エクソシスターで挑む最高ランク16 ~雀荘炎上!天盃龍の一発アガリを切り返せ~【24年11月season35編】
皆様初めまして。初めましてでない方はいつもありがとうございます。
タイトルに銘打った通り自分は長らくマスターデュエルのランクマッチをエクソシスター一本で最高ランクまで戦い続けており、過去15回に渡り月ごとの環境やその対処に関してnote記事にさせていただいてきました。
現在ランクマッチではかの最強の後攻デッキ・天盃龍が暴威をふるっており、コイントスに負けても先攻を渡されることがザラにある異様な環境となっています。後攻ワンキルを基本とするが故に、相手取る側としては従来の一般的なデッキ相手とは異なる対策を求められるデッキとなっています。
本記事ではそんな天盃龍相手にエクソシスターでどう対抗していけばよいかということを書いていければ良いなと思っています。
1. 24年10月〜11月のMDランクマ環境
最早いうまでもないですが、先月のパックで登場して以来天盃龍が環境を支配しています。また他に対抗馬といえるようなデッキもこれといってない1強状態となっており、登場前から完全に環境が変わってしまいました。基本的にコイントスの是非に関わらず後攻で戦うためミラーマッチを除いてコイントス運に左右されず、さらに1ターンキルの成功率が高いためより短時間でより多くの勝ち数を上げられる
気軽さも流行と無関係ではないでしょう。(誰しもコイントスに負けて後攻に甘んじたり、そんな時に限って手札誘発や捲り札を引けずやるせない思いをした経験が一度ならずあるはずです)
天盃以外で比較的見かけたデッキとしては、強いて挙げるなら粛声とユベルがあげられるでしょうか。いずれもテーマギミックによって天盃の全振り分野である戦闘行為を大きく制限できる点が共通しています。
2. 天盃龍の特徴と相性
そもそも天盃龍とは
バトルフェイズ中にシンクロ召喚を行って連続で攻撃要員を確保して一気にワンキルレベルのダメージ量を稼ぎ出し、最終的に切り札の燦幻超龍トランセンド・ドラギオンによってバトルフェイズ中の妨害をも封じて後攻ワンキルを決める、という動きが特徴のデッキです。しかも1枚初動も豊富であるため手札誘発や捲り札も豊富に採用でき、安定して後攻ワンキルを成立させることができるまさに「ぼくのかんがえたさいきょうのこうこうでっき」をやりすぎなほどに実現させたかのようなデッキとなっています。デュエルは基本的に先攻側が有利なものですが、にも関わらず後攻を基本とするこのデッキが環境トップに立っているという事実こそがその完成度のほどを物語っているといえるでしょう。
エクソシスターとの相性
実のところ、純粋にテーマギミックどうしのみで比較するなら、エクソシスターは天盃龍に対して有利な部類のデッキといえます。
天盃龍のワンキルムーブの肝となるのは
・耐性付与と初動サーチを兼ねる、盃満ちる燦幻荘
・チューナー兼リクルート効果持ちの天盃龍チュンドラ
・バトルフェイズ中に奇襲的に展開してくる燦幻開門
の3枚なのですが、エクソシスターの強みとするフリーチェーン除去はこれら全ての動きに対して強く出られるためです。
エクソシスターはマニフィカ+リタニアの構えによってフリーチェーン除去3回を構えるのが基本の構えとなるため、上記の3枚全てを相手が持っていたとしても阻止することが可能となっています。
なので問題は天盃龍自体ではなく天盃龍が採用している捲り札、具体的には主に禁じられた一滴、ハーピィの羽根箒、ライトニングストーム(伏せ除去として)の3枚となり、実際これらのカードを発動されなかった対戦ではほぼ勝利していました。なので実戦においてはこれらを想定に含めて天盃のワンキル阻止を考えていく必要があります。
なお、エクソシスター固有のギミックといえる、相手の墓地利用にチェーンしてエクソシスターを展開しエクシーズモンスターの妨害に繋げる動きは残念ながら天盃龍相手には狙いにくいです。天盃龍で墓地を利用する機会としては天盃龍ファドラ及び燦幻昇龍バイデント・ドラギオンがあるのですが、ファドラの効果は実戦ではダメージステップ中に発動することが多く、その場合エクソシスターの変身効果は誘発できません。また、バイデントドラギオンの召喚時の蘇生効果にチェーンしてエクソシスターを展開したとしても、変身効果にチェーンしてレベル3天盃龍の効果でトランセンドドラギオンをシンクロ召喚されればあちらの永続効果によってバトルフェイズ中の効果発動を封じられ妨害を行えなくなってしまいます。
3. 天盃龍対策を考える
1. 先攻・後攻論
通常先攻・後攻でどちらが有利かといえばやはり先攻であり、通常の環境で自分のテーマギミック以外に真っ先に考えることといえば「(通常の展開系デッキ相手に)後攻となったケースをいかに安定させるか」だと思います。OCGの大会だとマッチ戦となるため2戦目以降は先攻・後攻のそれぞれに合わせてサイドデッキで調整することが可能ですが、MDのランクマはシングル戦のためメインデッキのみで先攻・後攻の両方に対応する必要があります。なので先攻・後攻のどちらでも腐りにくいカードを投入したり、多少のリスクを承知でメインデッキから後攻向けのカードを採用したりといったことを行うことになってきます。
このシリーズで自分が従来とってきたプランというのはどちらかといえば捲り札重視の構成でした。三戦の号によって後攻時は捲り札、先攻時はバディス・リタニアを使い分けるという動きが非常に有効に機能していたのです。
で、ここからが本題となる天盃との兼ね合いなのですが、あちらは選択権の是非に関わらず後攻で戦うデッキです。故に天盃龍を相手とした時、通常の展開デッキ相手の後攻を想定した採用である捲り札が腐ってしまうという問題が発生し、これまで長く実績を出してきたプランを久方ぶりに根本から見直す必要が生じたのです。
2. 天盃対策に求められる条件
先にも述べましたが、天盃龍の厄介な点はテーマ本体のギミック以上に禁じられた一滴・ハーピィの羽根箒・ライトニングストームといった捲り札が極めて高確率で飛んでくることです。モンスターでの制圧を狙っても一滴で崩され、モンスターと魔法・罠の両方で妨害を用意するいわゆる「妨害を散らす」プランを取っても(ちなみにエクソシスターはバディス・リタニアの存在によりこの「妨害を散らす」プランが自然に取れるデッキです)羽根箒やライストで崩されてしまうという難題があります。つまり天盃龍対策に求められる条件というのは「場のモンスターに対する無力化・魔法罠除去のどちらにも強い、少なくとも展開前に伏せ除去されても問題ない」という条件が求められ、なおかつ通常のデッキに先攻を取られた際の対策も並行して為さなければならないということです。
3. 結論
以上の点を踏まえて自分の出した結論が「対策を捲り札から手札誘発に振る」ということでした。場のカードへの干渉手段を受けず、なおかつ通常のデッキ相手の後攻対策も行えるが故です。一応エクソシスターにおいては、手札誘発は敢えて墓穴の指名者を誘うことでエクソシスターの変身に繋げられるというシナジーもないではないです。
4. 実際の構築
ここ数ヶ月は手札誘発の微調整程度にとどまる調整が多かったですが、前述の通り天盃龍対策を意識した結果汎用カードのラインナップが捲り札から手札誘発を意識した構成にガラッと変わることとなりました。とはいえ自分自身がまだ天盃龍対面の見識が不十分であるため、今後まだ改良の余地はあるかと思います。
天盃龍と対面するケースを念頭に相性の悪いカードを入れ替え、少しでもワンキル阻止確率の向上を図りました。
次元障壁
天盃龍のワンキルムーブはバトルフェイズ中のシンクロ召喚が肝になるため、このカードでシンクロモンスターを封じることでワンキル阻止の確率はかなり高まります。特にこのカードの場合、三戦の号でサーチが可能かつ展開前に伏せ除去を食らっても問題ないというのが大きなポイントです。
幽鬼うさぎ
以前から主流デッキやメジャーな汎用カードに対して一定の有用性を評価して採用していましたが、現環境では盃満ちる燦幻荘に対して有用な妨害となるのが大きなポイントです。
拮抗勝負
従来、捲り札兼抹殺の指名者との併用による相手の同名カード対策という意味合いで長らく採用固定枠になっていましたが、バトルフェイズ終了時という発動条件も相まって天盃龍相手に腐ってしまうカードの筆頭であったため入れ替え対象となりました。
無限泡影
後攻を凌ぐための手札誘発としては、墓穴の指名者・三戦の才・三戦の号に対してのリスクなく使え、後攻1ターン目のドローで引いた場合でも機能しえると比較的信頼性の高いカードなのですが、先攻の場合では伏せて使わなければならず、天盃龍相手だとこの点が伏せ除去カードに対するリスクとなってくるので採用枚数の再考が必要になってくるカードかもしれません。
ディメンション・アトラクター
天盃龍以前の環境においてはスネークアイ・炎王・ティアラメンツなど墓地利用型デッキが多岐に渡り存在感を持っていたため採用していました。かたや天盃龍相手だとどうなのかというと、一連の動きの過程でファドラや燦幻昇龍バイデント・ドラギオンによる蘇生が絡むため一見有効かと思いきや天盃龍自身がアトラクターを採用できてしまう程度には刺さりが微妙であるため外すこととなりました。
そもそもこのカードの採用理由というのは、エクソシスターの穴となる相手の先攻での墓地利用を阻止しつつ返しの自分ターンでの増G・エフェクトヴェーラーを封じられるという点にこそ強みがありました。しかし天盃相手では否応なしに先攻になるため、増Gはチェーン発動されてしまうし、先攻ならエクソシスター自体で墓地メタを果たせるため、先攻ではアトラクターの採用意義が2つ失われてしまうのです。
ただ天盃龍相手の場合でも利用価値がないではないことが最近になってわかってきました。影響下でも動けるとはいえファドラとバイデントドラギオンの蘇生を使えなくなれば総攻撃力が下がることには変わりなく、何より禁じられた一滴を対策することができるのです。(一滴はコストでカードを墓地に送って発動するため、カードを墓地に送れないアトラクター適用下では発動不可能)この点をどの程度評価できるか次第で今後再びの採用も考えられます。
エクソシスター・リタニア
ここしばらくは三戦の号でのサーチが可能という点もあり、採用枚数を2枚に抑えていたのですが、同じくエクソシスターの罠であるバディスと比較して天盃龍相手にはこちらの方が有用であるため3枚に戻しました。
5. 具体的なプレイング
リタニア優先
2種あるエクソシスター罠、バディスとリタニアは双方揃えてこそ真価を発揮しますが、片方しか確保できない際にどちらをミカエリスでサーチするかが重要になってくるということは過去の記事でも述べてきました。これまでは手札に後続がない場合はバディスをサーチすることを推奨してきましたが、天盃環境では話が変わってきます。前述の通り墓地利用に対してバディスで構える動きが天盃に対してはあまり有効でないため、現在の環境ではリタニアのサーチを優先する方が有効だといえます。
6. おわりに
かくて今月もエクソシスターでランクマを戦った経験を書かせていただきました。今回は従来とは異なる対応を求められたため、正直少々苦戦した面は否めません。更なる研究をしていきたいと思います。
話変わって、タイムリーなことにVジャンプで連載中の漫画「OCGストラクチャーズ」ではまさに今エクソシスターvs天盃龍の戦いが行われています。キャラクターの一人が女性モンスターのデッキのみを使用するという設定があったためいつかエクソシスターが登場することを期待はしていたのですが、肝心のデュエル内容がエクソシスターの強みや面白さを見せられているか……といえばデッキテーマ本体のシスターより手札誘発の方が目立ってしまってやいないか? という感じでした。話の流れ的に敗北は回避できそうなのですが……。
それでは今月はこの辺で失礼いたします。本記事がエクソシスターを好きな方、エクソシスターで戦いたい方、自分の好きなデッキで勝ちを取りたい方にとって少しでも参考や励みになれば幸いです。
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