見出し画像

農家と消費者をつなげるサービス、食べチョクの秋元里奈さんにインタビュー! 2020/06/03 #テンカイズ

「農家と直接つながれば料理はもっと、美味しくなる」「食べると、そこはもう故郷」など魅力的なフレーズが踊るのは、今話題のオンラインマルシェ「食べチョク」のトップページです。野菜やお肉、お魚などのこだわり生産者と消費者をまさに直で結ぶサービスを牽引するのは、なんとうら若き女性。今夜はそのこだわりにスポットを当てます。

画像1

MCは宇賀なつみさん、
プレゼンターはBusiness Insider Japan編集長の浜田敬子さん。
収録の様子は【番組公式YouTubeチャンネル】でご覧いただけます。

宇賀:今日のゲストは株式会社ビビッドガーデン代表取締役社長の秋元里奈さんです!

秋元:よろしくお願いします。(リモートでのご出演でした)

宇賀:今回も浜田さんからのご推薦。

浜田:そうなんですよ、Business Insiderのイベントに登壇していただいたり。コロナでお家でずっと過ごしてると、食べることがすごい楽しみじゃないですか?

宇賀:朝ごはん食べながら、お昼と夜どうしようかなって考えますね。

浜田:気分転換に料理だけが楽しみみたいな。あとスーパーに時々行って食材を買うのが楽しみ。

宇賀:そう、スーパーに行くのが楽しみになりましたよ。

浜田:そうですよね。その時に私もいろいろ見ていたら、やっぱり給食がなくなったり、飲食店がお休みになったことで生産者の方がすごく困っているというニュースを見たんですね。
秋元さんがやってらっしゃるサービス、食べチョクっていうのが、まさに生産者の方から直接変える仕組みで、「食べて応援プロジェクト」っていうのを始められたんですよね。それを見てこれは良いと思ったので、今回是非お話聞いてみたいなと思ってお呼びしました。

宇賀:では秋元さんから改めて、株式会社ビビッドガーデンが手がけている事業やサービスを教えていただけますか?

秋元:ビビットガーデンでは、食べチョクというオンライン上のマルシェのようなサイトを運営していまして、現時点で全国から1400件ほど生産者さんが登録してくださっていて、いろんな生産者さんの商品、野菜やお肉、お魚などを買うことができるサービスになってます。

浜田:食べチョクのサイトを見るとすごい楽しいの。いろんなものがあって、レシピとかも付いてたりするんです。

宇賀:スーパーに行かなくてもいいし、間を全く通さない、卸とかそういうものも全くないってことですか?

秋元:生産者さんが農地でそのまま箱詰めをして送るっていう形なので、それこそ生産者さんの手書きの手紙とか、おすすめのレシピとか食べ方が入ってるっていうところで、本当に人と人がつながるっていうサービスになっています。

浜田:どういう仕組みでやっているんですか?

秋元:簡単に言うとメルカリとかの仕組みに近いんですけれど、生産者さんが直接自分の商品の情報をアップして、買いたい人が注文すると、決済の機能は私たちの食べチョクで提供しているのでお客さんはクレジットカードで決済をして。生産者の方は、注文が入ったらその住所に対して商品を箱詰めして、直接ヤマトさんとかでお送りするっていうような仕組みになってます。

宇賀:とれたてを送ってくれるから、鮮度も高いってことなんですね?

秋元:そうですね。最短で、例えば夕方に収穫したお野菜を箱詰めしてヤマトさんとかに出せれば、地域によりますけど、翌朝の午前中とかで届いたりするので本当に収穫してから24時間以内の野菜が着いたりとか。

浜田:特に今はサイトのトップの方に、コロナでお困りの野菜や肉、魚の生産さんっていうコーナーがありますよね。今みんな「何か誰かのためにやりたい、できることをしたい」と思っていて、「訳あり食材売ります」みたいなFacebookのページがあったり、ふるさと納税の仕組みを使って生産者を応援する仕組みがあったり、この食べチョクさんのようなものを使って生産数が余って困ってるっていうところから買ったりできる仕組みがあるのがいいですよね。

秋元:やっぱり生産者さんも、今まで飲食店で売っていて、いきなり販路が無くなっちゃったらどこで売ったらいいかってすごく困ってらっしゃる方が多いんです。なので、一個の選択肢として、消費者の方に直接販売するっていうのを選んでもらえたらいいなと思ってます。


<困っているのは農家だけじゃない?シェフも絡めたサービス>

浜田:すごい工夫されてて、おうちごはんを楽しむ一流シェフのレシピ付き商品とか、あとお子様と一緒にクッキングとか、もちろん困ってる生産者を助けたいって思いと同時に、やっぱり今の食を楽しみたい、この時間を楽しみたいっていう消費者の方への楽しいサービスも作ってらっしゃいますよね。

秋元:家で過ごす時間が増えているので、そこに少しでも楽しみがあったらいいなっていうのもありますし。
シェフのレシピ付きの方は、飲食店のシェフの方も今休業しちゃっていてお店に売り上げが立たないので、そこもちょっと新しいビジネスモデルにしていて。普通シェフのレシピとかって、大体1レシピいくらみたいな感じで買い切りが多いんですけれども、私たちのシェフのレシピ付き食材は、一個買うと300円がシェフに還元されるっていうモデルなんです。例えば300個商品が売れれば9万円、それが400件になれば12万円みたいな形で、売れれば売れるほど農家さんもシェフの方もお金の入るようなモデルになってます。

宇賀:直だから余計な費用もかからないし、消費者側もお得だったりするわけですよね?

秋元:生産者の方が価格を決めるので、同じ玉ねぎでも農家さんによって価格が結構まちまちだったりします。例えばすごく味にこだわっていて、めちゃくちゃ甘いですっていう方だとやっぱり品質に応じて高くはなるんですけど、ある意味消費者の方が選べると言うか、価格帯もいろんな幅があるかなという感じです。

画像2


<こだわっている人が正しく儲けられるサービスへ>

宇賀:そもそも秋元さんはどうしてこの事業を立ち上げようと思ったんですか?

秋元:実は食べチョクはもう2年半ぐらい前に立ち上げているサービスなんですけれども、元々私の実家が農家でして、実家の体験が一番最初のきっかけになっています。
実家が中学の時に廃業しちゃって、小さい野菜農家だったんですけど、やっぱり儲からないから継ぐなというふうに言われて、私自身は結局継がずに廃業になったんです。こだわってる人が正当に評価されるとか、儲からなくてもいいけど少なくとも維持はできる正しく儲かる仕組みってのは必要だなというところで、こだわってる人とこだわったものを買いたい人を繋げる場所を作ったというような形です。

浜田:元々DeNAにいらっしゃいましたよね?秋元さん。もうDeNAにいた時からいずれは起業したいって思ってらっしゃったんですか?

秋元:全然そんな感じではなくて。どちらかと言うとすごい安定志向だったので親からはずっと公務員か銀行員になれと言われていて、とにかく潰れない会社に入りなさいって。
DeNAに入ったこと自体が、私にとって一応当時のもちろん上場会社ではあったもののすごくチャレンジングな感じだったんで、起業なんて全く考えてなかったです。

宇賀:それからどう心境が変化していったんですか?

秋元:DeNAで3年半くらい仕事をしていく中で、新規事業の立ち上げとかを経験させていただいて、なんとなくサービスを作ることに頭の中に手触り感を持っていたというのと。やっぱり実家に帰った時に、すごい自分が好きだった畑が荒れ果てていたのを見てもショックを受けたっていうのがやっぱり大きくて、この業界に一生かけてやりたいなっていうふうに思ったっていうところと、新規事業立ち上げ経験を活かしたいというところが重なって、起業するっていう方法を選びました。


<農業サービスの難しさ、生産者と消費者をつなげるために>

浜田:こういうサービスって、これまでもいくつかあったんですよ。もちろん産直野菜をリアルな店舗で売ってるところもあれば、インターネットを通じて売るっていうのもあったと思うんですけど、なかなか皆さん長続きしてないんです。難しさって何だと思います?こういうサービスの。

秋元:大きく二つあるんですけど、一つは生産者の方とその会社の消費者の方とで認識のギャップがすごい大きいんですね。生産者の方って、なかなか個人に直売してる経験がある方って少ないので、生産者さんの中ではこれでいいだろうって思って出したクオリティがお客さんからすると質が低く見えちゃったりとか、梱包一つもしっかりこだわってやらないと届く時には傷んじゃってるとか、そういうのがあるんです。生産者さんもそういう今まで気をつけてなかったとこに気をつけなきゃいけないという、結構ギャップがあるってところが一つ難しいかったところです。
もう一つはタイミングもあります。いろんなサービスがやめていった中でこれを始めた理由でもあるんですけど、メルカリが出て、多くの人が個人の人から物を買う、ネットで買うっていうことに抵抗がなくなってきてるなっていうふうに感じていたんです。ちょうど立ち上げを企画した2016年、2017年が、やっぱり大きく農家さん側も消費者側も意識が変わってきたタイミングだったので、今だからこそ成立するんじゃないかっていうふうに思ったっていうのもあります。

宇賀:なるほど。この人は梱包もすごく丁寧で対応も良かったから、またこの人から買おうってなっていくってことですね。だんだんファンがついていくというか。

秋元:生産者さん側もフィードバックを入れることでどんどん改善ができたりとか、逆にレビューがついちゃうので意識して出すようになったりとか。お互いに高め合うみたいなことができるようになってきてるかなと思ってます。

浜田:私も月1度お野菜を取ってるんですけど、前に取ってたところと変えたんですよ。それは、今の生産者の方が種類がまず多い。大人数の家族じゃないと、少品種大量に送られても使い切れなかったりするんですけど、多品種少量で送ってもらうとすごくいろんなものが楽しめるんです。あとやっぱり、さっき秋元さんもおっしゃってたように手書きの手紙が入っていたり、レシピが付いてるんですよね。それだけでなんかすごく楽しみで。今度はどんなお野菜が来て、どんな料理作れるかなって、すごい待ち遠しいんですよ。毎月毎月。

宇賀:特に今、毎日自炊しなくちゃいけない方多くて、自分の手持ちのレシピがもう限界みたいなね。もう飽きたみたいなタイミングですもんね。

浜田:農家さんとのコミュニケーションっていうか、本当に農家さんとつながってる感じがお野菜ひとつで得られるっていうのが、とっても豊かな気持ちになれます。

秋元:やっぱりただ食材を買うだけじゃなくて、箱を開けた時にその先に人がいる感じを実感できるかどうかっていうのがあるかなと思います。

浜田:わかります。ちょっとした梱包が綺麗で、時々私が今買ってる人はおまけが付いてるんですよ。これおまけですって新玉ねぎが2個だけ入ってくると、お得なだけじゃなくてすごいあったかい気持ちになれる。

宇賀:いいなあ。今お話聞いてたらやりたくなりました。今サイト見てたら、最初はお試しからみたいなこともできるんですね。

浜田:あと詰め合わせもありますね、いろんな野菜の。

宇賀:野菜だけじゃなくてお魚、お肉とか卵とか、お酒なんかもあったり。笑

浜田:お肉は大量に来ても冷凍できるしね。

秋元:そうですね。お魚とかもいろんな種類が今出てきてるので、面白いと思います。

浜田:今、外に出られないから季節感をなかなか感じられないけど、こういうので季節の食べ物を贈るとすごく喜ばれたりとか、自分も季節を感じられるよね。

宇賀:家呑み、リモート飲みにぴったりなお酒と贅沢おつまみっていうのを見つけました!笑

浜田:それを買おう!笑

宇賀:あとでいろいろ見てみますね、見てるだけで楽しい。

浜田:サイトが可愛いんです。

秋元:飲食店に出してたような珍しい食材、ダチョウのお肉とかダチョウの卵とかもあったりするので面白いかなと思います。

宇賀:あっという間にお時間になってしまいました。今夜のゲストは株式会社ビビッドガーデン代表取締役社長の秋元里奈さんでした。ありがとうございました。

画像3


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?