日本初のクラウドファンディングをスタートした企業、READYFORに注目!2020/09/23 #テンカイズ
今や日本のビジネス界でも頻繁に耳にするようになった「クラウドファンディング」。誰もがやりたいことを実現できる世の中を作り、思いの乗ったお金の流れを増やす。そして挑むからには達成を。そんな目標を掲げ、邁進する企業があります。今夜は若き女性リーダーの挑戦に迫ります。
MCは宇賀なつみさん、プレゼンターはBusiness Insider Japan浜田敬子さん。
収録の様子は【番組公式YouTubeチャンネル】でご覧いただけます。
宇賀:今夜のゲストは、READYFOR株式会社代表取締役の米良はるかさんです。リモートで繋がっています。よろしくお願いします。
米良:よろしくお願いします。
宇賀:今回も浜田さんから紹介していただいたんですよね?
浜田:そうなんです。このコロナで、みんな「誰かのために何かしたい」っていう気持ちがすごく起きたと思うんです。寄付をしたい、誰かを支えたい。是非クラウドファンディングREADYFORの米良さんに、今回なぜ皆さんがこんなにクラウドファンディングを使うようになったのかの背景を一度聞きたいなと思って、今日お呼びさせていただきました。
米良:ありがとうございます。
宇賀:ではまず最初に、米良さんのREADYFOR株式会社が手掛ける事業について教えていただけますか?
米良:READYFORは2011年の3月末に立ち上がり、日本で最初のクラウドファンディングのサービスとして運営をしています。来年で10年ですね。当時はまだ「クラウドファンディング」というキーワードは日本で誰も知らないところから始めたので、使っていただける方もすごく少なかったんですけれども、9年間粛々とやってきています。
私たちのサービスは、特に資本主義ではなかなか流れないようなお金の流れを実現しようというところで、例えば研究の領域、医療の領域、あるいはソーシャル、社会貢献、NPOの領域とか、そういったショートタームで大きな利益を出すわけではないんだけれども、社会的に本当に必要で多くの人たちがそれによって支えられている……そういった領域にもっともっとお金を流していきたい。
日本は民間の個人貯蓄も非常に大きいところもあるので、そういったお金と社会課題を解決する現場で頑張る皆さんのお金を届けていくということを実現しようというふうに思っておりまして、今まで累計で160億円ぐらいのお金をそういった現場に流すことをしています。
最近だとコロナに関連するいろんな事業者様にも使っていただけるようになりまして、少しずつですけれども一つの市民権を得た手段になってきてるかなというふうに認識しています。
<コロナ禍でのクラウドファンディング>
宇賀:今では日本でもクラウドファンディングってよく聞くようになりましたが、米良さんから見るとどうですか?どのくらい浸透してきたなとか、いやまだまだって感じることがあるとか?
米良:認知度で言うと、まだまだ広めていかなきゃいけないなっていうふうに思っています。でも、はじめましての方で「クラウドファンディング」って一度も聞いたことないって方は、本当に少なくなったなという印象があります。やった方はまだまだ一部かなと。
でも聞いたことがあるっていう状況になったってことは素晴らしいことだなと思ってまして。やっぱり今回のコロナもそうですけど、本当に大変な時に、「そうか、クラウドファンディングっていう手段があるから、それだったらお金を集められるかもしれない」って、大変な時の皆さんにとって希望になるような手段として利用されるようになったっていうのはすごく大きいかなと思っています。
浜田:クラウドファンディングって、お金を出す側も、挑戦したい人にとっても、すごくハードルを下げましたよね。お金を集める手段って、これまでだと銀行から借りるとか、ベンチャーキャピタルから投資してもらうとかだったと思うんですけど、でもそれってすごくハードルが高くて。100万、200万あればチャレンジできるのに……っていう人多かったと思うんです。
挑戦する思いさえあって、共感さえしてくれる人がいればお金が集まる、チャレンジができるっていう、このチャレンジがしやすい社会を作るのがクラウドファンディングかなと思います。どうですか?チャレンジしたい人が増えてきたっていうふうには感じてらっしゃいますか?
米良:クラウドファンディングだけじゃないと思うんですけど、テクノロジーの進化によって個人がいろんな挑戦を、副業とかも含め、いろんなことをパラレルに選択して行動できるような社会になってきていて。しかもそれを人生かけてやるとかまでいかなくても、自分の人生を豊かにするための様々な選択を同時に取れるような状況になったので、プロジェクトが起こりやすくなってきたんだと思うんですよね。
ただ資金調達の仕組みってプロジェクトにあんまりフィットしていないところがあって、どうしても法人格とか法人の業績とかに連動して、融資や投資が行われる。
浜田:実績がない人は挑戦しづらいですよね。
米良:そうなんです。でもやっぱり仲間が集まって何かをやろうと思った時にお金は必要なわけで。そういう時代に合った手段として、クラウドファンディングがハマったのかなというふうに思っています。
<READYFORは、ただお金を流すだけじゃない。>
浜田:目標の金額が最初に設定されていて、達成できるプロジェクトとできないプロジェクトがありますよね。その違いって何ですか?
米良:発信し続けることは非常に大事になってきます。
活動支援というような形になると、その団体さんの信頼性とか、活動における発信力が一定は必要になってきます。でももちろん、団体さん、活動される個人の皆さんによっては、全くそういった人脈がないっていうケースも当然ある。そういった時は、活動自体の情報をしっかり発信し続けることがとても大事で、まさに諦めない心。最大90日間お金集められるんですけれども、その間本当にマラソンのように最後までしっかり走り続けることができると、達成額も伸びる傾向があります。
自分がどんなに良いアイデアだと思っても、寝てたらお金が集まるわけでは当然ないので、一人でも多くの方に共感いただけるように情報を発信することはとても大事なポイントになってきます。
宇賀:チャレンジしやすくなったとはいえ、ちゃんと中身がないとダメだってことですね。
浜田:今回コロナでもちろん飲食店さんも大変だったし、皆さんクラウドファンディング挑戦してらっしゃって。自分たちの活動を支えてくださいって、皆さん一生懸命やっていらっしゃったんですよね。そういうところにいっぱいお金を入れすぎて!(笑)
米良:ありがとうございます。今回のコロナで、本当にあらゆる方が大変な状況になって、こちらもいろいろやらせていただきました。
私たち自身でもREADYFORのプラットフォームを使って、医療従事者とフロントワーカーの皆さんに向けた「コロナ基金」というものを立ち上げて。これは国外で活動されるNPO団体はかなり大変な状況ではあるんですが、国内で活動される方々は、お金集め以上に現場が本当に忙しくなっている。例えばホームレス支援されている方々とかも、今回のコロナで、今までは一緒に暮らしていたのを一人ずつの部屋にしなきゃいけなくて急遽スペースを拡張しなきゃいけないとか。あとは自粛と言われても家に帰れない方々っていうのもたくさんいて、そういった方々が溢れないようにサポートを広げなきゃいけないというNPOさんもすごく多くて。こういった方々が資金調達に時間をあまり使うことなく現場で活動できるように、私たちで基金を作って、そこにお金をお渡しするということもやらせていただいています。
浜田:これまで行政の助成とか支援を頼るっていうことぐらいしかなかったのが、一人一人の民間から民間にお金が流せる仕組みができたのは画期的ですよね。
宇賀:チャレンジする側だけじゃなくて、応援する方のハードルもすごく下がってるんだなって思いました。
では最後に、READYFORさんの今後の展開を教えてください。
米良:READYFORは今まで、クラウドファンティングとしていろんな方に挑戦をしていただきたいなと思い展開をしてきました。その中でも、今のお金の流れの中では流れにくいところにお金を流して来たんですが、コロナもあってより多くの皆様に利用していただいたり、ご支援いただくということにつながったかなと思っています。
とはいえ研究医療の分野、ソーシャルの分野は、まだまだ本当にお金が足りない状況が続いていくと思っています。私たちはクラウドファンディングの仕組みを超えて、そういったところにもっともっと民間のお金が流れる仕組みづくりも挑戦していきたいと思っているので、ぜひREADYFORというプラットホームも応援いただけたらなと思います。
宇賀:今夜のゲストはREADYFOR株式会社 代表取締役の米良はるかさんでした。ありがとうございました。