アコギのトップ材 イングルマン・スプルース編
こんにちは!アコギヲタクの無射と申します!
さて、皆さんはイングルマン・スプルースという木材を聞いたことはあるでしょうか?
アコギが好きな人であるなら、聞いた事がある人もいるかもしれませんね!
実は隠れた名木? イングルマン・スプルースについて、詳しく語っていきましょう!
イングルマン・スプルースとは
別名エンゲルマン・スプルースとも呼ばれているこの木材は、ドイツの植物学者であるジョージ・エンゲルマンの名前に因んで付けられました。
ロッキー山脈北西部を原産とする種であり、シトカ・スプルースほどではありませんが、中級以上の比較的幅広い値段帯のギターに使われています。
外観はスプルースの中でも特に白く、経年変化による焼けも少ないようです。ホワイト・スプルースとも呼ばれたりします。
音質はシトカ・スプルースよりも柔らかめで、優しく広がる繊細な鳴りが特徴的です。
パワー感はあまりありませんが、スプルースの中でも比重が小さく軽いため、振動による鳴りが大きくなりやすい傾向にあるようです。
音域も低音域〜高音域までバランス良く、フィンガースタイルに適していると言われています。
ジャキジャキとビートを刻むより、指で優しく繊細に弾く方が似合う印象です。
ちなみに…
YouTubeの方でも詳しい解説動画を出していますので、ぜひご覧下さい!
使用されているギター
YAMAHA Lシリーズ
5万円台の6から始まり、100万円以上の86まであるYAMAHAのLシリーズは、トップ材にイングルマン・スプルースを使用しています。
型番がサイズ別に3つ用意されており、ドレッドノートよりも大きいサイズのLL、グランドオーディトリアム並のLJ、OOサイズに近しいLSとなっています。
YAMAHAが長年培ってきたアコースティック楽器製作のトラディショナルスタイルと、トップ材にA.R.E.という特殊な加工を施すことにより、長年弾き込まれたような豊かな鳴りを実現させたギターです。
高価格帯のモデルになれば美しい貝の装飾が施されたり、フラッグシップモデルである86のサイドバックにはハカランダが使用されたりなど、非常に豪華なギターとなっております。
また、1番下位のモデルである6であってもトップ材は単板で作られており、イングルマン・スプルースの優しい鳴りを感じることが出来ます。
初心者から上級者まで幅広く使える、YAMAHAのアコースティックギターの名作です。
Martin OMJM John Mayer
Martinがリリースしたジョン・メイヤーのシグネチャーモデルのトップ材として、イングルマン・スプルースが使用されています。
サイドバックがイースト・インディアン・ローズウッドであることや、ボディシェイプがOMサイズであることに加え、トップ材にイングルマン・スプルースが起用されたことで、フィンガーピッキングが非常に合うようになっています。
繊細なアルペジオを弾くには、まさにもってこいのギターだと思います。
Naga Guiters
台湾のソロギタリストである黄家偉(フアン・チア・ウェイ)氏が設立した台湾初のギターメーカーであり、低価格ハイクオリティを提供するNaga Guiters。
Wind SeriesであるG-08OOCとG-08DCの2本は、日本のソロギタリストである伍々慧氏との共同開発で生まれたギターです。
カッタウェイ付きでフィンガースタイルで使用されることを想定しており、トップ材であるイングルマン・スプルースの柔らかな音色を楽しめると思います。
Naga Guitersではこの他にも、Light Seriesのギターにもイングルマン・スプルースが使用されています。
その他
レギュラーラインナップとしてイングルマン・スプルースを使用しているメーカーは少ないのですが、稀に作られる特別にモデルにイングルマン・スプルースが起用されることは珍しくありません。
また、高価格帯のギターであれば、個人製作家(ルシアー)の方がイングルマン・スプルースを使用している場合もあります。
まとめ
まとめると、イングルマン・スプルースは中価格帯以上のアコースティックギターのトップ材として使用され、その柔らかな音質でフィンガースタイルギターとマッチします。
また、YAMAHAの大人気シリーズに起用されている他、台湾の新興メーカーであるNaga GuitersやMartinのジョン・メイヤーシグネチャーモデルにも使われていました!
以上が、イングルマン・スプルースの紹介でございました。
また次回、ヨーロピアン・スプルース編でお会いしましょう!ではまた!👋