想定外の仕事は誰の責任か
仕事をしていると、いつも通りにやっているのに想定外の結果になることがあります。
また、顧客から商品やサービスについて問い合わせを受けることもあります。
想定外の発生
モノを作る工場、購入したものを出荷する倉庫、生産したものや購入したものを検査する工程、お客様にサービスを提供する、などなどいろいろな仕事があります。上手くいっているうちは問題ありません。でも、必ず失敗する時が来ます。よほど仕事が無ければ何もないかもしれませんが、そこそこ仕事があれば失敗もあります。
製品を作ったけど形がおかしい。注文したものと出荷したものが違う。検査結果が規格外。料理を提供したがお客様は美味しくないとの感想。
想定外への対応
仕事なんだから想定外のことは起こる。という発想は理解しやすいです。何が起こるかわからない、という考え。そこで一番身近な人が対応するしかない。想定していないから決まった手順も無い。臨機応変に対応する。こんな感じです。
では臨機応変に対応した結果はどうなるのでしょうか?もともと何も決めていないので、臨機応変に対応した結果もどうなるか分かりません。後から、上手く対応できた、ああすれば良かった、こうすれば良かった、と言います。
臨機応変に対応してください、と決めているなら、臨機応変に対応した結果は組織にあるべきです。対応した個人に押し付けるべきではありません。そもそも想定出来ない組織レベルなのです。臨機応変に対応できるべき、ではありません。
結果の責任
想定外の結果も含めて、仕事の責任なんてものは従業員には無い、と考えるくらいでちょうど良いのです。会社の責任は経営者にあると考えた方が良いです。経営者はそのためにアレコレ考え、行動します。ただし積極的に指示に従わなかったりするのは問題です。通常の仕事は面白く無いくらいがちょうど良いのです。考えながら作業をしたり、素晴らしいアイデアを生み出すような仕事はときどきです。
想定外の対応
それでも想定外の事態は起こります。そんなときのためにも、想定外仕事の手順を決めておくと良いです。具体的なことは「想定外」なので手順化できません。
その状況、どういう作業を行ったか、を記録しておきます。それを後日検証します。ただし、想定外の作業を臨機応変に行ったのですから、結果がどうあれ批判してはいけません。もし、何も決めていない作業をやらなきゃいけない状況だったのに後でアレコレ言われるなら、その結果どうなろうと何もしないほうがマシです。
日時、場所、対応者、何が起きたか、どう対応したか、結果はどうなったか。その他共有すること。これを書式にして、想定外の事態が起こったときの記録をとります。想定できていなかったケースですから今後の対応方法を決めます。今後は想定外のケースではありません。
手順書化
決めたことは口頭で説明したり、会議で話すだけではなく、通常利用する手順書に載せます。手順書の改訂が必要です。これで組織の手順、知識となります。組織によっては手順書の改訂作業が非常に複雑化しています。このことは作業を適切に管理することと同時に、手順書の改訂を躊躇させる原因になります。「手順を厳密に管理している」と言いたいのかもしれませんが、適切に改訂されない手順書は役に立たず、結果的に利用されなくなり、実作業と手順書の作業が異なる状況にもなります。手順書の改定方法が適切かどうかも、ときどきレビューを行うと良いでしょう。