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働く女性の助け合いサービス?出張シェフのサブスク「シェアダイン」をテンカイ! 2020/08/19 #テンカイズ

共働きや忙しい子育ての中、毎日の食事を作るのは一苦労。そんな日々の強い味方はズバリ「作り置き」。お家での作り置きを、もしプロが手がけてくれたら……今回は、今注目のサブスクリプションサービスに迫ります。

MCは宇賀なつみさん、プレゼンターはBusiness Insider Japan浜田敬子さん。
収録の様子は【番組公式YouTubeチャンネル】でご覧いただけます。

宇賀:今夜のゲストをご紹介します。株式会社シェアダイン共同代表の井出有希さんです。よろしくお願いします。

井出:初めまして。シェアダインの共同代表、井出と申します。

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宇賀:よろしくお願いします。今回も浜田さんが推薦してくださったんですよね。

浜田:私も子育てしながら仕事をしていて、その中で何が一番大変かって、やっぱり毎日ご飯を作ること。今は夏休みですけど、ちょっと前までお弁当も作っていたので、この食事を作るのが本当に負担が大きいんです。
帰ったらすぐに献立を決めてご飯を作って、週末はそのためにちょっと作り置きしたり、材料買いだめしたりとか……その作り置きをプロの人にやってもらえるサービスって、すごく需要があると思ったんですよね。今度はコロナで子供も夫も家にいるようになって、3食全員分作るっていうのが数ヶ月続いたので、もっと需要が伸びてるんじゃないかと思って、今日お話聞いてみたくてお呼びしました。


<家庭の食事の課題を解決!サブスク「シェアダイン」>

宇賀:私も興味津々なんですけれども、まず井出さんから、そのサブスクのサービス「シェアダイン」について教えて頂けますか?

井出:「シェアダイン」というサービスは、ホームシェフのサブスクサービスで、離乳食から生活習慣病まで食の専門家が、ご家庭の食の課題を解決します。在籍しているのが調理師や管理栄養士などの、食の資格を持った方々であるという点と、また保育園、病院、産婦人科などでの栄養指導経験があるといったような専門性を持った方たちが登録しています。
私は子どもの食事の悩みからこういったサービスをやりたいと思ったんですけれど、離乳食や子どもの偏食に悩んでいる方から、生活習慣病、あと食事制限があるような方たちまで幅広い世帯でも使っていただけるサービスになっています。

宇賀:なるほど。ただ作るだけでも大変なのに、その先の、栄養の管理とか食育までしてもらえちゃうんですね。

浜田:1回何時間ぐらいで、何品くらい作ってもらえるんでしたっけ?

井出:1回3時間の訪問で、4人家族だと4回分の夕食、約16食分をお作りしていくサービスになっていて、だいたい品数で行くと10〜12品ぐらい一気に作っていきます。
出張シェフサービスってセレブの方が使う値段がすごく高いサービスと思われがちなんですけど、まとめて作るということでかなり経済合理性もあるというふうに考えています。

浜田:1回で大体いくらぐらいかかるんですか?

井出:1回出張料金が6800円からで、プラスこれに食材費が3500円ぐらいプラスされて、約1回1万円ぐらいの出費になりますが、16食分作るので一食あたり645円〜くらいになります。

浜田:材料の買い出しも頼めるんですか?冷蔵庫にあるものも使ってもらっていい?

井出:どちらでも大丈夫で、最初はもう分からないから買ってきてもらいたいという方は、お買い物からお願いすることもできます。また自分で適当に買っておくから冷蔵庫にあるものを使ってくださいっていうようなリクエストもできます。

宇賀:じゃあ材料は揃えておくこともできるし、買ってもらうこともできる。調理器具とかは全部使ってもらうわけですよね?家にあるものを。

井出:そうです。ご家庭にあるごくごく一般的なものでお作りできます。

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<「働く女性の助け合い」のようなサービス>

浜田:私、これすごいいいサービスだなと思ったのは、例えばプロのノウハウとかスキルとか知識を持ってらっしゃる栄養士さんとかって女性が多いと思うんですけど、子育てとかで一旦退職せざるを得なかったような方たちが時間を選んで働けるわけです。プロとして。
やっぱり自分が社会に復帰する時のステップとして、自分で時間を選んで働けるっていうのもいいですね。料理って本当は女性だけがするものじゃないんですけど、でも働く女性の助け合いのようなサービスだなっていうのはちょっと感じたんです。

井出:調理師側も飲食店だと割と長時間労働になる部分もあって、お子さんを産むと女性の料理人は活動の場が限られてしまうという面もあるんです。でもシェアダインだと、10時から13時だけとかっていう働き方ができるので、今浜田さんがおっしゃったような面もあるかと思います。
さらに最近はコロナの影響で飲食店の業務縮小・休業もあるので、料理人としてのスキルを活かせる新たな場所としてのシェフ側のご登録が本当に増えました。在宅勤務の拡大で、お家の中での食事の比率も以前に比べて格段に高まっているかと思います。

浜田:すっごく増えました。しかも夫が毎日いるって初めてなんですよ、こういう経験が。夫の分の夕飯を毎日作るって、みんな負担がすごく大きくなったって聞きます。

井出:気軽に外食へ行ける環境にもないというところで、シェアダインにはレストラン出身者もたくさん登録しているので、ちょっと家でおうちフレンチ、おうちビストロ、おうちイタリアンを試してみたいというような、非日常的なお料理を家の中で楽しむっていうニーズもあるかなと思います。

宇賀:もう自分だと限界があるというか、同じ味付けになっちゃったりとか。

井出:やっぱりプロだからだと思うんですけど、「これって家にある調味料で本当に作りました?」、「何か変わったもの使いました?」って思わず聞いちゃうような調味料や素材の組み合わせで、いくらでも料理って広がるんだなっていうのを勉強しています。

浜田:ずっと働く女性の取材をしていると、特にワーキングマザーの人たちが何に罪悪感を持っているかって、一生懸命仕事をしているとどうしても家族の食事作りになかなか時間割けないこと。
やっぱりお母さんたちは一生懸命子どもの栄養とかも考えていて、なんとか自分がお母さんに作ってもらったような味を子どもにも……って思ってるけど、そこまで手をかけられないって事に本当に罪悪感を持っているんです。私は罪悪感持たなくて全くいいと思っているので、デパートで買ってもいいし、外の人の力を借りるのも全然OKだと思っていて。今の忙しいお母さんたちの罪悪感がそれで払拭できて、家族も美味しいものが食べられて幸せになる。
そういうものにお金を使うのは全然もったいなくないよって。自分の時間を買ったり、自分がそれでちょっと楽になって美味しいものが食べられるって、それが家族の幸せにもつながるから全然もったいなくないって後輩も言ってるんです。その辺のハードルをいかに下げるかっていうのが難しい。

井出:手作りへの神話っていうのがあると思うんですけど、それを手作りへの信頼に変えたいっていうふうに思っているんです。
プロがご自宅まで来てくれるので、作っている場所は自分の家だから割と安心できると思うんですよね。自分の使い慣れている調味料とかで作ってくれるので。そういった家で作ってくれたものをみんなで楽しく囲むっていうその時間が豊かな時間にも繋がると思うので、そういった価値を発信していきたいです。

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<バリキャリのサラリーマンから起業家へ>

浜田:井出さんご自身は東大を出られて、ゴールドマンサックスに就職されて。

宇賀:すごい経歴!

浜田:でもリーマンショックでリストラされて、その後に転職された外資系も日本法人が撤退とかして。キャリア的に見ると本当にピカピカなんですけど、すごく苦労もされたと。
でもまさか自分が起業するとか、経営者になるって思っていらっしゃっていましたか?

井出:全然考えていませんでした。
このシェアダインを起業するっていう考えが思いつくまでは、私は普通のサラリーマンとして自分ができることをやるのが社会貢献になると思って過ごしてきたんですが、今一緒にやっている共同代表の飯田光さんと、ママとしての食事の悩みとかをある日話し始めた時に、「自分たちの悩みっていうのは、自分たち以外にもたくさんあるよね」と。1回しかないチャンスだからやってみようかっていう話になって始めたのがきっかけです。

宇賀:それが3年前ですね。どうですか?ここまでやってきて。

井出:子育て世帯の需要はやっぱりあるということが分かって、さらにお問い合わせで「食事の制限があるから管理栄養士さんを紹介してほしい」っていうシニア世代からの声が入ってくるようになって。
私たちがやっていることは、食の専門家とつなぐことで、子育て世帯だけじゃなくて、日本にいるたくさんの食にお困りの方たちにも幅広く展開していくことが、食の新しいプラットフォームを作る意義だろうというふうに感じたのが、この1年目2年目ですね。

浜田:大変だったことは何でしたか?

井出:全部大変なんですけど、私も飯田も起業の経験があるわけではないので、本当に最初は全部手作りで。
まずシェフを集めるのも、信頼されてないから、「シェアダインって何?」って最初はなるじゃないですか。こういうことやりたいんですっていうふうにダイレクトメールを送っても、ほとんど返信返ってこないので、まずシェフを集めるのにも最初は苦労しました。
そこから東京都のスタートアップの支援プログラムというのに採択されて、投資家さんとメディアさんとのつながりもできて、そこで発信していくと徐々にいろんな方面でも信頼されるようになり。シェフ側に関してもシェフを集められるような仕組みが整ってきたり、知り合いになった投資家さんや企業の方たちが「こういうところと一緒にやってみない?」って支援をしていただいたりして、今の形になってきたかなっていうところです。

宇賀:すごいなぁ。

浜田:最初ゼロから立ち上げるところがね。その時もでもお子さん子育てしながらですよね?

井出:その時は本当に1歳と3歳とか4歳みたいな感じでした。

宇賀:でもこれからもっと必要とされてくるんじゃないですか?

浜田:ベビーシッターさんとか私も使ったことありますけど、擬似家族みたいな感じなんですよね。
一人暮らししていらっしゃる方は高齢者でも多いと思うので、家族じゃないけど家族のような存在が必要とされる世の中になっていくかなと思っていて。ご飯を作ってもらうだけでなくて、例えば話し相手になってもらえたりとか、何かあった時にちょっとこの人に相談できるみたいなそんな存在になるのかなという感じがしました。


<出張料理サービスを一つの選択肢へ>

宇賀:今後の井出さんの目標や夢は何ですか?

井出:このシェアダインっていうサービスが、皆さんの食事の選択肢の一つになる事っていう世界を思い描いていて。例えば昔は食材の宅配とか産直とかっていうのは限られた人しか使わないサービスだったと思うんですけど、今はたくさん出てきていますよね。

浜田:いわゆる生協みたいな。

井出:それと一緒で、出張料理っていうのが弁当とかお惣菜買うのと同じぐらいの選択肢になってほしいです。「出張料理サービス私はここ使ってるよ、私はシェアダインだよ」みたいな、出張料理サービスといえばシェアダインっていう世界も作りたいし、みんなが出張料理サービスを一つの選択肢として持っているような世界を作っていきたいなと思っています。

宇賀:今夜のゲストは株式会社シェアダイン共同代表の井出有希さんでした。ありがとうございました。

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