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【遊戯王MDランクマ】エクソシスターで挑む最高ランク⑧ ~VS深淵のクシャトリラ・(サイ)バース環境~【23年12月 Season24編】
皆様初めまして。初めましてでない方はありがとうございます。
タイトルに銘打った通り自分は2月以来エクソシスター一本でマスター1まで戦い続けており、過去7回に渡り月ごとの環境やそれへの対応を記事にしております。本記事の最後に過去記事のリンクも張っておりますので、本記事を読んで興味を持ってくださった方はそちらにも足を運んでいただければ幸いです。
今月の環境は、先月のセレクションパックで登場したヴァンキッシュソウル(以下VSと表記)が新たに環境に登板する一方、他にも様々な過去の主流デッキが強化の恩恵を受けて再浮上し、先月や先々月にも増して多様なデッキの入り乱れる群雄割拠の環境となっています。その一方、エクソシスターに関しては正直な所、環境での使用率を左右するほどの画期的な強化は現状打ち止めとなってしまっています。なのでこれまでと比べて厳しくなった部分は否めませんが、地力と高い対応力を有するテーマであることには変わりなく、構築とプレイング次第で勝ち抜くことはまだまだ可能であると考えています。
では本題に入って、まずは今月の環境をおさらいしていきましょう。
1. 23年12月のMD環境について
引き続きクシャトリラが高い使用率を持つのに加え、新パックで強化されたサイバースと烙印、新登場したVSが主流の一角になっています。加えて深淵の神獣ディスパテルと百檎竜リンゴブルムの登場により、ドラゴンリンクや深淵スプライト、深淵パンク系統も強化の恩恵を受け使用率が上がりました。そうして主流デッキが多様化した結果、先月の環境で主流の一角だったピュアリィとラビュリンスは相対的に使用率を落とすこととなりました。ラビュリンスに関しては上記デッキの中にビーステッドと相性の良いものが多く、結果的にビーステッドが大流行しているのも理由にあるでしょう。
2. 新デッキとエクソシスターの相性
今月の環境は、過去の主流デッキが強化の恩恵を得て再浮上してきたというパターンが多いのも特徴ともいえ、完全な新顔はVSくらいとなります。ではそのVSとエクソシスターの相性について見ていきます。
そもそもVSとは?
メインフェイズ中にフリーチェーンでフィールドのVSを手札に戻して展開される上級モンスターと、VSの墓地からの回収もしくは手札からの展開を行うリンク1「闘神の虚像」がテーマの特徴といえます。これらでサーチ効果を持つ下級モンスターを何度も展開してフィールド・手札双方のアドバンテージを広げ、相手を圧殺するのが勝ち筋のデッキとなります。クシャトリラやビーステッド、そして相手によっては強力に刺さるアトラクターや倶利伽羅天童とのシナジーも存在することから、新テーマという話題性も相まって現在主流と言える使用率をもっています。
エクソシスターとの相性は?
エクソシスターとVSの相性は、ずばり先手必勝といえます。
VSの上級モンスターは互いのメインフェイズ中にフィールドのVSを手札に戻して特殊召喚できる都合、メインフェイズ中は対象を取る効果に対してサクリファイスエスケープが可能であり、対象を取る効果に対してテーマ全体で強いといえます。その点において、マニフィカの除外効果は対象をとらないため、入れ替わられたとしても入れ替わり先のモンスターなどなんらかのカードは除去でき、無駄打ちになりません。最初に展開されたVSモンスターをそうして確実に除去すれば、VSのエンジンとなる闘神の虚像に繋がらなくなります。また闘神の虚像によってエンジンたるラゼンとマッドラヴを繰り返し回収・展開するのもVSの重要な勝ち筋ですが除外することでその流れを断ち切れます。他には、VSで採用されることの多いビーステッドとアトラクターに動きを阻害されないのも利点といえます。
ただし先手を取られてしまうと、VSの妨害用魔法罠であるダストデビルとスノーデビルがエクソシスターと相性が悪く、返しのターンでリタニアを使うこともできなくなるので厳しい戦いになる部分があります。対策としてはとにかく対象を取らない除去が有効なのでサンボルや拮抗勝負に加え、上記の魔法罠を展開前に除去できる羽根箒やライトニングストームが対策として有用になります。VSと併用されやすいカードの中では、上記の通りビーステッドとアトラクターは苦にしないもののクシャトリラとの相性はあまりよくなく、クシャトリラの初動をしていたと思ったらVSを通常召喚されて実はVSだったというパターンが少なからずあるのも面倒といえます。細かい部分では、フィールドで一番守備力の低いモンスターを手札に戻すマッドラヴが守備力2000なのに対し、ミカエリスが守備力1800、カスピテルとメインデッキのエクソシスターが守備力800と負けているため除去を受けやすいのも相性が良くないといえます。
3. その他デッキとの相性
クシャトリラ
過去の記事で詳しく述べていますが、相手としてはあまり嬉しくない寄りのデッキです。詳しくは先月の記事を参照してもらえればと思います。純構築のみならず、後述する新デッキのVSに出張採用されているパターンも多いです。
ピュアリィ
こちらも基本的には先々月の記事で記した内容と同様になります。一応申し訳程度に「ピュアリィ」とデリシャスメモリーが準制限になったものの、目に見えるような規制効果はありません。
サイバース
リンク・デコーダーとサイバース・ディセーブルムの登場により、展開力・妨害力が向上し使用率を上げました。これまではトランスコード+ヒートソウル+超階乗、上振れでもサイバネットコンフリクトが加わる程度で済んでいましたが、ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルードネオテンペストによりディセーブルムや相手ターン中のメレオロジックアグリゲーターによる妨害に加え、コンフリクトが加わる頻度も増えました。一応斬機ダイアが制限にされたものの、サーキュラーからダランベルシアンを出しダイアをサーチする基本ルートには一切影響がないため、結局はポーズのみの規制となっています。
ただし典型的な墓地利用頻度の高い展開デッキのため、こちらが先攻の場合は極めて有利となります。特にカスピテルによる蘇生封じが大きく刺さる珍しい相手でもあります。後攻の場合でも、妨害に使われるディセーブルムや超階乗がエクソシスターの変身トリガーとなる面があるため上手く逆用できれば捲ることも可能です。
烙印
墓地利用や墓地効果の利用機会は多く、その点では有利なようにも見えますがこのデッキの基本布陣となるマニフィカ+リタニア+バディスがミラジェイドに対して分が悪いため、実際には結構プレイングに気を配らなければなりません。
ドラゴンリンク
コンスタントに一定の使用率がある印象がありますが、前述の通りディスパテルとリンゴブルム登場の恩恵を受けたのもあって今月は明確に使用率が高いです。これまではヴァレルエンド+サベージの布陣が一般的で、上振れでマスカレーナや天球が加わるという感じでしたが、これにディスパテルやバロネス、もしくは上記2体のいずれかが高確率で加わるようになりました。
とはいえ、このデッキならではの利点は存在し、復烙印の蘇生やビーステッドの特殊召喚、ヴァレルエンドでの蘇生などエクソシスターのトリガーとなる行為はこちらのターン含めて多く、耐性だけでも詰み性能の高いヴァレルエンドをマニフィカやリタニア、カルペディベルから突破できる、上述の通り墓地利用の頻度が高い分こちらが先攻なら大きく有利になるなど決して一概に不利な相手ではありません。
4. 環境の総評
クシャトリラ・烙印・VSと、対応できないほどではないものの相性がややマイナスのテーマが主流になっており、その面は正直やや厳しいといえます。一方で環境全体で流行っているビーステッドやアトラクターが苦にならず、ドラゴンリンク・サイバース・ビーステッド系に対しては比較的有利に戦えるプラス要素も存在します。VSに関しても上記の通り先手を取れば優位にたてます。そういった点もあってか、一部の熟練プレイヤーでも現在の環境でエクソシスターに注目する向きがあるようです。
5. 実際の構築
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構築自体は先月の時点でだいぶしっくりきていたので殆ど変わっておらず、微調整にとどまっています。
冥王結界波
先月の構築では1枚だったものの、サイバース・ドラリンなどオーソドックスな展開系が再び増えてきたため再び増量しました。三戦の号でサーチできるとはいえ号自体はバロネスやうららに妨害されてしまうため、やはり素引きしてこそ…という面があるのも理由です。
深淵の宣告者
ピュアリィ対策用のカードで、やや減少したとはいえまだ時折遭遇すること、それ以外の相手でもそれなりに使いやすいことから引き続き投入しています。号を2枚採用しているので
実質3枚体制で運用できること、相手自身が墓地へ送るためミラジェイドの③を発動させないことなども利点です。
サンダー・ボルト
こちらも続投です。一滴や結界波等のようなチェーン封じは持たないのでサイバース系相手ではコンフリクトやディセーブルムに止められてしまうものの、通せば発動条件のカードを失ってしまうことからそれらの妨害を確実にこのカードへ使わせることが可能です。またVSに対しても、対象を取らない除去なので入れ替わりのサクリファイスエスケープを無視して盤面を一掃しやすく、スノーデビルで効果破壊耐性を持たされるとしても、展開前に使わせて全破壊をされずに済むだけでも価値があります。
カイザーコロシアム
ほぼ毎回何かしらで解説しているカードですが、ドラリンやサイバースなど展開力の高い相手に対してほど強くなるというのと、サイバースにおける超階乗、ドラリンにおけるヴァレルエンドやビーステッドギミックなど展開の絡む妨害への牽制も行えます。(ヴァレルエンドの③は無効とヴァレットの蘇生がセットなので、カイコロ発動下でモンスター数が相手以下の場合、発動自体できなくなりケアとして機能します)
新たに登場したVSに関しては、1体縛りを受けても上級モンスター同士で入れ替わって戦うことはできるため致命傷には至らないものの、その上級モンスターが残っている限り手札に戻した下級モンスターを再展開できず、闘神の虚像によって頭数を増やしていく動きも事実上とれなくなるため戦略を狭めることは可能です。
ヴェルズビュート
先月時点では試験的に採用しただけでしたが、今月ではそこそこ使用機会がありました。主にクシャ相手の返しとして有効で、アーゼウスと合わせて全体除去の二段構えができるのも強かったです。
マニフィカ
クシャトリラユニコーンのエクストラ破壊を考慮して引き続き3積みです。2枚だとワンチャン枯渇させられるかもと思ってかエクストラ破壊を受けることがありましたが、3枚では流石に無理と悟ってくれるのか、使い手側にとって一番除外されたくないこのカードとミカエリスをスルーして、アーゼウスなど別のカードにエクストラ破壊が向いてくれることが多かったです。身を張って本命から狙いを逸らしてくれるアーゼウスには背を向けて寝れません。
その他現環境でありかもしれないカード
・幽鬼うさぎ:先月ではピュアリィメタ等で採用していましたが、特にトランスコードトーカーに対して除去しつつ効果も不発にできるのは強力といえます。下記のアトラクターより相手を選ばないのも利点です。
・アトラクター:サイバースやドラリンといった墓地利用を多用する展開デッキへの対策となりえます。しかし元から1ターン目以外で手札にくるとまず役に立たないリスクに加え、クシャとVSに対してはまず効果を見込めず、初手に来た場合ですら腐るリスクが少なくありません。
・次元障壁:烙印対策として一瞬候補に考えました。過去の環境では実際に採用し、号のサーチ候補ともなるのですが、クシャ・VS・サイバースと使えないデッキがあまりにも多すぎて一瞬で没になりました。ドラリンに対してもサベージやカオスルーラー、ディスパテルこそ封じられるもののヴァレルエンドなどのリンク展開に干渉できないため微妙なところです。
荒魂&幸魂
荒魂1枚からマニフィカまで繋がるギミックですが、自分としてはオーバーレイネットワークの方が評価が高く採用しませんでした。理由は先月の記事の「構築余談 ~幸魂とオーバーレイネットワーク~」の項で詳しく比較していますので、そちらを見ていただければ幸いです。
6. 具体的なプレイング
対VS:クシャ始動でも警戒が必要
フェンリルによって地属性のフェンリル、炎属性のライズハートとVSの公開コストとなるカード2種類をサーチし分けられることからVSにクシャが出張するパターンが多く見られます。故にクシャの動きをしていたらVSを通常召喚してきた、というパターンもありクシャトリラの初動ムーブをしていてもVSが出てくる可能性を考慮しておく必要があります。
対VS②:マニフィカの②③は必ずセットで使う
倶利伽羅天童の採用率が高いデッキなので、マニフィカの②を使った後、対象を取る効果への牽制として③の入れ替わり効果をガメているとリリースされてしまうリスクがあります。故にVS相手では必ず除外効果と同時に③でミカエリスと入れ替わるようにしましょう。
対VS③:リタニアの対象はよく考える
リタニアの追加効果による除外は対象を取らないのでVSにも有効ですが、前半の処理でフィールド・墓地から除外するカードは対象を取り、これを不発にされると追加除外もできないので、VS以外のモンスターや墓地のカードなど、VSの入れ替わり効果によってサクリファイスエスケープされないカードを対象に取る必要があります。
対VS④:メインフェイズ以外では対象を取る妨害も有効
フィールドのVSを手札に戻して上級モンスターを特殊召喚する効果はお互いのメインフェイズのみなので、他のタイミングであれば対象を取る妨害も概ね安全に通せます。ミカエリスの除外効果やリタニアの前半の処理は対象を取りますが、幸いにしてこれらは完全フリーチェーンで使えるので可能な限りメインフェイズ以外のタイミングを狙いましょう。
対サイバース①:コンフリクトケア
先攻であらゆる効果に対応するカウンター罠を用意されてしまうと、実際のところ後出しで対処する手段はレッドリブートしかありません。ただし自身や発動条件のコードトーカーを除去する効果に対しては使わざるを得ないため、サンボルやライストなど消費の軽い全体除去を当て馬にするのが現実的な対策です。
エクソシスター内で取れる対策もあり、カルペディベルで宣言する、エクシーズ召喚を通せた場合は効果を使う前にコードトーカーを戦闘破壊してから動くといった手があります。昨今の斬機はネオテンペストとヒートソウルを並べるパターンが多いですが、両者のリンクマーカーの兼ね合いでヒートソウルの攻撃力が2300のままのことも多く、ミカエリスで戦闘破壊が可能です。
対サイバース②:ディセーブルムを逆用する
ディセーブルムの無効効果は墓地の自身を除外して発動するため、エクソシスターを並べた上で使わせるよう仕向ければ変身効果を発動させられます。こちらもリンク4以上のサイバースの存在が発動条件としてあるため、それを除去する効果に対しては使わざるをえなくなります。
対サイバース③:カスピテルの蘇生封じが有効
サーキュラーを起点とする一連の展開は蘇生を行う機会が非常に多いのが特徴です。サーキュラーで斬機シグマを墓地へ送り自己再生する部分はエクソシスターの変身トリガーとして見逃すことになるでしょうが、その後も斬機ダイア・スプラッシュメイジ・リンクデコーダー・トランスコードトーカー、さらに場合によっては斬機方程式と蘇生の機会が非常に多いです。カスピテルの①の効果を用いるとこれらが根こそぎ止まるため、展開手段が相当に限られることになります。故に墓地利用をトリガーにエクソシスターエクシーズを複数展開できる場合は是非、普段活躍の機会が少ないカスピテルの蘇生封じを狙ってみてください。
7. おわりに
今月もエクソシスターでランクマを戦った経験を書かせていただきました。今月は有利要素も不利要素も大きく入り混じっており、結果として少々戦績に波が生じる部分はありました。どちらかというと主流デッキではやや相性マイナスのテーマの方が多かったでしょうか。とはいえ、流れが向かずに負けが込むような時でもエクソシスターというテーマそのものに対して力不足と感じたり怒りが向くようなことはなかったです。昨今の強力デッキのような圧倒的な手数やリソース、展開力はないため人によっては力不足に映るかもしれませんが、まだ使い手次第でどうにでもなるのだと感じます。
本記事がエクソシスターを好きな方、エクソシスターで戦いたい方、自分の好きなデッキで勝ちを取りたい方にとって少しでも参考や励みになれば幸いです。
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1週間で行ける!?エクソシスターでダイヤ1(23年5月環境)
エクソシスターで環境に挑み続ける(23年7月環境)
エクソシスターで挑む最高ランク④(23年8月環境)
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