見出し画像

アコギのトップ材 シトカ・スプルース編

こんにちは!アコギヲタクの無射と申します!

さて、皆さんはシトカ・スプルースという木材を聞いたことはあるでしょうか?

アコギが好きな人であるなら、聞いた事がある人も多いかもしれませんね!

何を隠そうこのシトカ・スプルース。世の中に出回っているアコギの中で最も多く使用されているといっても過言ではない木材なのです!

それでは、詳しく語っていきましょう!

シトカスプルースとは

シトカ・スプルースとは、主にアコースティックギターのトップ材として使用される木材であり、スプルースの中でもトップクラスの使用率を誇る木材の名前です。

あまりに一般的すぎて、アコースティックギターのスペック欄に『スプルース』とだけ記載されている物は、ほぼ100%シトカ・スプルースと言ってもいいほどです。

シトカ・スプルース

シトカ・スプルースは北米のアラスカ南部からカリフォルニア州北部にかけて分布しており、アラスカのシトカ市にて発見されたため、『シトカ』と名付けられました。

アラスカ シトカ市

出音は力強くて張りがあり、癖のない素直な音が特徴的です。硬い音という印象を抱く人もいると思います。

低音域から高音域までフラットに鳴る特性を持っており、上記した硬い音というのも相まって、どちらかと言えばフラットピッキングに適していると思われます。

しかし、フィンガーピッキングが合わないのかと言うとそうではなく、素直な音響特性のおかげであらゆる奏法に対して使用可能です。

また、今現在出回っているアコースティックギターの八割方は、トップ材にシトカ・スプルースを使って製造されているため、値段帯によっても出音が大きく変わります。

安価な物は硬く、鳴りにくく、反応も悪く、弾くのに苦労する物も中にはありますが、高級なアコースティックギターに使用されるシトカ・スプルースは素晴らしいグレードの物を選定して使用しているため、安価なものとはまるで音が違います。

それこそ、初心者用の3〜5万円代のトップ単板のギターから、100万円を超えるようなMartinの40番台にまでこのシトカ・スプルースが使われているため、一括りにして特徴をまとめるのは難しいかもしれません。

ちなみに…

YouTubeの方でも詳しい解説動画を出していますので、ぜひご覧下さい!

使用されているギター

今現在作られているギターのほとんどがシトカ・スプルースなのですが、有名どころで言えば、

Martin D-28

Martin D-28 Standard

シトカ・スプルースが云々というより、アコースティックギター界でのスタンダードモデルと言っても差し支えない名器。

1931年に製造開始された歴史あるアコースティックギターです。

製造開始時点では、トップ材はシトカ・スプルースではなく、アディロンダック・スプルースという木材が使用されていましたが、材料不足により徐々に変更され、スタンダードモデルは完全にシトカ・スプルースに移行されています。

しかし、今やシトカ・スプルースでさえも材料不足に陥りつつあり※、Martin社はトップ材を再度変更していくようです。

(※大規模にシトカ・スプルースを卸していたアラスカの商社が撤退したことによるMartin社の在庫不足か、はたまたシトカ・スプルース自体の枯渇かはまだ分かりません)

Martin Club Japanのホームページによれば、今後のカタログスペックの表記は『スプルース』のみとし、シトカ・スプルースとルッツ・スプルースを併用していくようです。

何十年とアコースティックギターを支え続けたシトカ・スプルースもついにこうなったかと……そう嘆いているのはきっと私だけではないはず……。

Gibson J-45

Gibson J-45 Standard

こちらも言わずと知れた名器ですね!

ロックミュージシャンが使用するアコースティックギターは、高確率でGibsonなような気がします笑

1942年に製造開始され、当時45$で購入できたため、型番に45と入れられたそうです。

ジャキジャキという特徴的な音と泥臭いコード音が歌モノと相性が良く、弾き語りをする方に人気の機種でもあります。

バンドの中でも他の楽器に埋もれずにコードトーンを出せるので、ボーカルの方がよく使っている印象ですね。

こちらも昔はアディロンダック・スプルースが使用されていましたが、今現在作られているJ-45は全てシトカ・スプルースとなっております。

Taylor 814ce

Taylor 814ce

今や、アコースティックギター三大メーカーのひとつとして数えられるTaylor Guitersのフラッグシップモデルである814ce。

ES-2という独自のピックアップがマウントされていることにより、購入してすぐにアンプに繋げるというアーティスト向け仕様に加え、近年はV-ClassというTaylor特有のブレーシングが使用されていることもあり、生鳴りの評価も上がりました。

肘置き部分が丸く切り取られているアームレスト加工や薄く幅の広いネックなどによって演奏性も高く、MartinやGibsonとは一風違ったモダン仕様の魅力が詰まっていますね。

まとめ

まとめると、シトカ・スプルースは低価格帯のモデルからアコギ三大メーカーのフラッグシップモデルまで幅広く使用されている木材であり、音のバランスの良さでフラットピッキングからフィンガーピッキングまでこなせる優等生といった感じでした!

以上が、シトカ・スプルースの紹介でございました。

また次回、イングルマン・スプルース編でお会いしましょう!ではまた!👋

いいなと思ったら応援しよう!