縮毛矯正がチリチリになった時のリカバリーとヘアケアについて縮毛矯正アドバイザーが解説します。

「縮毛矯正の失敗は治せますか?」という質問をサロン様やお客様からお受けすることがあります。

縮毛矯正の失敗の原因とリカバリーについて解説します。

・縮毛矯正とは
・縮毛矯正の失敗
・失敗した髪は治せるの?
・アフターフォローについて
・まとめ

・縮毛矯正とは

縮毛矯正とは、アルカリ剤で髪のキューティクルを開き、チオグリコール酸を代表する還元剤で髪の中のコルテックス内にあるシスチン結合を切断し、髪を真っ直ぐに伸ばした状態で
ブローして乾燥させ、アイロンによる熱処理で強制的に水素結合で固定し、過酸化水素・ブロム酸で酸化し、髪のクセを伸ばすパーマのことを言います。

・縮毛矯正の失敗
1、チリチリのボサボサになった
2、クセが伸びていない
3、真っ直ぐになり過ぎ

1、チリチリのボサボサになった

薬剤のコントロールで失敗の場合

髪の弾力の限界を超える強い薬剤により、髪の表面のキューティクルが剥がれ、髪のコルテックス内のシスチン結合が過剰に切断され、髪の内部の組織が弾力を保てない状態になると髪がゴムのように柔らかくなり、乾くとチリチリのボサボサになります。
髪が濡れている状態で引っ張ると弱い力で髪が切れます。

アイロン施術の失敗の場合

1剤を流した後に髪をブローしアイロンの熱を加えて、髪の水分を蒸発させ水素結合を強制的に結合させて形状を記憶させるのが縮毛矯正の1番大きなポイントです。
この時に髪に水分が残り過ぎているとアイロンの熱により、髪の中で水蒸気の体積が大きくなり水蒸気爆発を起こし、内部のタンパク質が熱により大ダメージになります。
乾くと髪がバサバサになり〈とうもろこしのひげ〉のようになります。

2、クセが伸びていない

クセの原因であるタンパク質の偏りを還元するパーマ液の力が弱いために、タンパク質に薬剤による化学変化が足りなかった場合に起こります。
還元剤のパワーが弱い・アルカリ剤のパワーが弱い・浸透時間が短い場合に起こります。

アイロンの熱が髪の内側まで伝わっていない時やアイロンの温度が150度以下になっていたり、髪の毛全体に均一に水素結合ができていない時はクセが伸びません。

3、真っ直ぐになり過ぎ

チオグリコール酸の還元力が高くしっかりパーマが効いている状態で、
アイロンで熱を加える際にアイロンのプレートがパネルに対して平行で毛先まで
真っ直ぐの状態で熱を加えると真っ直ぐになります。

・縮毛矯正を失敗した髪は治せるの?

縮毛矯正の失敗は治せます。が治せない場合もありますので解説します。

1、チリチリバサバサになった場合

薬剤によるダメージのレベルが髪の毛の弾力の限界を超えていなければ治せます。
(髪が濡れた時にもずくのように柔らかくならないレベル)
アルカリの入っていない酸性タイプのシステアミン系・GMT・スピエラ等の薬剤でかけなおすことができます。

アイロンによるダメージの場合は、治すのが難しいです。
多少収まりが良くなるくらいにすることは可能ですが、ツヤと弾力を取り戻すのは難しいです。

どちらの場合も縮毛矯正のかけ直しが無理な場合は、
髪質改善トリートメントの酸熱系トリートメントで形状を良くすることで対応します。

2、クセが伸びていない場合

治せます。前回より少し強い薬で縮毛矯正をかけ直すことが出来ます。

3、真っ直ぐになり過ぎ

治せます。前回より弱い薬で柔らかい質感に戻せることが出来ます。

・アフターフォローについて

縮毛矯正を長く維持するにはヘアケアが重要です。
縮毛矯正のシャンプーは、洗浄力の強い頭皮スッキリタイプやノンシリコンタイプはおすすめできません。
脱脂力が強く洗浄力が高いシャンプーは、縮毛矯正によるコーティングが剥がれやすく
髪のツヤと弾力を失いやすいです。

アミノ酸系の洗浄力が優しいタイプをおすすめしています。

お風呂で使用する洗い流すタイプのトリートメントは、しっとりタイプより、
サラサラタイプのトリートメントを使用し、少し時間を置くことをおすすめしています。

縮毛矯正は水素結合を利用したパーマですので、髪が乾いている時が一番いい状態です。
髪が濡れると水素結合が切断されます。

お風呂上がりはしっかりと髪を乾かしましょう。

初めに頭皮から中間までにしっかり風を当てながら、毛先に向けてテンションをかけるように手櫛を通しながら、上から下に向かってドライヤーの風を流します。

ブローの際はヘアオイルは使用しません。

髪の毛の水分が均一に乾き、サラサラになるように乾かすことが理想です。

髪の引っかかりや乾燥・硬さを感じる場合は、リンゴ酸とシアバターのmkミストをおすすめしています。

ドライヤーの熱による乾燥を防ぎサラサラになり、ドライヤーの熱に反応するエルカラクトンで髪に弾力が戻ります。

毛先の先が切れ毛でスカスカになっている場合は、ダメージ部を少しカットしましょう。

・まとめ

縮毛矯正の失敗の原因はいろいろあります。
失敗した縮毛矯正の70%くらいのものは、やり直しが出来る場合が多いです。

残りの30%の中の20%は詳しい知識と技術があれば、治すことが出来ます。

さらに残りの10%は、パーマではどうにもなりません。

その場合はカットして髪型を変えるか、アイロンなどを使ったスタイリングで
綺麗に見せる方法です。

縮毛矯正で失敗した場合も諦めないで相談すると治せる場合もあります。

どうにもならない場合も、少し時間が経つと落ち着くようなこともあります。

縮毛矯正をかけて気になることがあれば、プロに相談して解決してもらいましょう。

セカンドオピニオンとして別の美容室に相談に行くのもいいと思います。

縮毛矯正をかけて気になっている人の参考になれば幸いです。

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