E-textile用の端子を考える
僕は電気を通す布、E-textileを使ったデバイスを作ってます。電気を通す布、っていう概念はこれといって新しいわけではなく、英語のWikipediaなどをみると1000年以上前からあります。ただ近年の電子デバイスの小型化とともに、ウェアラブルデバイスが台頭し、それとともに導電布も注目されるようになってきています。そんな中で僕は個人的にフレキシブルで(ある程度)頑丈な布という素材がデバイスになるというのが面白い!と考え、作品を作ったりしています。
関わりがないと意識しにくいですが、繊維業ってむちゃくちゃ業界の規模がでかいので、ガチな研究機関や大学が分子レベルで新しい用途を模索している中、僕がやっているのはオモチャみたいなものですが、僕レベルでも何かつくれるような環境になってきていること自体が、E-textleの裾野が広がってるなと感じています。
そんな中で作品を作ってる中で常に課題になるのが「デバイスと服をつなげるコネクタ」です。
布であるということは洗濯が可能であることが重要です。
一方でデバイスである以上電源が必要となり、また電源(バッテリー)はほとんどの場合で洗濯禁止なので、洗濯できる部分と洗濯できない部分を分離できるようにコネクタが必須となります。
金属と布をつなげることがこれまであまり想定されていなかったこともあり、業界にはスタンダードとなるコネクタがありません。下記のようなコネクタもりますが、ゴツすぎて通常の服に使うのはためらわれます。
ウェアラブルエキスポで出展している企業を見ていると、お金を持っている大企業(デュポンとか)だと、自前のコネクタを開発していますが、お金のない中小企業や大学などで一番使われるソリューションが、「ボタンホック」や「スナップボタン」です。財布やポケットなどでよく使われるやつです。
ボタンホックは装着するのに専用のポンチやハンドプレスが必要なのですが、それ自体が通電してくれてなおかつコネクタの役割を担ってくれるので非常に便利です。通電する素材については僕の確認した限りだと真鍮ニッケルメッキなら通電してくれました。表面になんらかの加工がしてあるものはうまく通電しなかったです。
同様にマグネットホックも通電してくれますがちょっと単価が上がってしまいます。
というわけで、カジュアルに使うことのできるE-textile用コネクタとか、作りたいなーとここ数年悶々している次第です。