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移住の事業をしていたら、自分も移住しちゃった!?アメリカから日本の仕事をする女性起業家に注目 2020/07/01 #テンカイズ

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、リモートワークの導入を本格的に図る企業が増加しました。この流れに伴って、都市部と地方、国内と海外など、拠点を二つ持っていかに仕事ができるかという可能性を探る人が増えているそうです。今夜は実際に海外に移住した方の経験談をお聞きします。

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MCは宇賀なつみさん、
プレゼンターはBusiness Insider Japan編集長の浜田敬子さん。
収録の様子は【番組公式YouTubeチャンネル】でご覧いただけます。

宇賀:今日はアメリカ、オレゴン州のポートランドとつながっております。元カヤックLiving代表取締役でみずたまラボラトリー代表取締役の松原佳代さんです。松原さんこんばんは!よろしくお願いいたします。
今ポートランドにいらっしゃるんですよね?

松原:はい。ポートランドです。

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宇賀:こんなにクリアに、近くに感じられるのが本当にすごいなと思います。今回も浜田さんが推薦してくださったんですよね?

浜田:そうなんです。今回は二つの理由で松原さんを推薦したんですけども。
一つが、今「移住」がみんな視野に入ってきてる時に、松田さんご自身もご家族で移住して、しかも移住先のポートランドから日本の仕事をやってるんですよね。どうやって仕事してるんだろうと気になりますよね。
もう一つは、松原さんがこの間まで代表取締役を務められていたカヤックLivingさんって、まさに移住を事業にしてるんです。地方の仕事と地方に移住したい人をマッチングさせるサービスの「SMOUT」をやってらっしゃって、私たちBusiness Insiderでは、地方で働いてみようっていう体験プロジェクトを何回かやってるんですけど、去年の秋に紀伊半島で働こうっていうのをカヤックLivingさんと一緒にやったんです。
というのもあって、今日は松原さんにお話を聞きたいなと思って。

宇賀:移住のお仕事してたけど、自分も移住しちゃったっていう。しかもポートランドですからね!いろいろ伺っていきたいなと思うんですが、松原さん、いつからポートランドに住んでいらっしゃるんですか?

松原:昨年の8月に家族で移住してきました。

宇賀:それまではどういうお仕事をして、どういう暮らしをされてたのか教えていただけますか?

松原:カヤックLivingという会社の代表をやっていたんですけども、そちらでは「SMOUT」という移住のための地域の人とつなぐマッチングの事業をやっていました。それをちょうど2年前に立ち上げて、鎌倉で暮らして、鎌倉で働いているという生活をしていました。


<リモート移行によって、同じ空気を共有できるように>

宇賀:どうしてポートランドに行こうと思ったんですか?

松原:きっかけは、長男を妊娠した頃に家族で海外で生活をしてみたいなと思ったことでした。今までは割と「仕事を中心に暮らす場所を選ぶ」っていうのは普通だったと思うんですけど、これからは暮らしたい場所で暮らして、仕事をそれから考えるという人も増えていくのではないかなと思っていて。夫も私もIT関係の仕事だったので、それに挑戦できる可能性があると思いまして移住を考えました。

浜田:松原さんはずっとポートランドから東京のカヤックLivingの仕事や、ご自身の会社のみずたまラボラトリーの仕事も、基本的には日本での仕事ですよね?

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松原:はい。リモートで全部仕事しています。

浜田:みずたまラボラトリーでは、どんなお仕事しているんですか?

松原:スタートアップのPR支援をして、PRの方の育成とかをやっています。

宇賀:それは全部リモートでできちゃうっていうことなんですか?

松原:そうですね。それができるかどうか、挑戦しようと思って来たところもあったんですけど、半年経ってできそうだなっていう手応えは感じています。

浜田:そこにコロナが起きたということですよね。
松原さんからすれば、コロナの前も後も、変わらずに仕事を続けられたっていう感じですか?

松原:リモートワークをするっていうのは何も変わっていなくて、でも日本の皆さんが変わってくださったという印象が強いです。

浜田:どんなふうに?日本の人は。

松原:物理的な距離は私は遠くなったんです。日本に帰ることはできないし、飛行機も飛んでいないし。
でも精神的な距離は縮まったように感じていて、リモートでも気軽に声をかけてくださる方は増えたし、このような機会ももちろんあるし、オンラインでイベントに参加してくださいって言われることも増えたし。
コロナによってみんながリモートになったので、同じオフィスにいなくても同じ空間を共有するようになったなって思います。

浜田:松原さんにみんなが追いついてきた感じですね。オンラインでできることをみんながだんだん認知してきて、何でもできるね、イベントもできるし、こうやってラジオにも出ていただけるし、仕事もできるし……みたいな感じで。

松原:必ずしも追いついてきたっていう感じではないんですけれども、同じ環境になったなっていうふうに感じてます。

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<海外からリモートワークをするママのスケジュール>

宇賀:どういうスケジュールでお仕事されてるんですか?

松原:これはコロナの前後で大きく変わりました。
子どもが二人いるので、コロナがやってきた後は一斉休校になりまして、日中子どもが完璧にいるっていう生活を今はしているんですね。コロナ以前は子どもを小学校や保育園に預けて、日中はデスクワークを中心に行い、お昼の2時ぐらいには子どもを迎えに行かなきゃいけない。キンダーガーデンで学童とかないので。それから家族の時間を過ごして、夜の21時に子どもを寝かしつけた後に日本と会議をするっていう。

浜田:そうすると時差的にもちょうどいいわけですか。

松原:そうです。そうすると2分割して、仕事・デスクワークは午前中、会議は夜の21時から。

浜田:でも今お子さんがずっといらっしゃると、お昼はあんまり仕事できないですよね?

松原:そうですね。そこは夫と曜日で分けていて、何曜日と何曜日は私が仕事をする人みたいな。
リモートワーク自体、距離はそんなに問題じゃないっていう印象を持ってます。ただ時差は割と辛い。実際問題夜が割と遅くなってしまう、でも学校は朝からあるとかそういう状況なので、ちょっと難しい。
ただ考えようによっては、この子どもたちが一斉休校になった後も仕事を続けていられるのは、時差によって私のビジネスタイムと育児タイムがずれてるから。日本のママ達の方が大変だと思います。

浜田:そうですね。日本のママたちはすごい大変そうでした、学校が一斉休校の間は。仕事もやんなきゃいけないし、子どもも見なきゃいけないので、本当に苦しそうでしたね。


<移住の価値観が変わっていく時代>

浜田:住みたいところに住むっていうことでポートランドを選ばれて、暮らしの満足度ってすごく上がりました?

松原:上がりましたね、やはり住みたいっていう気持ちが強かったので。
もちろん鎌倉と比較してしまうと一長一短ではあるんです。でも今まで見たことのないような経験ができたり、異文化の中で生活をするっていう体験をできているっていう満足度はすごく高くて。楽しんでいます。

宇賀:このマッチングしてくれるサービスがあるんですもんね?

松原:そうですね。「SMOUT」では国内で地域の人と移住希望者をマッチングしてます。

浜田:「SMOUT」のサービス説明してもらってもいいですか?

松原:地域に移住したい人がサイトにプロフィールを登録しておくんです。そうすると地域の人からスカウトメッセージが、オンラインでチャットのように「うちの地域に遊びに来てみませんか?」っていう形で届くっていうサービスです。

宇賀:今自分のしている仕事でリモートはできなくても、住みたい街から逆算して仕事を探すこともできるっていうことですよね。

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松原:地域の方が「今こういう人を募集しています」っていう発信もしているので、「この仕事に応募してみませんか?」っていう形で声がかかることもあれば、「今度東京に行くので1回お会いしませんか?」という形で声がかかることもある。
仕事を見つけることも、もしかしたらその方にお願いすれば家を見つけることもできるかもしれない。そういうサービスです。

浜田:移住の時の壁って、仕事があるのかどうか、知り合いがいない、ってよく言われるんですよね。でもこの「SMOUT」のサービスを使うと、仕事も見つかるかもしれないし、最初の知り合いが見つかるっていう、そういうことなんですね?

松原:そうですね。移住のハードルが何かと考えた時に、もちろん仕事とか住宅っていうのは大きいんですけど、その地域に知っている人がいないことへの不安が一番大きいと思ったんです。
それでこのサービスは“人と人との出会いのサービス”だと思っていて、人とのつながりを作ってからそれから家とか仕事とかをその人と一緒に探して行こうっていうそれがコンセプトです。


<これからの移住とは?「半移住」という選択>

宇賀:これから移住しようという人、どんどん増えていくんですかね。

浜田:本格的な移住じゃなくても、月の一週間だけ地方に住んでみるとか、そこから入るとか。なんかそういう「半移住」くらいのが増えていくような気がします。
完璧な移住となるとハードルがすごく上がっちゃうけど、でも何箇所かを行ったり来たりするとか、仕事の合間にちょっとだけ旅行するとか。それができれば人生がもっと自由になって、豊かになると思いません?休みが取れないから旅行に行けないって言ってたわけじゃないですか。でも仕事を半日、旅行先でできたら、いつでも旅行に行けるわけですよ。

宇賀:休み、仕事の日っていうのを、完全に分けなくてもいいわけですからね。

浜田:例えば日中は旅したり、地方で楽しんで、でも夜にかけて仕事をするとか、午前中だけ仕事するみたいなのもいいかもしれないですね。

宇賀:いろんな可能性が広がっていきそうですよね。
松原さんの今後の夢や目標はありますか?

松原:やはり仕事の仕方とか暮らし方とか、いろいろ挑戦して実験をしていきたい。今回リモートで仕事ができるって日本の方も感じてくれたと思うので、海外と日本のフルリモートの会社とかをやったりとかもしたいなと。
コロナによって、家庭と仕事の比率を皆さんすごく考えられたと思うんです、一斉休校になって。8時間働くという前提条件とかも、これから覆っていくんじゃないか考えています。だから1日に3時間が定時の会社とかもあっていいと思うし、そういう会社の仕組みとか組織のあり方っていうものを、いろいろ提案したり挑戦していきたいと思っています。

宇賀:本当にいろんな働き方、生き方が選べる時代になるのはいいことですからね。今後進んでいくといいなと思います。今夜のゲストはアメリカ、オレゴン州のポートランドから元カヤックLiving代表取締役でみずたまラボラトリー代表取締役の松原佳代さんでした。ありがとうございました。

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