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主食をイノベーション!栄養計算された新タイプの食事「完全栄養食」とは? 2020/08/26 #テンカイズ

皆さんは「完全栄養食」と聞き、何を思い浮かべますか?
「宇宙飛行士が宇宙で口にする、少量でエネルギー補給ができるもの?」
「近未来の世界で一粒。お腹が膨れるサプリメント?」
今回注目するのはパスタやパンといった身近な完全栄養食。

ゲストは、ベースフード株式会社代表取締役の橋本俊さんです。

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MCは宇賀なつみさん、プレゼンターはBusiness Insider Japan浜田敬子さん。
収録の様子は【番組公式YouTubeチャンネル】でご覧いただけます。


<パンや麺が完全栄養食って?>

宇賀:橋本さん、よろしくお願いします。完全栄養食が分からないのですが
自身のサービスについて教えて頂けますか?

橋本:弊社は「主食をイノベーションして健康を当たり前にする」をミッションに掲げる会社です。完全栄養のパンと麺を世界初で開発してオンライで販売しています。

宇賀:完全栄養ってどういうことですか?

橋本:一食にどの栄養素がどれだけの量を必要とするかは、基準があります。それを一食で全て満たしているものを完全栄養食と定義されているんです。例えば栄養士さんが献立を作る時の学校給食は、基準に則って栄養素と量を決めています。

宇賀:つまりタンパク質や炭水化物、ビタミンなどがどれくらい、とかが全部一つに入ってるってことですね?

橋本:一食分の2個のパンと一食分の麺それぞれにタンパク質、ビタミン、全てのミネラルとオメガ酸みたいな必須脂肪酸、あと食物繊維が一食分の基準量以上に入っています。

宇賀:そんなことできるんですか?

橋本:栄養士さんが献立を立てるとき、例えば鮭や納豆のタンパク質、海藻のミネラルの量を足し算して一汁三菜の献立を作るんですね。

弊社の場合、その原材料が小麦粉ではなく、大豆や小麦粉の全粒粉という玄米みたいなものとかを一汁三菜の献立ぐらい10品目以上混ざってるんですよ。なので、必要な栄養素約30種類が全部入るように作ってます。

浜田:取材でいちばん面白かったのが、橋本さんが最初DeNAという会社を辞めて起業し、商品開発を一人でやったんですよ。

宇賀:自分でやったんですか?

浜田:1年間かけて自分の家のキッチンで。

宇賀:えー!誰かに頼まないんですか?

浜田:だって栄養価とか学んでないですよね。
   
橋本:そうですね。IT企業から退職するときに退職メールを送ったんですけど、「麺を作るんでやめます。」みたいな感じだったので、ほとんどの人は「こいつ蕎麦職人でもなるのかな?」と勘違いされましたね。

浜田:その時にはもう主食で完全栄養食という有効な青写真は出来ていたんですね?

橋本:そうです。社会課題を解決するような新規事業をやりたいと思った時に、日本は世界最高レベルの少子高齢化の国であり、社会保障費の負担が高いのが国としての問題だと考えました。その責任を一番負ってるのは我々世代だと思います。

健康な人を増やし、健康寿命が伸びる事が社会保障負担を下げることなので、そのためには「食」が一番大きい役割を持っています。なので食を栄養バランスが良いものに変えていこうとしたのが最初の着想ですね。

浜田:私は、取材に行くまでは誰か栄養士さんとかと組んだのかなと思ったんですよ。でも自分で本屋さんに行って管理栄養学の教科書を買って、あと高校時代の化学とか教科書からやり直して、栄養素なども勉強していたと。
自分でうどんも打ったんですよね。

橋本:最初は本当に、栄養学の教科書とか食品加工学の教科書とかが教科書コーナーにあるので、それを読むんですけど、理系の知識を忘れてるので分からないところが出てくるんですね。そうすると化学とか物理とかの教科書も読んで...

宇賀:真面目!笑

橋本:製麺機も自宅で買ってきて、YouTubeで麺の作り方とかを調べてました。最初は本当に、その低レベルなところから始めましたね。

浜田:自分でうどんをこねているかどうか、麺の工場の人に頼む時には大事ってことですね。

宇賀:「自分も製麺機買ったんですけど」と言えるかどうかですよね。

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<大人の給食。健康な食事を定期的に>

宇賀:美味しいのかな?味が気になります。

浜田:パスタは子どもが食べたんですけど「すごく美味しかった」と言ってました。

宇賀:パスタってどういう形で届くんですか?

浜田:見た目本当に普通なの。

橋本:普通の生麺でフィットチーネタイプ、平打ち麺みたいなものとか、あとアジアンという中華麺みたいなものを2種類出してます。割と普通の麺ですね。パンも普通の丸パン。プレーンの丸パンとチョコが練り込んだチョコパンがあるんですけど、見た目は多分わからないと思う。

宇賀:本日は、試食をご用意いただきました。今手元にありますけれども、かわいい!パンが見えないようになってるんですね?


橋本:インターネットで売っているので店頭でパッケージを見て買うわけじゃないんですよね。だからネットで見て買うのでこういうデザインでも大丈夫。

宇賀:びっくりしたのが、裏の栄養成分表示ってあるじゃないですか。表示が多い!見たことないですよこんな!

橋本:パンと麺でこの表示をしたことは今まで誰もなかったので、
僕も行政に問い合わせして、どういうふうに書けばいいのかを相談しながら作りましたね。

宇賀:子どもが今夏休みだったら、お昼これ一個で給食一食分になるって事ですよね?

橋本:そうですね。例えば学校給食がコロナで行けなくて食べれない時とか、お子さんに配ったり、リモートだけど一緒に食べる時間を設けるキャンペーンがあったりしました。

浜田:被災地とかにいいかもしれないですね。今までだったらおにぎりとかだと炭水化物しか取れないので東日本大震災の時にビタミン不足になり、口内炎ができた人がすごく多かったそうです。でもこれ一個でとりあえず色々栄養素が取れるんであれば、災害の時の保存食としていいですよね。

橋本:避難生活が長期化してくると乾パンとかだけではダメで栄養バランスが必要になってくるんです。弊社の商品は保存料なしなんですけど、冷蔵冷凍保管しなくても製造から45日持つんです。しかもそのまま食べられるんでそういう時に活用してもらえる。

防災ってなんか今までは防災食と日常食って考え方だったんですけど、今は日常で使う物が防災に使える方がより安全であるっていう考え方に変わってきています。都会で暮らす人も普段から防災を考えながら定期購買していただけるかなと思っています。
   
浜田:サブスクリプションサービスなんですかね?

橋本:そうです。

浜田:毎月毎月届くという。

橋本:そうです。健康を当たり前にするっていう時に僕いちばん難しいのは続けることだと思いました。続けてほしいんで定期購買でお届けしているんです。

キャッチコピーは大人の給食って言っていて、僕らが小学校の時は栄養士さんが栄養計算した給食です。それを当時月90回の食事のうち20回は給食を食べていたので栄養計算された食事を月20食常に食べていたんです。
そうすると、どんな家庭環境の子でもやっぱ健康でいられる。社会人は、忙しい時一気に栄養バランスが崩れたりする。
 
だから弊社の定期購買をしていれば、とりあえず12食、16食、20食は最低でも栄養計算された食事ができるっていうのがコンセプトですね。

宇賀:サブスクの価格設定ってどうなってるんですか?

橋本:価格設定は定期購買すると少しお得になっていて、約一食あたり350円でお届けしています。月12食とか14食とか買う方が多いので、だいたい月4000円とか5000円を弊社に使っていただいていますね。

宇賀:ひとつずつ買うこともできるんですね?

橋本:最低購入個数っていうのがあって、一個だけだと配送費の方が高くなってしまってお客さんにご迷惑かけてしまうのもあり、8食以上から始めてます。

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浜田:食の分野での色々新しい企業とかが増えてますよね、今ね。

橋本:今フードテックっていうようなスタートアップのカテゴリーっていうのができていますね。

浜田:先ほど社会課題を解決する日本において医療費の増大みたいなのを抑制するために、食とかヘルスケアに注目したということでしたね。食のビジネスやっててよかったなと思うことなんですか?

橋本:美味しいものを食べる機会が増えることですね笑

浜田:自分のところだけじゃなく、他の食にも関心がすごく向くってことですか?

橋本:それもあります。でもどうやって美味しく作るかの話があった時に
最初は栄養士さんとか食品加工の先生だったりとかと一緒にやるんですけど、最後の仕上げはパスタだと手打ちパスタ職人さんとやりますし、パンだと手作りパンの職人さんとやるんですね。

有名な長期発酵の手作りパンの有名な方に最後監修してもらったり、パティシエの方とかパン食品の方、シェフと話す機会が多くなったんです。
そうすると例えば「蜂蜜を入れたい」となったら「蜂蜜ってどの植物の蜂蜜ですか?」って言われるんですよ。栗を食べてる蜂蜜かラベンダーの蜂蜜かとかいって。

宇賀:へぇーそんな種類があるんだ!

橋本:そんな僕知らないじゃないですか。でも食べ比べさせてもらうと全然違うんですよね。料理するのも楽しいし、食事行く時も聞いたりします。

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<世界へ進出。食は言語の壁を超えられる>

浜田:元々、起業前から食にすごい興味があったんですか?

橋本:食べることは好きなんですけど、どちらかというと解決したい社会課題から逆算していったときに食だったんです。僕はIT系で働いてるんで、食は得意分野じゃないんです。でもやりたいことにいちばん近かったので、チャレンジしたって感じですね。

浜田:面白いですね。いちばん生活の土台になるところだから、必ずどの人も食は必要ですもんね。

宇賀:海外でこういうものあるんですか?

橋本:弊社の商品、完全栄養の主食ってのは世界初ですね。でも完全栄養のドリンクはあって、このドリンクを摂るだけでさっき言ったような一食に必要な栄養素が全部摂れますみたいなものはシリコンバレー発であったりとか。
あとは海外で一番有名なのは植物性の肉ですね。

浜田:今そこがすごい熱いですね。

橋本:植物性原材料だけを使ったお肉がすごい上場して株価つけたりとか。

宇賀:今後は、海外もどんどん進出していくと。

橋本:そうですね。今すぐ出るとかいう話かどうかは置いておいて食は言語の壁を越えられると思うんです。やっぱりITっていうのはどうしても言語の壁にとらわれる部分が多いと思うんですけど、食はモノなので世界に出れる。特に日本食はもう現時点でも世界に出ているので、日本の食のイノベーションは世界に出られると思って始めていますね。

宇賀:楽しみですね。ということで今夜のゲストはベースフード株式会社 代表取締役の橋本俊さんでした。ありがとうございました。



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