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一本歯下駄ippon bladeで台湾100kmウルトラマラソン「如来神掌」に出場して。

大会を終えた翌々日の晩。

台湾のお友達と話していて

「来年の如来神掌100式で、僕の一本歯下駄100kmマラソンはラストだよ」と口にしていた。

と同時に、私の頭の中で、

この10年の回顧が始まった。





私が一本歯下駄を始めたのは10年前。

私は一本歯下駄を愛好するSNSグループの初期メンバーだった。

グループの立ち上げに関わった人がフルマラソンを一本歯下駄で完走した事を皮切りに、グループに属していたメンバーも、一本歯下駄でマラソン大会に出場し始めた。

その頃私は、一本歯下駄で登山にチャレンジする事に夢中で、ランナーではない私は一本歯下駄でマラソン大会には出場しないのがポリシーだった。

しかし、グループ内で間違った一本歯下駄の走り方や危険行為が流行した為、私が正しい走り方を体現して示すべく、一本歯下駄で出場する事を決めた。

生まれて初めて抱いた「使命感」だった。

信条は、他ランナーのように走り込まない、距離やスピードを求めない、結果を追わない。

ガムシャラな努力と根性による鍛錬を除外して、
理に適った身体操作の体現と、走るマインドフルネス、走る禅、空の境地へと至るランニングの体現をする。

そもそも私は、結果を求める強迫観念で無茶なトレーニングをやり過ぎた事によって心身が崩壊した事がキッカケで、裸足や一本歯下駄でのランニングや登山を始め、

自分なりに、運動の本質や身体操作の原理原則に辿り着いたのだ。

「本来のスポーツ、本来の身体操作、本来の一本歯下駄はそうじゃない」。

【本質ありきの結果を体現する】

速さや距離で順位や優位性が決まる為、
何かを犠牲にしてでも成功や達成を求める結果至上主義の旧態依然のマラソンやスポーツの在り方を覆したい反骨心と、

一本歯下駄の真の叡智を社会に伝え、世の中を良くしたい使命感が原動力となり、

その想いが私の天命と重なり、一本歯下駄の啓蒙活動の理念となった。

月間でも50km程度しか走らない。
そんな常識破りの信条で、一本歯下駄で走り始めてから1年で、ハーフマラソン、フルマラソンを完走したところで、

100kmウルトラマラソンを一本歯下駄で完走する目標を掲げた。

私は、形骸化していた一本歯下駄のSNSグループを脱退し、自分で実質的な練習会(下駄練)を立ち上げ、指導を開始した。

そこに参加してくれていたのが、如来神掌に共に出場しているミノさんこと「蓑島さん」だ。

そして私は、マラソンを始めて2年目で人類初となる一本歯下駄で100kmウルトラマラソンを完走するに至った。(奥出雲ウルトラおろち100km•2017年)

その後に出場したウルトラマラソンの最中に、フィボナッチ黄金比で設計された一本歯下駄の開発アイデアを思いつき、

裸足ランナーであり木工職人のモクエン氏と共に、ippon bladeを開発し、2018年11月11日に発売した。

モクエン氏もこの依頼が一本歯下駄を始めるキッカケとなり、今でもこうして共にippon bladeの運営活動をし、共に如来神掌を走っている。

2018年、私にとって2度目となる一本歯下駄100kmマラソンの完走(白山白川郷100km)を皮切りに、モクエン氏と共に本格的にippon bladeの活動が始まった。

ippon bladeを、日本を代表する世界的なスポーツやエクササイズとし、そして、普段履きの履き物としても定着させ、日本人はもとより世界中の人の身体機能を向上させるという目標を掲げた。

元々マラソンランナーではない私は、ippon blade代表として後進の指導に専念する為、一本歯下駄でウルトラマラソン大会に出場するのはやめると宣言した。

パーソナルセッションやワークショップでの実質的な指導による対面販売を実施した。

インストラクター制度を導入し、組織化と体系化を進め、北陸を中心に各地方へ活動を展開させて行った。

活動は、順調に実って行った。

2019年、台湾のウルトラマラソン「如来神掌100式」に蓑島さんとモクエンと出場する事になった。

私は重い腰を上げた。

そんな最中にメッセージのやり取りが始まったのが、のちに生涯の伴侶となる綾ちゃんだった。

私は、綾ちゃんとのメッセージのやり取りの段階で、この女性と結婚する事になるだろう、共に活動をする運命の人だろうと確信していた。

如来神掌は、見事にモクエン氏がippon bladeで完走し、モクエン氏にとって一本歯下駄で100km初完走となった。

如来神掌を終えて、綾ちゃんと初対面。

翌年に結婚。
共にスタジオを経営しながら、共にippon bladeの活動を開始した。

綾ちゃんはメキメキと頭角を現した。
ippon bladeで走り始めて11ヶ月で50kmのウルトラマラソンを完走し、

ippon bladeの活動を世間に伝えながら女性達を牽引するシンボル的な存在となった。

モクエン、綾ちゃん、ミノさん、インストラクター達の活躍のおかげで、

ユーザー達が、ippon bladeで走り始めた。

これまでマラソンが苦手だった人や、女性達までもが、マラソン大会に出場し始めた。

ミノさんやインストラクターの哲さんがメディアに取り上げられたり、

綾ちゃんもテレビに出演したり、私も雑誌の取材を受けたりした。

イロモノ扱いされてしまう一本歯下駄の素晴らしさを世間に示すべく、一人で孤独にマラソン大会で走り続けて来た私は、もう一人ではなくなった。

と同時に、「私がやらねば」という使命感は薄れ、

大会出場へのモチベーションも低下して行った。

ウルトラマラソンは引退したいという思いとは裏腹に、

ようやく増えた仲間と共に走りたい思いや、

ippon bladeの活動の盛り上がりに置いて行かれたくない思いや、

まだまだ代表として体現しなくてはならない責任感が入り混じり、

その後も大会出場を続けたが、結果が伴わなくなって行った。

一本歯下駄は走る為だけのものではなく、指導においては、指導者の走る速さや距離で指導者の技術力や知識量や能力や指導力を決められるものではないが、

結果が物を言うマラソン大会に出場している限り、完走をしないと示しがつかなくなり、指導にも説得力がなくなってしまう。

しかし、マラソンランナーではない私の信条は、他ランナーのように走り込まない、距離やスピードを求めない、結果を追わない事だ。

あくまで、走るマインドフルネス、走る禅、空の境地へと至るランニングの体現だ。

結果を出す為に信条を曲げるか、否か。

焦りとジレンマに苛まれる中、2022年のとびしま街道100kmにて、自分で開発したippon bladeによって3度目の一本歯下駄完走を果たし、

私は安堵感に包まれた。

その後、スポーツ化や大衆化へ向けての安全指導の体系化が進み、ippon bladeのオンライン販売を開始。

そして、2023年、2024年と、綾ちゃんや仲間達と共に、如来神掌100式に出場した。

この10年。

使命感でたくさんの大会に出場し、たくさんの経験と思い出と人生の意味を獲得する事が出来た。

ランナーを自負していない私にとって、一本歯下駄でのマラソン大会出場は、あくまでippon bladeの啓蒙活動のプロモーションの一環であるが、

私の人生にとって、苦手な事への挑戦をキッカケに自分自身と対面して、

心身の歪みやクセや偏りを調律する事ができるかけがえのないスポーツである事は間違いない。

インストラクター達の理解度や活動状況、

ippon bladeの全体の活動の現在地を鑑みると、

やはり、私はまだまだ責任感と使命感でプロモーション活動として大会へ出場は続けて行くだろうが、

来年の11月1日に第11回目となる如来神掌への出場で、一本歯下駄での100kmウルトラマラソンへの出場は、幕引きにするつもりだ。

今年に出場した大会はことごとく結果が伴わなかったが、

信条は変えない。

私にとって大切なのは、信条を変えてまで完走にこだわることではなく、

失敗経験を通じて「自分の在り方」を研ぎ澄ました結果、自然に完走に至る事だからだ。

運命に全身全霊を預け、その結果を有り難く受け入れる。

それでこそ、運命のレール、天命は続く。

既に、新しい世界が開き始めている。

ippon blade 代表 小平 天

ippon blade販売・運営
(株)TENARI
090-3565-0369
info@tenari.co.jp

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ippon blade公式リンク集
https://linkfly.to/51215aalBZm

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