ワクチン 打つ?打たない?
最近のワクチンといえばCovid19対応のファイザーのコミナティや、モデルナのスパイクバックス。そしてネットを賑わせている明治製菓ファルマのコスタイベ。
Covid19の恐怖
新型コロナワクチンは最初の頃は予約殺到でいつ自分が出来るのか?と気になっていました。当時は新しい病気で、感染したら隔離されたり、田舎だとご近所から嫌がらせを受けるレベルのとんでもないものでした。毎日ニュースでは何県に感染者が何人だ、と報道もありました。死亡者も出ていました。
私も含め、うちの3人家族は全員感染しました。で、回復しています。症状としてはインフルエンザのように高熱が出て、1週間ほどお休みしていました。今となっては発症したら1週間ほどお休みしましょうね。とインフルエンザに似たものになっています。
ワクチンへの不信感
ほとんどの日本国民はワクチンについて、調べたり考えたりせずに接種してきました。新型コロナワクチンが出た時、これもまた新型ワクチンということでアレコレ言われました。いろいろ言うけど、ほとんどの国民は医学知識の乏しさ、統計学の知識の乏しさから、権威を鵜呑みにするか、反対派の意見を信じるか、国のふんわりした圧力による同調圧力に屈するか、がほとんどでした。
最初はワクチンは2回打てばOKとか言っていましたがすでに4回、5回とやっています。感染者は少ないけど、副作用は多くの人が経験しました。ひどい人は副作用の後遺症もあります。
次第にホントかウソかも分からない、いろんなワクチンの話が出てきます。政治家も自分が接種する謎のパフォーマンスで安全をアピール。反対派は陰謀説、日本で実験を行っているとか、もっともらしい話を出してきます。
検証とは何か
医薬品には効果があるかどうかを実験で判定しています。先発薬は効果が有るか無いかを統計を使って判断します。この表現が曲者です。統計で「効果がある」ということは「必ず効果がある」ということではなく、効果が有ることも無いこともあるけど、そこには明らかな差があり、偶然に効果があったということではないと考えられる。そんな雰囲気です。これは主に「個人差」であって「確率」ではありません。個人が今回は効かなかったけど次は効くかもしれない、というよりも「私には合わない」と判断した方が良いです。薬が効かなかったからもう一回チャレンジは普通しませんよね。
薬を使った実験では多くの人で行います。その中で、効果があった人、効果がなかった人、を調べて、効果が有る人が多い時、それがばらつきの程度なのか、意味のある差が出ているのか、を統計でもみています。統計はその結果を持って絶対的なものではありません。「効果が有る」ということに確信があり、その裏付けの一つとして統計を使っています。しかし統計の検定で有意差があるから効果が有るんだ、と言い張る人もいるのです。それでも実験データの詳細(誰がどうだったとか、その人はどういう育ちで生活はどうだとか)は公表されませんから、実験の報告をどう信じるかは聞き手次第です。
疑似科学
反対派の論点は基本的に「不安がある」に尽きます。治療や予防が目的なのに、余計に体調を崩しては意味がないです。特に今回の明治さんのワクチンではシェディングなる現象(他の人にワクチン成分や、その生成物が他人に移る)が言われています。ほんまかいな?とも思いますが、新型コロナウィルスは他人にもうつりますからね。そんな現象なのかと。
これには科学的根拠がありません。そりゃ、ワクチンも持っていないし、そんな実験はできません。ではシェディングが起こりません、という実験データがあるか?と言えばなさそうです。少なくとも明治さんは出していません。そういう事象は無かったとは言うものの、シェディングの有無を調査する実験はしていません。起こる主張にも、起こらない主張にも、どちらも科学的根拠はありません。そのシェディングによる影響というのも分からなくて、極端な心配性とも言えますし、十分に警戒するべき、というのも分からなくも無いです。
情報の出し方
新型コロナワクチンに関しては、賛成派は権威を信じて受け入れている、反対派は情報が少ないことと権威を信用できないため受け入れられない、という状況に感じます。そのため「やるもやらないも、あなた次第」のように言う人がいます。
世の中のいろんな商品は自ら判断して購入を決めることがほとんどです。しかし医薬品については販売自体が制限されており、効果、害などに対して十分に検証され、許可されたものだけが販売を許可されるという形態です。その割に医薬品は利用者への情報提供が少ないです。実質、メーカーが保障していることが前提になっています。だからメーカーへの信頼が前提にあります。
明治製菓ファルマさんは、「噂を信じないで、お医者さんに訊いて」と言っています。医師は何でも知っているわけでもなく、経験したこと、医学の権威が言っていることを信じているだけです。そして多くの医師は薬剤師よりも薬剤の知識に乏しいです。ちなみに医師の処方箋作成でどの薬にするか?は日本中の認可された薬から選択していません。ご近所の薬局や院内で扱う薬から選択しています。医薬品メーカーはMRなる営業さんのような人がいて医師に自社の医薬品を勧めます。他社のものは勧めません。当たり前。だからその病院で処方する薬を否定することはほぼありません。また医師が悪い薬を積極的に処方するわけでもありません。少なくとも明治製菓ファルマさんの薬をワクチンを採用している医師が「あのワクチンはダメ」とは言わないでしょう。医師の意見は「公平」とは言い難いです。
分からないことは分からない
医薬品販売に関して証明を必要としていない事項について証明する必要はないと思います。コストがかかりますし、その結果をどう評価するのか、などなど問題点はあります。
でも、そもそもシェディングなどの(多分)要求されていない事項について情報が無いなら「知らない」と言えば良いと思います。
どちらも極端で、「生物兵器」と言ってみたり、「安全・効果は保証されている」と言ってみたりするからおかしくなります。医学なんて偉そうに聞こえるけど、分からないこと、出来ないことは山ほどあります。その中でもなんとか病気を治したり、かからないようにして健康で過ごしてもらいたい、という思いから医薬品を作っています。
と、メーカーは言いますけど、社内では結構ムチャクチャなこともあって、社員が病気になったりもするんですけどね。