これからのスタートアップをどう盛り上げるのか? #テンカイズ
2020年12月22日、TBS 放送センター内で開催された「サッポロ ゴールドスターpresents テンカイズ オンラインフェス」。(※2021年1月27日放送)
第3部は、「スナックなつみ二次会」をお送りします。番組プレゼンターの浜田敬子さん、野村高文さん、三浦崇宏さんと一緒に盛り上げます。
1 今、活躍する起業家の特徴とは
宇賀:テーマは、「これからのスタートアップをどう盛り上げるか」「この番組を今後どうするか」にも繋がりますね。
浜田:そうです。スタートアップの皆さんと共にある。
宇賀:みなさん、これからスタートアップ企業はどのような動きになると思いますか?
三浦:これからは、所謂ビジネス芸人(表によく出る経営者)よりも、骨太で確実に事業を伸ばしてる人たちにスポットライトが当たっていくと思います。
浜田:たしかに。もうBusiness Insiderで4年目ですけれども、20代の起業家を取材することが多くなってきています。
20代の方々は、飲む暇なんてないぐらいに、事業のことを考えてるし、社会課題を解決する起業家が増えたと感じます。
三浦:やっぱり大震災などを経てお金を持っていてもしょうがないと。何か人の役に立ちたい気持ちがある方が増えている印象ですね。
野村:私はNewsPicksで5年ぐらいスタートアップを見てきた中で2017,18年と19,20年は雰囲気が変わってきたなと。
17,18年はビジネス芸人という面白く、大きく言う人が多かった印象ですね。19,20年になってくると、投資をする側もサービスを使う側も「これって本当に持続可能性があるの?」と感じ始めたのかと。投資のマネーが集まってるのが、脇が固い SaaS 企業、BtoB SaaS 企業が多いのも特徴のひとつですね。
三浦:リアル志向になっている気がしますね。
浜田:Business Insiderで”未来の作り手”という私が立ち上げた連載があるのですが、まさに未来の社会の仕組みを変えたり、作る人たちにフォーカスをしています。そこで私、最近ピカイチの面白い女性起業家を取材したんですよ。
野村:はい。
浜田:綱川明美さんです。やってる事業は、AIチャットボットで、日本に来た外国人の困りごとを解決するサービスなんです。
詳しくはこちら▷https://www.businessinsider.jp/post-228135
例えば、日本に到着したら外国人観光客は何も分からない。そこで、自動的にビースポークが立ち上がり、 言語に対応して解決してくれるんです
三浦:位置情報×ロケーションということですか?
浜田:そうです。彼女のビジネスで驚いたのが、40人ぐらいの会社なのに、グローバルにウィーン国際空港とか、成田空港、東京駅と契約しているこお。ほんとに良く出来ているサービスなんです。
野村:その方は、まだ若いんですか?
浜田:32歳です。40人中、日本人の社員は3人ぐらいしかいない。元AWS 、元 Google X みたいな社員が入っています。
野村:テクノロジーカンパニーみたいな。
三浦:女性社長とか、女性なのに...が関係なくなっていますね。
浜田:関係ない。飛び越えてきている。
野村:女性起業家の肩書きは、よくないですね。下駄履かせられていることだと思うんですけど。
三浦:宇賀さんとかも”女子アナ”っていう言葉でちょっと苦労した事ありました?
宇賀:はい。”女優さん”とかもそう。俳優さんでいいのにとかは周りも言ってますね。
浜田:”女性編集者”って言われるし。
宇賀:そうそう。
浜田:ベルリンでは「主演女優賞男優賞を無くして、主演賞にする」という動きもありますよね。
野村:特にビジネスインサイダーも取り扱っていたベンチャー村男多すぎ問題もそうですよね。
詳しくはこちら▼
https://www.businessinsider.jp/amp/post-202608
浜田:そうですよ!男子校問題。
宇賀:浜田さんは、男女比は気になりますか?
浜田:ある女性起業家が言っていたのですが、30前後の女性起業家が出資をお願いに行くと「僕たちはもう、30前後の女性起業家はリスクがあるから投資しない」とまで言われたと。
そういうことを平気で言う人がまだいる。
今度、ちょっと次元が違いますけど、バイデン政権はたくさん女性が入るじゃないですか。
広報チームは全員女性。みんな7人中か6人中5人がワーキングマザーとか当たり前に子育てもしながらリーダーをやっていく。アメリカを参考にすると、日本はまだまだ理解がないですよね。
宇賀:国にとっても経済にとってももったいないことですよね。
三浦:たしかに。国民の半分くらいの人が、本気で頑張りにくい世の中ってことですもんね。ちゃんと評価されると思ってもらえる社会にしていかないとと思いますね。
野村:マジックナンバー3割、30%みたいなことがありますが、その1人2人アリバイ的にいるって全く意味がないと思っています。
ある程度のボリュームがないと意思決定の声って反映されないと思うんですよね。例えば、国の大臣とかでアリバイ的に何人か入ってるじゃないですか。
でも重要なポストについてなければ、構造的には何も変わってないってことが起きていると思うんです。2021年は、そこを変えていかなきゃですよね。
宇賀:役員とか、管理職とか数合わせではなくて、結果的にたまたま女性がこんなに増えたっていうところが増える世の中になってくれるといいなと思います。
2 注目のスタートアップって?
浜田:お二人は、注目しているスタートアップなんかあります?
野村:「コテンラジオ」というポッドキャストですね。去年アワードで大賞を取ったんです。
歴史系のポッドキャストで、3人で配信してるんですけど、全員ベンチャー企業の経営者なんですよ。
三浦:へえ!!
浜田:それぞれ自分の会社を持ってるの?
野村:正確に言うと1人A社の経営者の人と B社の社長と役員みたいな感じの3人でやってるポッドキャストなんですけど。
もう歴史をとにかく分かりやすく話しているんです。
何が面白いかというと、皆さんベンチャー経営をしているんで、「確かにこういう歴史的な事象って組織論としてあるよね」とか「ベンチャーでも出くわすよね」みたいに、かなり現代に引き付けて考えるんです。
浜田:昔の紙の President がやってた全部を戦国時代で語るみたいな。
野村:それの現代版だと思います。その方々自身が“歴史の情報っていうのをビジネスにする”をミッションに起業をしてるんですよ。
歴史って、時代ごとに語られますが、構造的に似ているものがたくさんあると。検索すると、歴史的な事象がパッと一覧で出てくるデータベースを作ろうとしてるんですね。教育の現場とか、研修の現場とかコンテンツ制作の現場とかに入れようとするビジネスをやっています。
三浦:へぇ、面白いですね。
野村:はい。パーソナリティーの深井さんは、抜群に面白かったですね。
なんとなく自分の情熱が金よりも大事、手堅くいこうみたいな流れを感じますね。
浜田:好きなことやる!みたいな(笑)
野村:そう。しかも、どこから資金調達するというより、自分の金張ってやってるんですよ。すごく姿勢として面白いなと思って。
そういう人たちを取り上げていきたいなと、強烈に感じましたね。
3 これからのスタートアップとは
宇賀:2021年、こんな年になるみたいな予想を伺いたいです!
三浦:自分の好きなこととか、自分の信念、自分の熱狂をやり続けるやつが注目されるのだと思いますね。
野村:そうですね。今年は、本当にオンラインの年になったなと思います。いかにオンラインを前提にしてオフラインでサービスの価値を出すのかに注目していますね。
三浦:「オンラインorオフライン」会社状況を聞かれるじゃないですか。やっぱandで自分に一番都合のいいグレーゾーンの働き方を見つけた会社が伸びますよね。
野村:そうですね。一番心地がいいグレーゾーンをどう作るかになってくるかなと思いますよね。
宇賀:浜田さんはいかがですか。
浜田:「何を大事にして生きていきたいか」というとき、もう仕事はそこそこで、仕事もするけど旅したいとか。どうやって人生豊かにしたいかっていうのを助けてくれるビジネスが2021年も伸びるかなと思ってます。
三浦:これまでは、orの時代だったのが、どうやってandを成立させる時代になっていくのか。orからandへっていうのは1個テーマかなと思ってますね。
野村:家庭を犠牲にして仕事をやるとかじゃなく、どっちも充実させるってことですよね。
浜田:どっちも!どっちも楽しく。
宇賀:そうですね。今後のビジネスに注目です。
それでは皆さん、長い時間お付き合いいただきましてありがとうございました。
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