LA ROCK 2021だ。
JJは千葉の海浜幕張公園。ビバラは埼玉のさいたまスーパーアリーナ。
どちらも蔓延防止範囲内であったが開催された。
近くの東京では緊急事態宣言も発出されていたので、すべての人が開催に賛成であったというわけではない。
実際、ARABAKI ROCK FEST.2021は中止の判断がされた。
正直どちらも正しい判断で、賞賛されるものだと、わたし個人的には思っている。
音楽好きの人々からすれば、去年の夏フェスはもちろんすべて中止。
年末フェスはといえば、ギリギリまで準備をしていたところで数日前の直前で中止の判断。
悔しいことが重なった。
それがあっての今回の春フェスなのだ。
だからこそ、何としてでも開催したい、参加したい、という気持ちが多くの人にあったように思う。
しかし、開催するにあたって批判も多くあったはずだ。
ネットを少し覗いたり、テレビをつけたりすれば、「まん防なのに」「東京が宣言なのに」といった言葉で、フェスの開催自体を批判する声も少なくない。
もちろん言い分は理解できる。
生命の維持、という点においてはエッセンシャルではない、いわゆる不要不急に当たってしまうのだろう。
それでも、さいたま新都心が地元で、フェスの映像も見ていたわたしが感じたことを綴りたい。
ほとんどの観客がマスクをつけて、ソーシャルディスタンスを保って、声援なしで過ごしていた。
アリーナの外で飲食をする人々を見ても不必要にマスクなしで会話をしていたり、たむろっていたりする印象はなかった。
多くの人がやっとのフェスを楽しみに来ているからこそ、やっとの思いで手にしたそのチャンスを守ろうとしていると感じた。
本来のような声援や揉みくちゃになるような一体感はなかっただろうけれども、会場にいなかったわたしにも伝わるくらいに「フェスを守ろう」という強い意志をともなった一体感を感じられた。
これだけで、すごくうれしかった。
好きな音楽の種類や、楽しみ方が違えども、音楽文化を、フェス文化を守ろう、そう共に想うだけで本当にうれしかった。
この2つの巨大フェスが大事な意味を持っていたのは、コロナ以降初めての大型フェスであるということがある。
それと同時に、次へつながるということがある。
春フェスはGWが中心ではあるが、このあとも各地で予定されている。
自分も5月中に2つのフェスに参加する予定だ。
この2つのフェスの結果次第で、後ろの日程で控えるフェスの開催にも大きく影響を与える。
結果というのは、感染者という指標ももちろん、世間的な評価というのもある。
フェスの開催には、多くの人の理解が不可欠。
だからこそ、このフェスで来場者は感染対策に協力的であり、密は避けられている、という事実を周知させる必要があった。
それを踏まえて、やはり2つのフェスの観客の参加する姿勢、態度は本当にうれしかった。
場所を超えた団結感を感じられた。
まだ開催から2週間後の結果によるけれど、ひとまず全力を挙げて開催の決断をしてくれた運営と、開催を支えてくれたスタッフに最大限の感謝を。
この時勢のなか、批判もともなったフェスに出演しパフォーマンスをしてくれたアーティスとにも、感謝をしたいと思う。
同じように、フェスを守ろうと、ルールを守って制限のなかで楽しんでくれた参加者にも感謝をしたいと思う。
この一言に本当に尽きる。
ありがとう。