世の中に圏外がなくなる! 6Gを目指すにあたって
5Gが話題になっている中、次世代通信技術の6Gも注目されています。大容量通信や超低遅延で便利になる一方、課題も存在します。本記事では、6Gがもたらす世界、その課題、解決策、さらに今後の展望について述べます。参考にしたのは、日経新聞2025年1月14日掲載の“スマホの圏外、衛星で解消”という記事です。
5G、6Gとは?
現在一般的に利用されているのは4G通信ですが、一部地域では5Gも普及しています。この“G”は“Generation”を意味し、通信技術が進化するたびに世代が更新されてきました。3Gでは画像や短い動画をストレスなく送受信でき、4Gでは長尺の動画もスムーズに再生可能となりました。
通信速度は“bps”(bits per second)で表され、1秒間に送受信できるデータ量を示します。4Gの最大速度は1Gbps程度ですが、5Gでは最大20Gbps、6Gではさらに100Gbpsに達するとされています。これにより、2時間の映画を6Gでは1秒以内でダウンロードできる時代が訪れます。
5Gの普及は、単なる高速通信だけでなく、4Gの回線混雑を緩和する目的もあります。基地局の負荷軽減により、多くの人が快適に通信できるようになるのです。
課題は何か?
最大の課題は障害物です。通信は電波を利用しますが、電波の周波数が高くなるほど障害物を通過しにくくなります。5Gや6Gで使用される高周波の電波は、建物や壁で減衰しやすいため、基地局を増設して電波を行き届かせる必要があります。
高周波の電波はアンテナの小型化が可能で低コスト化につながる利点があるものの、完全なエリアカバーは容易ではありません。この課題を解決する鍵として注目されているのが、衛星通信技術です。
宇宙で解決
衛星通信は、地球上の障害物に影響されず、山奥や僻地でも通信可能な点が大きな強みです。日本では約40%の地域が通信圏外ですが、衛星通信によりその多くをカバーできます。さらに、衛星は地球全域を網羅できるため、インフラの整備が困難な地域にも恩恵をもたらします。
ただし、課題もあります。衛星通信は距離が長いため、通信速度が遅くなりがちです。この問題を解決するため、低軌道衛星(地上から約2,000km)が注目されています。低軌道衛星は高軌道衛星との中継を担い、通信速度の改善が期待されています。また、高度約20kmで留まる無人飛行機を活用した“HAPS”(高高度擬似衛星)技術も進化しており、さらなる高速通信が可能になるでしょう。
まとめ
SFのような未来が現実に近づいています。5Gや6Gは、通信技術の課題を克服しつつ、生活をさらに便利にする可能性を秘めています。今後、宇宙産業が活発化するのは間違いないでしょう。
私自身、ネットワーク技術に携わる中で、この進化にワクワクしています。特に衛星通信の時代が到来すると考えると、仕事を通じて関わりたいという意欲が湧いてきます。陸上無線技術士の資格取得も視野に入れ、未来への準備を進めたいと思います。