明日から、料理上手 山脇りこ
毎日本を読む9/6
明日から、料理上手
山脇りこ
インターネットが一般化したのは、スマートフォンが普及したところからだと思いますが、それに伴いレシピサイトも複数できて、いまではレシピは検索したらいくらでも出てくるようになりました。
でも、あんまりそれは好きになれません。
特に店で出すものに関してですが、検索レシピで何かを作っても、すでに誰かが思いついて作ったものでは、自分自身が感動できないし、お客様に伝えるべきものもありません。
私は喫茶も併設している自家焙煎珈琲店「テングコーヒータカオサン」を営業していて、夏は自家製シロップのかき氷、冬は焼芋を提供させていただいています。
すべての品にこの本の影響があります。
まず、作ってみてほしいのは本の一番最後にある
「基本の10皿」の「定番ポテトサラダ」
ポイントは
「書いてある通りに作る」こと
ちゃんと意味があってそうなっていますので、書かれている通りに作ってください。
「じゃがいもは皮ごとよく洗い、水から茹でる。鍋に入れたら中火にかけ、沸いたら火を弱めて、ぐらぐら煮立った状態でなく、やさしくゆでる」
初めて作った時に、いままでと違いしっとりまとまった食感のいいポテトサラダになって、自信になりました。
その次に作ってほしいのは、巻頭二番目の
「基本のきゅうりの塩もみ」
ここでもやっぱりポイントは
「書いてある通りに作る」こと
なので、さらしを手に入れましょう。
作ってみると、このきゅうりの塩もみの「パリッ」っとした食感に感動すら覚えますよ。
レシピが55個あって、最後に基本の10皿があります。
さらに読み物としてもすぐれています。
レシピとレシピのあいだの素材ごとの料理の勘所が書かれた部分が、
やればやるほど発見があって、たまらんのです。
なかでも私が最も影響を受けたのは
6章の「調味料上手」です。
さきほどから「書いてある通りに」を強調していますが、
最初に作ったポテトサラダの出来栄えから、
先生の言う通りにやってみようと思えたので、
では調味料も先生のおススメしたものを使ってみようと思い、
すべてを取り寄せ、使ってみました。行けるものは現場に行って。
味噌も醤油も塩も砂糖もお酒もみりんも。
記載されているすべてです。
結果、梅のかき氷シロップを作る際に和歌山の無農薬梅を収獲に行き、
その帰り足で、「九重雑賀」さんのお酢を仕入れて帰り、梅シロップを仕込むという流れになっています。
ウチの店では
すべて一度は必ず自分で足を運んで材料を手に入れ、加工し、提供するスタイルで営業しています。
ひとつひとつに意味があって、誰から買うのかを決めて、選んで使って、伝える。
できる限りそうしていくために、全国を飛び回ることを楽しみにしています。
これは間違いなく、りこ先生の影響です。
これから料理を覚えたい人はもちろん、
いままで自己流でやってきた人にも、
本書を買って、ひとつづつ作ってみてほしいです。
発見があって、すごく沁みますから。
料理が4段くらい美味しくなって、好きになります。