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【2人台本】呪われた白雪姫 #01【女:1/不問:1】

【あらすじ】
白雪姫は、両腕を女王様から奪われ地下牢に閉じ込められている。狩人は、女王様からの命で彼女の世話をすることとなった。少しずつ続くストーリーを展開していこうかしら…と思っています。
(作品の元はこちら⇒https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14787841)

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【登場人物】
白雪姫:口が悪いお姫様。基本的に優しい。呪いで苦痛を味わっており、少し動くのも本当はしんどい。
狩人:白雪姫の世話係。優しい人。
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(ナレーション風)
狩人:これは、僕と呪われた白雪姫のお話です。僕が出会ったかっこいい女性は、呪いで常に苦しめられていて最初は驚きと同情の感情で、何も言えなかった。(少し間をあけて)でも、僕は彼女に…。

(物語りスタート)

白雪姫:「よぉ…教えてやるよ、新人…私にかけられた呪いを」
狩人:「…」
白雪姫:「…ははっ、驚いたか?笑いもんだろ。私は、両腕を奪われたんだよ」
狩人:「…いや、噂では聞いていたが…まさか、本当に…?…だ、誰に奪われたんだ?」
白雪姫:「(少し間を置いて)はぁ…うるさいなぁ…まぁいい。」

(SE:鋭いものがヒュンと狩人の元へ)

狩人:「ぐはっ!…ゲホッゲホッ」
白雪姫:「ははっ……はぁ…。っく…(苦しそうな呼吸)」
狩人:「そ、それは…」
白雪姫:「両手の代わりに、私はこの黒い影を操る。器用なもんだろ?」

(SE:白雪姫は椅子に腰をおろす)

白雪姫:「…どうせ、お前は私の世話をしに女王から言われてここへ来たんだろ。わかってんだよ(呼吸を整えながら)」
狩人:「…女王様からの命(めい)ではありますが…」
白雪姫:「はいはい…まぁ、これからいろいろ教えてやるから、今は呪われた白雪姫を…助けてくれよ…(最後は少し小声で)」
狩人:「も、もちろんです…!」
白雪姫:「…ははっ…なんだ?母様は、ずいぶんと愛想のいい子犬をよこしたんだな…。お前、名前は?」
狩人:「〇〇です。あ、あの僕はなんてお呼びしたら…」
白雪姫:「あー…白雪でいい。どうせ、すぐいなくなるだろうしな」
狩人:「…え?」
白雪姫:「…私の世話をできる人間なんて、この世にはいねぇからな」
狩人:「…そ、それって…」

(BGM:不穏な空気)

白雪姫:「別に、私が殺したわけじゃねぇよ。怖くなって逃げだすんだ」
狩人:「(ほっとして)…そうですか。僕は逃げ出しませんよ。白雪様をお助けするのが使命だと思っております」
白雪姫:「くくっ…女王様からの命令だからか?」
狩人:「いえ!…なぜ、そんなお姿になっているのかは存(ぞん)じませんが、ここに僕がいるということがその答えだと思っています」
白雪姫:「……」
狩人:「女王様からの評価なんてどうでもいいんです。白雪様にお会いして、僕はあなたのために尽くしたい…と思いました。理由は分かりませんが…直感が…」
白雪姫:「(さえぎるように)わ、わかった…それ以上、いい。もうなにも言うな。…っく、は…はぁ…(また苦しみもだえる)」
狩人:「ど、どうされました?!」
白雪姫:「呪いが、強くなる時間だ…っく…女王が、『私のこと、お忘れなく』って私に言ってんだよ…っく……」
狩人:「な、なんですか…それ」
白雪姫:「常に苦しいが…朝の6時と夜の6時は、特に強くなる。なにしてんだろうな、女王は…。義母だからって、なんでこんなことするんだろうな…」
狩人:「……白雪様…」
白雪姫:「っはぁ…少し弱まった…。悪い水をもらえるか。いつもなら影でどうにかするが…今日は、お前がいるからな。頼らせてもらう…な」
狩人:「…はい!すぐお持ちします!」

(ナレーション風)
狩人:僕が出会った『白雪姫』は、口が悪くて威圧的だったけれど…好きでそんな態度ではないんだろう…と思った。僕は女王様からの命令を受けただけの出会いだけれど、白雪様の凛(りん)とした態度に惚れてしまったようだ。彼女を僕は、最期まで守り抜きたいと初日に心の中で誓った。

#02へ続く
※更新日程未定※

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