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私が蓮ノ空に追いつくまで、そして追いついた先で見た光景
はじめに
2025年1月10日・11日。横浜アリーナにて行われた「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ 3rd Live Tour TRI TRI UNITY!!!」。
ラブライブ!決勝大会を公演中にリアルタイム展開し、しかも決着がプレーオフという、14年続くこのシリーズにおいても前例のないとんでもないことが起こったのは、すでにSNS等で飛び交っている情報の通りです。
【 号外速報 】
— ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ(Link!Like!ラブライブ!) (@hasunosora_SIC) January 11, 2025
ラブライブ!史上初
全国決勝大会プレーオフ決定!
2025/1/26(日) 20:00 開演⚡️#蓮ノ空 #リンクラ #lovelive pic.twitter.com/ot9NeauUdE
実は私は今まで、蓮ノ空のことをあまり積極的に追いかけている人間ではありませんでした。活動記録も全然見てないし、ゲームにいたってはノータッチ。
そんな私ですが、偶然チケットを手にした蓮3rd神奈川公演をきっかけに、これまであまり触れられていなかった蓮ノ空の物語を履修し、蓮ノ空の「今」に追いつけました。そして、「今だからこそできる体験」を全身で味わうことができました。
今から書くのは、私がどのように蓮ノ空の物語と向き合い、追いつき、追いついた先で何を見たのかの記録です。
今回のSNS上での評判を見て、これから蓮ノ空を追い始めたい、けど履修量があまりに多くて躊躇ってしまう。
そんな人の手助けに、少しでもなれば幸いです。
1.私が蓮ノ空を追っていなかった理由
さて、先述の通り私が蓮ノ空に本格的に触れ始めたのはごく最近。具体的には2024年10月以降のことです。
それまでの私は、ラブライブ!シリーズは全体的に好きであるため楽曲にはしばしば触れるものの、色々な理由から本腰を入れて追わずにいました。
具体的には以下のような理由です。
①そもそもアプリゲーが長続きしない
元より、ハマったものは納得いくまで突き詰めがちな質であるため、不用意に手を出すと財布を吹っ飛ばす勢いで金を溶かすことになることから、なるべくアプリゲームには手を出さないようにしています。
たまに課金を縛って新作に触れたりはしますが、それだと長続きせず、といった感じです。
とはいえ、蓮ノ空の活動拠点「LINK!LIKE!ラブライブ!」に関して言えば、ゲーム部分を一切触らずとも、ストーリーを全て楽しむことが可能です。
それでも手が伸び切らなかった理由が2つ目。
②リアルタイムで更新される物語
蓮ノ空最大の売りである「リアルタイム連動」。
ストーリーは毎月更新され、毎週決まった曜日にはWith×MEETSが、月末(2024年度は不定期)にはFes×LIVEが開催されるというこのシステムは、スクールアイドルに対する没入感を最大まで高めるものです。
しかし裏を返せば、蓮ノ空の物語が続く限り、際限なくストーリーが追加されていく、という意味でもあります。他のシリーズのようなアニメであれば、決まった話数で更新が止まります。でも蓮はずっと更新が続き、時間が経てば経つほど文量は増えていきます。
実は異次元フェス後に蓮に興味を持った時期に、103期1話から追いかけようとしたことはありました。しかし、あまりのボリュームに103期11話(ゆのくに天祥さんの回)でリタイアしてしまった過去があります。
テンポ感もアニメなどと比べるとゆったりしているため、そういった部分も理由の一つかもしれません。
③他に情熱を注ぐ対象があった
こうした理由に加えて、異次元フェス後に「スクールアイドルミュージカル」に本格的にハマったこともあり、しばらくはそっちの作品の活動に熱を注いでいました。
初めて同人誌に自分の文章を載せたり、初めて表現を世に出す活動をし始めたりと、ありがたいことに充実した趣味の時間を送らせていただいていたこともあり、他のシリーズにかける熱量は比較的落ち着いていました。
と、以上のような理由です。
蓮ノ空をしっかり追うとなると、相応の時間を投下する必要がある。でも、その分の時間を投下するのに二の足を踏んでしまう、という感じですね。
自分としてもこのまま蓮ノ空へは、曲だけたまに聴くようなゆるーい距離感で付き合っていくものだと思っていました。
2.ラブライブ!シーズン開幕
さて、そんな私でしたが先にも書いた通り、2024年10月からは本格的に蓮ノ空に向き合っていくこととなります。一体何が起こったのか。
そう、ラブライブ!大会シーズンの到来です。
#蓮ノ空 #リンクラ #loveive pic.twitter.com/8CHBq0gVel
— ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ(Link!Like!ラブライブ!) (@hasunosora_SIC) September 30, 2024
「今年こそーー全員で願いを叶えましょう」
卯辰山を背景にしたビジュアルが公式から公開されてしばらく、スペシャルムービーも公開。そこに映っていたのは、予想だにしなかったμ'sの姿でした。
14年続くラブライブ!シリーズの礎であるμ's。
その代表曲とも言えるSnow halationをBGMに構成されたムービーからは、作り手の並々ならぬ思いが伝わってきました。
102期生、最後の大会。
元より「ラブライブ!」という作品が好きな人間として、これを見逃すとすごく後悔する気がする。
そんな思いがむく、と首を持ち上げ、せめてこのラブライブ!シーズンに関してはリアルタイムで追ってみよう、と思い、その時の最新話であった104期7話を視聴してみました。
そう、103期から続く未視聴分を一旦置いておいて、最新話から見始めました。
今思えばこれがファインプレーだったように思います。
膨大に見える蓮のシナリオ。ですが、1度に更新される活動記録の量は60〜70分ほどです。これが半月に一回更新される形。
1時間であれば、今から見るかと決めたら一気に見れる量ですし、分割して見ればアニメ1話分未満の時間に収めることもできます。
さらに言えば、最新話を追い続けていれば、少なくともまだ見ていない話がこれ以上蓄積する心配はありません。以前103期1話から追いかけようとした際に挫折したのは、マイペースに読んでいると読んだ側から最新話が追加され、いつまでたっても追いつかないことも理由の一つでした。
そもそも蓮ノ空の1番楽しい見方は、やはりリアルタイムで観ることです。それはそういう風に作品ができているんだから当然のこと。
今回の場合、このタイミングで最新話から見始めたことで、10月度Fes×LIVE、地区予選大会をリアルタイムで楽しむことができました。
どうしても続き物のお話だと、一番最初から読みたくなる気持ちはあります。
しかし1年半以上に渡って積み重なったアーカイブを全部見ている間にも、蓮ノ空のストーリーは刻一刻と進んでいきます。世間で話題になるのも、どうしても最新話が中心です。
であれば、今が1番楽しく読める「追加直後の話」、そうでなくても「進級直後から」・「ラブライブ!シーズンの初めから」等、区切りの良いところ以降を優先して読む方が、蓮ノ空の1番美味しい部分に触れつつ楽しんで行けるため、長続きする気がします。
これに関してはあくまで「自分はこれで上手くいった」というものであるため、もちろん頭から読んでもいいと思いますが、ちょっとしんどいな、と感じた場合は是非試してみてください。
3.蓮ノ空3rdライブ参戦決定
そんな感じで最新話を追いつつ10月、11月と経ち、ビッグボイス選手権での村野さやかの勇姿に思わず涙しながら迎えた12月。
丁度スクールアイドルミュージカルのチケットを押さえようとe+を眺めていた時に、あるものが目に入りました。
蓮ノ空3rdライブ、神奈川公演の一般抽選応募です。
元より、102期のメンバーが卒業するよりも前に、一度は現地でライブを拝んでみたいと興味はあったものの、キャパの小ささに加え、異次元以降過熱するCDの積み合いを見て敬遠していたところがありました。
折角蓮を曲がりなりにも見始めたんだし、ものは試しで申し込んでみるか、と一般抽選に申し込み。
まぁ蓮のライブってチケット激戦のイメージしか無いし、余程運が良く無いと一般抽選なんか当たらんだろガハハ……
![](https://assets.st-note.com/img/1736841421-Oo9AEPaM0c1urjVyU7D3XmlB.jpg?width=1200)
いや当たるんかい。
やばい、まさか当たるとは思わなかった。
ライブに行くとなったら話は変わってきます。
スケジュール的にも、下手すると単独ライブとしては102期生を生で拝める最後の機会になるかもしれないと思っていたため、身が引き締まります。
折角のライブ、勿論今の状態でも楽しめるとは思いますが、どうせなら自分の納得できる範囲で勉強して臨みたい。せめて自分の中で沙知先輩をちゃんと卒業させるところくらいまでは読んでおきたい。
これは……本腰を入れて活動記録履修せんとまずいぞ……!
4.年末年始、蓮ノ空超強化週間
ということで一気に状況が変わった12月。藤島慈の留年回避を喜び「KEY of Like!」に泣かされる傍ら、年末年始の休みを利用して、遂に未視聴分の履修に手を付けました。
範囲は103期12話(2023年10月)〜104期6話(2024年9月)。
期間にしておよそ1年分。量は言わずもがなです。
ここに関しては、参加しているラブライブ!関連のコミュニティに熱心な蓮ノ空ファンが多かったこともあり、未履修者向けの同時視聴会などの手厚いサポートにとにかく助けられました。
蓮運営が104期のストーリーを一気見する同時視聴会を年始から開催してくれたのもありがたかったですね。これも存分に利用させていただきました。
今思えば、公式の同時視聴会といい、104期ダイジェスト動画公開といい、一連の施策は1人でも多くの人間にラブライブ!決勝大会をリアルタイムで見て欲しかったからだったのでしょう。
さて、蓮ノ空を本格的に追う、となった際にまず関門として立ちはだかるのは、おそらくこの今までの活動記録を全て読む工程だと思います。
最新だけ見て今までのものは一旦放置、でも十分に楽しめることは確かです。ですが、過去の活動記録を読むことで今に繋がってくる要素が多いのもまた事実。今年の地区予選でステージ演出にただただ見惚れていた「Link to the FUTURE」も、去年のラブライブ決勝のことや、沙知先輩が残した八重咲ステージで披露したことにかかる文脈を理解すると、より深みを増して感じるようになりました。
最新話さえ追っていれば負債が溜まることも無いので、ここは興味が出次第、少しずつ切り崩していけばいいんじゃないかと思います。
あるいは、今回の自分のように思い切ってライブに申し込んでしまうのもありなのかもしれません。
活動記録は膨大です。そしてその量は蓮ノ空の物語が続く限り、これからも増え続けていきます。何らかの目的があった方が、読破するモチベーションも上がるかもしれませんね。作品問わず現地に行くのが好きなんだ、という人にはこういう方法もオススメできそうです。
ともあれ、年末年始休暇をフル活用して、104期6話までの視聴を完了。かろうじて1年間のギャップを埋めることに成功しました。
そのまま1月の活動記録を更新と同時に読み、ストーリーはいよいよラブライブ!決勝大会目前に。
そしてライブは、あと数日後。
否が応にも期待が高まります。まさか本当にライブの場で決勝大会を行う気なのか、と。
もしもそれが実現すれば、2010年から14年間続いてきたラブライブの歴史に残る一大事になります。期待、そして覚悟めいた何かを胸に秘めながら、2025年1月10日、遂にその日を迎えました。
5.追いついた場所で見た光景〜蓮3rd神奈川公演DAY1参戦レポ〜
一体何が見れるのか、若干緊張しつつ開演の時を迎えた神奈川公演。
大方の予想では決勝曲やそれに類するポジションになるのでは、と予想されていた「Bloom the smile, Bloom the dream!」からの開幕。
これまで一度もライブで披露されてこなかったと聞いていたため、しかるべき時に備えて聴き込んでいましたが、まさか1曲目での披露とは思いもしませんでした。
最新の活動記録で自分を見失いかけながらも、周囲に支えられて復活した花帆にドンピシャなんですよねこの曲……聴き込んでめちゃくちゃ好きな曲になっただけに、いきなりの披露にテンションはいきなり最高潮に。
定番曲のOn your markも生で聴くのは当然初めて。ライブのスタートを彩ります。
つい先日行われたゲキチュウマイ!コラボにて収録された際に、オンゲキの方でフルコンボまで何度も遊んだ曲だったので、この曲にもすっかり愛着が湧きました。
MC後はユニットのターンへ。
ここで嬉しかったのがこの曲。
ココン東西(104期バージョン)!!!
異次元フェス後に色々蓮の曲を聴くようになった際、披露された曲の他でかなり好きになったのがこの曲だったんです。
小気味良いベース音にノリノリになれるサウンド、可愛らしいリリックビデオと全てが気に入って何度も視聴していたので、いきなり聴けて本当に嬉しかったです。姫芽ちゃんのダウナー気味な「無理ゲーです……」も声質合ってていいねぇ。
というかこの後も「Holiday∞Holiday」に「KNOT」と、それぞれのユニットがのっけから最大火力と言っても過言でない曲を切ってくる殴り合い。
今回のセットリスト、今までの歩みを振り返るというコンセプトだからか、103期初出の曲も104期初出の曲も幅広くやってくれたのが本当に嬉しかったですね。ほぼほぼわかる曲ばかりなのが本当にね……初めて見に来る人でも安心のよくばりセットだったと思います。
どうしても蓮を見初めて間もなかったため、聴いたことのない曲もありましたが、それも含めてライブの醍醐味ですよね。
そんな初見曲の中でも一際気に入ったのが……
DOLLCHESTRAの「パラレルダンサー」。
103期初出のドルケ曲にしては、すごく可愛らしい曲で驚きました。そして聴いてて楽しい。何も知らない状態でみらぱの曲って言われても違和感ないかもしれない。DAY1のみ披露だったため、出会えたのは僥倖でした。
そしてやはりこの曲抜きで語ることはできません。
「眩耀夜行」。スリーズブーケが誇る青春ド真ん中リーサルウェポン。異次元フェス以来の現地回収でしたが、あの頃は本当に蓮ノ空のことを微塵も知らなかったので、ちゃんとこの曲の立ち位置が分かるようになってから初めて聴けたことが感慨深かったですね。
座っていた座席は西側スタンド席のかなり上の方だったのですが、横浜アリーナ全体を包むUOの海は見事の一言。Snow halationのオレンジが段々と広まっていった歴史を追体験しているようで感動しました。後で配信を見返していて気づきましたが、カメラもああなることが分かっていて会場全体を映していましたね。もっともっとこの曲には育って欲しい。今度はKアリーナをオレンジに染めてやりましょう。
そして、ユニットゾーンを駆け抜けた先に待っていたのは……
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「Now or Never」。
いや本当に、圧巻でした。
無数のレーザー、ライブ現地でしか味わえない音響、そしてダンスパフォーマンス。
体感する全てが「強い」。あまりにも「強い」。
そんなパフォーマンスでした。
カメラもFes×LIVEのそれをしっかりと再現しており、ラブライブ!本来の持ち味であるシンクロパフォーマンスとしても非の付け所がない仕上がり。
今思えば、104期生の覚悟を示す楽曲であると同時に、我々に対しても、ここから先の覚悟を問う選曲だったのかもしれません。
そこから「STEP UP!」、「365days」と続き、キャストのMCを挟んで一旦の終幕。
明らかに何かが足りない。
まだ何かを隠している、それは明らか。
アンコール時は祈るような気持ちでした。頼む、やってくれ。僕たちにラブライブ!決勝を見せてくれ。
明日だけの開催なんて言うな。今日見せてくれーー
どれだけの間祈ったか分からない、その先に聞こえてきたのは、BSBDオーケストラアレンジ。
あの日聴いた、ラブライブ!地区予選のオーバーチュア。
その瞬間、扉が開いたような気がして、自然と涙が溢れていました。ああ、ここから先は本当にやるんだ。マジでやる気なんだ。
現れたのは「Link to the FUTURE」。ラブライブ!地区予選披露楽曲。
遂に開かれたラブライブ!大会への扉に涙が溢れて止まりませんでした。
103期含めて全ての活動記録を追ったからこそ、この曲を披露した意味合いがしっかりと理解できる。あの日見た地区予選そのままのステージング。蘇る記憶、沙知先輩の思いが詰まった八重咲ステージ。
気づけば自然と緑色のブレードを振っていました。
そして、この曲でやはり書いておきたいのが、モニターに映し出されたシルエットについて。
キャストではなく、キャラクターのシルエットが映し出されました。
古来より創作物において、鏡に映る姿や影に映る姿は、しばしば「そのものの正体・本来の性質」を表すものとして使われてきました。
ドラキュラが鏡に映らない、だとか、地面に映る人影が悪魔の姿をしている、だとか。
他シリーズの話をすると、先日行われた虹ヶ咲7thライブでも、上原歩夢のソロ曲「Stellar Stream」にて、シルエットを使った演出が行われました。
その際のシルエットの形は上原歩夢ではなく、キャストの大西亜玖璃さんのものだったため、今回だってやろうと思えばキャストのシルエットで作ることもできたはずです。
そういう意味では今回の舞台演出、18人のステージと捉えることも可能ではありますが、個人的にはあの「影」こそが本質であり、あの舞台に立っていたのは「キャラクターとしての9人」であることを暗示するためのものだったんじゃないかと思っています。
そして「KEY of Like!」、地方予選披露曲。
リリックビデオ公開時に聴いて、その随所に詰まった「ラブライブ!」エッセンスに衝撃を受けた楽曲です。
1つひとつの輝きが結集して、世界すら虜にする大きな輝きになる。蓮ノ空がここまで積み重ねてきた集大成を丸ごと曲にしたような歌詞、そして藤島慈の全力が詰まったパフォーマンス。
なんでこれが予選曲なんですか。決勝曲って言われてもおかしくない。
そして、遂にその時はやってきます。
6.追いついたその先 〜2024年度ラブライブ!決勝大会観戦レポ〜
「さあ、いよいよ大詰め!ラブライブ!決勝大会も、残すところあと2校になりました!」
初めてみる活動記録。アナウンサーのその言葉と同時に、場の空気が一変しました。その一言で第四の壁は取り払われ、横浜アリーナは瞬時に決勝大会の舞台と化します。
この日1番の大歓声を上げる観客達。私も例外ではありませんでした。
それまで「傍観者」の立場だった観客が、劇中の演出によって「当事者」に変わる。
実は、ラブライブ!シリーズにおいて全く同じ体験を過去にしたことがありました。
ここまでの文中で何度かご紹介した、私の大好きな作品「スクールアイドルミュージカル」です。
あの作品も、途中までは舞台上で展開されるお話をただ眺める立場だった観客を、文化祭のライブステージが始まる際に「私達の文化祭に遊びに来てくれてありがとうございます!」という台詞でもって、劇中世界に引っ張り込む、という手法を使っています。僕がスクールアイドルミュージカルの中で、特に好きなシーンの1つです。
だからこそ、でしょうか。
今回のライブが始まる前から、もし可能なのであれば、スクールアイドルミュージカルのような演出でもって、ラブライブ!決勝大会を描いて欲しいと、そう思っていました。
そしたら、正にそれがそのままの形でお出しされたんですから、もう興奮なんて言葉じゃ生ぬるいほどの感情の昂りがありましたね。
固い握手を交わす日野下花帆と桂城泉。
セラスの夢を、みんなの夢を叶えるため、優勝請負人がステージへ上がるところで、舞台は暗転。
この後に起こることなんて、誰がどう考えても明らかです。なのに信じられない。
嘘だろ、嘘だと言ってくれ。本当にやるのか。そんな思いを抱えながらの一瞬の静寂。
その静寂を切り裂いたのは、舞台上に見えた「1人の人影」に気づいた観客達の歓声でした。
進藤あまねーー桂城泉サプライズ出演。
決勝披露曲「Edelied」
開演前から、「本当にきたらとんでもないことになると期待されたことではありました。
確かに最近ウルフカットにした姿をSNS上に公開して、「匂わせか?」なんて言われてたりもしました。
でも本当に来るなんて、あの場にいた大半の人間が思ってなかったと思います。正直、蓮ノ空の決勝の舞台だけ描いても誰も文句は無かったはずなんです。それを、ここまで……ここまでやってくれるなんて……
圧巻のステージでした。過去にA-RISEやSaint Snowら「ライバルポジション」のキャラがそうしてきたように、圧倒的パフォーマンスによって全てを黙らす、そんな舞台。
スタンドから、観客のブレードの色が次第に赤く染まっていく様がはっきりと見えました。
その場にいる全員が蓮ノ空の優勝を願っている完全アウェーの舞台であるにも関わらず、観客を呑み込んでいく様は「優勝請負人」の名に恥じないものでした。
Edel Noteのステージが終わっても、なおざわめきが収まらない観客達。当たり前です。あんなものを見せられて心が動かないはずがない。
瑞河のパフォーマンスを受けて、一層燃え上がる蓮ノ空の面々。
「今この瞬間を大切に」。リボンを胸に、いよいよ決勝の舞台へ上がります。
頑張れ、と叫んでいました。
そこにいるのは、「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」のはずですから。
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ
決勝披露曲「AURORA FLOWER」
正直なところ、感極まりすぎて歌詞なんてほぼ覚えていません。満を侍しての乙宗梢センター曲。決勝の舞台で中心に立つのは、やはり彼女でした。
それでも強烈な印象を与えてきたのが、サビの「諦めない 可能性がゼロじゃないなら」「今 過去 未来 今 抱きしめたら」という歌詞。
前者は、「諦めない」という言葉について。
これまでの2年間で彼女たちが何度も経験してきた諦める要素を全て踏み越えた先にある言葉のように感じられました。そして続きの物語を知った今であれば、瑞河の状況とも重ね合わせることができます。
どこまでの意味を含んだ「諦めない」なのか。
使い古された言葉ですが、その重みは計り知れません。
そして後者。「今」だけ2回言ってる。結局「今」に集約するのがスクールアイドル。
大事なことなので、なんて言葉もありますが、どうしようもなく「今」を生きている蓮ノ空という作品を象徴するような、そんな歌詞に感じました。
これぞ、決勝曲。
優勝は貰ったも同然だろう。
そう思っていました。
7.前代未聞、プレーオフ決定
「なんと、第1位が2校!」
ええ!?という声が全体から聞こえてきました。
まさかまさかの同率1位。どちらも譲れない思いを持っての戦いでしたから、その思いの強さが同等だったことの証左でしょうが、正直なところ、ありきたりな展開に白ける感情もありました。
念願だったはずの「第一位 蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」という言葉を聞いても、今ひとつテンションが上がらない感覚。
ところが、その次の一言で状況は一変します。
本年度のラブライブ!全国大会決勝は!
前代未聞!空前絶後!プレーオフとなります!!
あの時の声は、歓声というよりどよめきでした。
その場にいる全員が一体何が起こっているのか把握できない、そんな状況。
花帆ちゃんが「えーーー!!?!?」と言うから観客もとりあえず「えーーー!?!?」と言ってみる、でも頭の中で情報が完結しない。無量空処か????
で、配信はここで音声が途切れるんですが、
現地はこの後がとんでもなかった訳です。
画面に映し出された「活動記録 この後更新」の文字。さっきの音量が比にならないレベルで全員が「えーーーーー?!?!?!?」と叫んでいました。
結局、この後更新されたエンディングを見ることで、その可能性が無いことが明らかになった訳ですが、DAY1終了後の我々は、本気で「明日プレーオフやる気なの!?」と思わされたわけです。
割と絶望してました。DAY1しか現地参戦できない人だったので。
おそらく同じ状況であろう人たちが何人もいたため、終演後の現地は騒然。ざわつく人もいれば椅子に突っ伏す人も、たまらず隣の知らない人間に話しかけて平静を保とうとする人もいました。怒声をあげる人も、正直いました。
これ、本気でプレーオフをDAY2でやってたら暴動が起きてましたね……そういう意味では、プレーオフを月末Fes×LIVEとして開催することは英断でした。
というか、ライブに来た人しか見れない決勝、というのも割と攻めた演出だと思いますし、ある意味妥当な落とし所なのかも。
あの、刺激強すぎますって。
なんで蓮ノ空の初現地が「これ」なんですか僕????覚悟ガンギマリ過ぎてるでしょこのシナリオ考えてる人たち。
ということで、決着は今月末に持ち越し。
果たしてその日、何が起こるのか。
刮目して見たいと思います。
改めて、今回のライブにしっかりと活動記録を見た状態で臨めて本当に良かったです。
まさか決勝を現地で見るなんて体験ができるとは思ってませんでしたし、歴史の証人になれたことが誇らしいです。
μ'sのfinalライブや異次元フェスのような、「その場にいたことそのものが誇りになる」ような、そんなライブだったと思います。
蓮ノ空に向き合い、追いつき、追いついた先で見たのは、そんな景色でした。
確かに追いかけるまでのハードルは他と比べると高めだけど、リアルタイムで追いかけられたときに得られる感動はとんでもない。それが蓮ノ空なんだな、と痛感した数ヶ月間でした。本当にすごいよ、この作品は。
次のXデーは1/26。
1人でも多くの人が、歴史の目撃者となれますように。
それでは、当日の配信コメント欄でお会いしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。