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アコギのトップ材 ヨーロピアン・スプルース編
こんにちは!アコギヲタクの無射と申します!
さて、皆さんはヨーロピアン・スプルースという木材を聞いたことはあるでしょうか?
アコギが大好きな人であるなら、聞いた事がある人もいるかもしれませんね!
古くから弦楽器のトップ材として選ばれてきた高級材、ヨーロピアン・スプルースについて、詳しく語っていきましょう!
ヨーロピアン・スプルースとは
ヨーロピアン・スプルースとは、ヨーロッパ中央部のアルプス山脈地域に分布しているオウシュウトウヒ(欧州唐桧)、ドイツ松とも呼ばれる複数の樹種の総称です。
高級材として知られており、アコースティックギターでは高価格帯のギターでしかお目にかかることはありません。
また、ソロギタリストや個人製作家(ルシアー)からの評価が高く、フィンガースタイルを中心として活動されているプロの方のギターでよく見かけることがあります。
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ヨーロピアン・スプルースの中でも特に知名度が高いのがジャーマン・スプルースと呼ばれる種です。
ドイツ松とは言いますが、実際はヨーロッパに広く分布しており、一概にドイツ産のものではないようです。
クラシックギター製作にあたっては、RamirezⅢ世がレッドシーダーを天板に用いるまでは、一般にこの木が用いられていたようです。
また、あの有名なストラディバリウスもドイツ松で製作されていたことが明らかになっています。
ヨーロピアン・スプルースは、スプルース界随一の歴史を持つスプルースなのです!
ヨーロピアン・スプルースは、シトカスプルースと比べて比重が低いためか強度がやや弱いとされていますが、弾性係数や収縮率はジャーマンスプルースの方が勝っており、狂いにくく軽くてよくしなります。
音質はシトカ・スプルースよりも柔らかくしなやかで、倍音が多く艶やかになる傾向があります。透明感があり、リッチな音といった印象です。
音に力強さがでる材ではなく、倍音が美しく鳴るため、ヨーロピアン・スプルースはフィンガースタイルで使用されることが多いわけですね!
ちなみに…
YouTubeの方でも詳しい解説動画を出していますので、ぜひご覧下さい!
使用されているギター
ASTURIAS SOLOシリーズ
![](https://assets.st-note.com/img/1670720476084-wLGkF1vTFj.png)
九州・久留米で約15名の職人によってギター製作をしている少数精鋭ブランドであるASTURIAS。
このASTURIASが製造しているSOLOシリーズでは、
・ソロ ヘリンボーン
・ソロ プレミアム
・グランソロ SR
・グランソロ プレミオ SR
の4モデルでジャーマン・スプルースが使用されています。
ASTURIASのギターは何と言ってもコストパフォーマンスが高く、通常ジャーマン・スプルースを使用したギターは30万円を超えて当たり前の世界なのですが、なんと20万円台の機種をリリースしています。
ソロ ヘリンボーンなんかは20万円前半で新品を購入できますので、店頭で見つけた際は試奏してみてください。
Lake wood Guitars
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1986年にドイツに工房を構え、生産を開始したLake wood Guitersは、厳選されたAAAグレードのジャーマン・スプルースをほとんどのモデルで使用しています。
ボディシェイプの違いで型番が決まっており、
・グランドコンサートシェイプのMシリーズ
・オーディトリアムシェイプのAシリーズ
・ドレットノートシェイプのDシリーズ
・ジャンボシェイプのJシリーズがあります。
また、値段帯ごとにもシリーズがわかれており、比較的低い価格帯のNatural Seriesから、Deluxe、Premium、Editionの4つが用意されています。
Natural Seriesなんかはコストパフォーマンスが高く、ASTURIASと同様に20万円台でジャーマン・スプルースを手に入れることが可能です。
Lake wood Guitersはデフォルトで Anthemが取り付けられる機種が多いため、ライブでも使用できるのがうれしいですね。
Switch Custom Guiters
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![](https://assets.st-note.com/img/1670722903634-GLLzz9h30R.png?width=1200)
Switch Custom Guitersより、松井祐貴 10th Anniversary を記念してリリースされたシグネチャーモデル、SJ Matui Yuki。
トップ材に厳選されたAAAグレードのジャーマン・スプルース、サイドバックにはココボロが使用されており、本人の想い、松井サウンドの 10年を形にしたモデルだそうです。
右手の負担を軽減するエルボーコンターもあり、シンプルながら質実剛健、操作性は縦横無尽なプレイに対応します。
ASTURIASやLake Woodに比べると高めの価格帯ではありますが、その代わりにスペックの良さやこだわりを感じることができます。
その他
レギュラーラインナップとしてヨーロピアン・スプルースを使用しているメーカーは非常に少ないのですが、稀に作られる特別にモデルにヨーロピアン・スプルースが起用されることもあります。
また、高価格帯のギターでになってしまいますが、個人製作家(ルシアー)の方はヨーロピアン・スプルースを使用してギターを製作していることが非常に多いです。
デジマートなどで色々と探してみるのも面白いと思います。
まとめ
ヨーロピアン・スプルースは弦楽器のトップ材として昔から重宝されていた木材であり、あの有名なストラディバリウスにも使われていた高級材です。そのため、高価格帯のギターに使用されています。
音色が柔らかく艶やかであり、倍音が豊かに鳴るため、フィンガースタイルギタリストや個人制作家の方からの評価が高い材となっています。
以上が、ヨーロピアン・スプルースの紹介でした!
また次回、アディロンダック・スプルース編でお会いしましょう!ではまた!👋