【遊戯王MDランクマ】エクソシスターで挑む最高ランク17 ~白き森のファンサービス~【24年12月 Season36編】
皆様はじめまして。初めましてでない方はいつもありがとうございます。
タイトルに銘打った通り自分は長らくマスターデュエルのランクマッチをエクソシスター一本で最高ランクまで戦い続けており、過去16回にわたり月ごとの環境やその対応についてnote記事を書かせていただいてきました。
今月は新たなテーマが複数実装され、昨今の天盃龍での後攻ワンキルに偏重した環境は若干緩和されました。一方で天盃龍とそれ以外のデッキの双方に対応できるバランスの重要性はより増したともいえ、これといった決定的な主流デッキが存在していないことも含め難しい舵取りを求められる環境といえます。世間の多くの方々は最新デッキに目が向いていることとは思われますが、そんな中でエクソシスターでどう対応していくのかということを書いていければと思います。
1. 24年12月のMDランクマ環境
10月に登場して以来天盃龍が暴れ回る環境となっていましたが、今月のセレクションパックで複数の新テーマが登場した結果、相対的に天盃龍のシェアが下がり、ある程度正常な環境が戻ってきたといえます。決定的な主流といえるほどのデッキはなく、比較的群雄割拠な状態といえるでしょう。新たに台頭してきたデッキとしては以下のようなものが挙げられます。
白き森
光属性魔法使い族・幻想魔族とシンクロ召喚主体のデッキで、魔法罠をコストに効果を発動し、テーマ内の魔法罠はモンスター効果のコストに使われると墓地から戻ってくるという動きが特徴で、この両者の連携により大量のカードアドバンテージを得られるのが特徴のデッキです。以前に主流デッキの一角だったセンチュリオンとも相性が良く、両者を合わせた構築も見られます。
ギミックパペット
以前はキャラデッキの側面が強かったテーマですが、今回の新規で大幅に強化され,OCGでは環境でも実績を残し関連カードの規制も受けています。流行率としては現状そこまででもないのですが、なんと言ってもこのデッキの特徴は効果ダメージによる先行1キルを高い安定性で決められることで、先攻を取れず手札誘発を引けなかったらそれだけで勝負が決まりかねないという危険性が常に存在しうる相手といえます。現状マスターデュエルでは関連カードの規制が何もなく、実際の遭遇率がそこまでではないとはいえ、常にリスクとして警戒する必要があります。
キマイラ
有翼幻獣キマイラとその融合素材のリメイクモンスターを中心とする融合デッキです。初登場当時はスネークアイなどの炎属性系列の流行に押されていたり、幻惑の見習い魔術師が未登場だったため安定性に微妙に難があったりといったことがありあまり流行りませんでしたが、先月にその幻惑の見習い魔術師が登場したため安定性が増し、時折見かけるようになりました。
2. エクソシスターとの相性・対応
白き森
モンスター効果のコストに使用した場合に墓地から場に戻る魔法罠を筆頭に、墓地効果が比較的重要なテーマです。故に各種シスターやディメンションアトラクターによる除外、アソフィールによる墓地効果封じが極めて有効です。
また、白き森のいいつたえは発動条件として魔法使い族か幻想魔族が存在すること、白き森のルシアの自己特殊召喚効果は場に白き森がいることを要求します。故に最初に場に展開されたモンスターを即除去する所謂「着地狩り」で動きを止めやすい傾向にあり、これはエクソシスターの得意分野でもあります。あとはフィールドの状況問わず自身を手札から特殊召喚しつつサーチも行う「白き森のリゼット」に注意しておけば盤石といえます。
注意するべきカードの一つとして、特殊召喚時に相手のモンスターを全て裏守備表示にする白き森の魔狼シルウィアがあります。この効果を通してしまうとリタニアが発動できなくなる他、この効果にマニフィカの入れ替わり効果をチェーンしても入れ替わった先のモンスターが裏守備になり効果を使えなくなってしまいます。
また、白き森のシルヴィとルシアの2体は墓地にある時、場・墓地の白き森シンクロモンスターをエクストラデッキに戻してフリーチェーンで復活する効果を持っています。これによりこの2体と白き森シンクロモンスターは場・墓地の双方で対象を取る妨害を通しにくい特徴を持ちます。
以上の2点から、チューナーでもあるシルヴィ・ルシアを積極的に除外することでシルウィアの素材を揃えさせないと共に、これら2体の墓地効果による回避も牽制する立ち回りが有益といえます。
なお、魔法罠が墓地から戻る際、手札に戻るのではなく場にセットされるため、発動される前にエクソシスターのフリーチェーン除去で対処することが可能です。総合して、注意すべきポイントはあるもののプレイング次第で十分有利に立ち回ることが可能といえるでしょう。
ギミックパペット
後攻に回った場合は手札誘発で止められるよう祈る他ありませんが、墓地利用の比重が高いためにアトラクターが有効なのは救いといえます。またそれは同時にアソフィールの墓地効果封じが大きく有効なことも意味します。墓地から手札に戻るブラッディドールやキラーナイト、自身を墓地から除外して効果を発動するビスクドールやテラーベビー、各種蘇生効果などエクソシスターの変身トリガーとなる動きは豊富なのでそこからアソフィールや蘇生封じのカスピテルに繋げることで動きを止めやすくなります。またエクシーズデッキでありかつフリーチェーン除去に長ける都合上、キーカードの一つである地獄人形の館に強いのはエクソシスターのアドバンテージの一つと言えます。墓地効果によってこちらの妨害を制限してくるビスクドールとテラーベビーの効果に注意しながら要所を潰していきましょう。
キマイラ
墓地効果の比重が高く、これもアソフィールやアトラクターが有効になります。また幻爪の王ガゼルや大翼のバフォメットを場に出して効果を使ってから融合素材にするという動きが主であるため、融合効果にチェーンして場にいるそれらを除外するという動きが(ガーディアンキマイラ対策の意味合いも含めて)有効です。
ただ合成獣融合が速攻魔法であるため、上記の動きを狙った際にさらにチェーンして融合されるケースがあることには注意しましょう。対象を取らない除去ができるマニフィカ・リタニアならばこれを行われたとしても、出てきた融合モンスターを効果を使われる前に除去できるので、この2種の効果を温存しておければ理想的です。
3. 実際の構築
先に述べた通り天盃龍の脅威は多少減ったものの、代わりにギミックパペットによる先攻1キルのリスクが生まれたため、引き続き後攻時の対応は手札誘発優先の構築になっています。
ディメンション・アトラクター
前回の構築では天盃龍相手に微妙という理由で外していましたが、その天盃が減少し、新しく台頭してきたデッキ相手には上記の通り軒並み有効なこともあり再び起用しました。なお最新の改訂により準制限から制限に格上げされましたが、自分は元から1枚派だったのでこの点は影響していません。複数積んだらそれはそれで腐るリスクも高まるのであまり気に病むことはないと思います。
なお天盃龍相手でも全く価値がないということもなく、蘇生を絡めた連続攻撃の動きを封じられる他、負け筋の一つとなる禁じられた一滴を封じることが可能です。
強欲で金満な壺
エクストラデッキを使わないデッキ御用達のドローカードですが、エクストラをある程度使うデッキであっても実際に使うカードがある程度絞られているデッキでは採用するケースもあります(具体的にはマドルチェなど)。エクソシスターも比較的この傾向に該当し、特にマスターデュエルでは金満で謙虚な壺が禁止になったので、代替として採用する余地があります。手札を純増できる点、ドロー禁止の制約が効果処理の一環なのでうららで無効になった場合はソフィアのドローを使える点は金謙より優っています。
もう一つ利点を挙げるならば、誘発を比較的誘いやすいという点が挙げられます。相手視点ではうららを持っていた場合、「発動タイミングが固定されているから囮かどうかどうか判断しづらいけれど、とりあえず1:2交換は潰せる以上損はないから」として、なんだかんだうららを使うことも多いです。増Gも「2枚ドローでうららや指名者を引かれて通らなくなるくらいなら」とチェーン発動を誘える場合があります。これによって三戦の才・三戦の号の発動条件を早い段階で満たして戦略を立てやすくなる効果もささやかながら期待ができます。
とはいえ、やはりミカエリス・カスピテル・マニフィカのいずれかの残数が1以下になると背水の陣を強いられるリスクは無視できるものでなく、運に不安のある方は採用しない方が無難です。(自分は6枚除外で発動すると必ず上記3種のどれかを2枚持っていかれます)
このカードで2枚ドローしても展開にソフィアを絡めてドローしてもアドバンテージとしては変わらないので、ソフィアを絡められる場合は発動を切り捨てる、状況によっては3枚除外で発動するなど柔軟に対応しましょう。どのみち制限カードであるため毎度手札にくるものでもない点なども考慮し、適宜判断しましょう。
禁じられた一滴
相手の天盃が使う一滴対策の一環として、「同名カードを入れて抹殺の指名者で対応する理論」のもと採用。先攻で引いた場合でも伏せて妨害に使えます。ただしエクソシスターでは普通に使うと、コストに適した墓地効果持ちがない点などから負担が重くなりがちなのは意識せねばならない点でしょう。(その点もあって従来は冥王結界波を優先していました)
エフェクト・ヴェーラー
通常の環境だと墓穴の指名者・三戦系カードのリスクを負わない無限泡影の方が安全とされているのですが、あちらは先攻の場合場に伏せる必要があり、天盃龍を相手にした際は伏せ除去に晒されるリスクがあるためこちらの方を増やしています。
カスピテル
強金を採用する構築としたため3積みにしています。
4. 具体的なプレイング
今回はプレイングに関する内容の大半を新テーマ紹介の際に書いてしまったのでこの項は控えめになりますが、1点だけ。
バディス? リタニア?
過去の記事でも度々取り上げた内容ですが、エクソシスターの罠カード2種は両者を揃えて構えるのが理想の構えであるのですが、片方しか確保できない際にどちらをミカエリスでサーチするかという問題があります。当然環境によってその答えは変わってくるのですが、天盃龍が流行していた前回時点では、後続確保を断念してでもリタニアを優先する方が効果的なことが多くなっていました。
しかし現在では天盃との遭遇率がやや落ち着き、新たに台頭してきた白き森やギミックパペット相手では墓地利用に反応してエクソシスターを変身させる従来の動きを狙いやすいため、手札に後続がない状況では従来通りバディスを優先してもいいでしょう。
5. おわりに
今回もエクソシスターでランクマを戦った経験を書かせていただきました。天盃龍が登場して以来、事前の対戦経験が乏しかったため試行錯誤を強いられていましたがその甲斐あって対処の安定性が上がってきたように思います。
さて、今月のセレクションパックではトリックスターの新規カードが登場しましたが、これらのカードはOCGではエクソシスターに採用可能な時空の七皇と同パックでの登場となっています。そのため実装を期待していきたいところです。
それでは今回はこの辺りで。本記事がエクソシスターを好きな方、エクソシスターで戦いたい方、自分の好きなデッキで勝ちを取りたい方にとって少しでも参考や励みになれば幸いです。
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