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次女と亡き父



我が家の小学生の次女
長女とは正反対の 積極的なタイプ

思ったことはなんでもはっきり言い
誰にでも臆面なく話しかけ
友達も、年齢関係なく
どこでもすぐに大勢作る

そういうところは
多分 夫ゆずり

そのためか、長女に比べると
比較的パパの事も好きで
(パパに悪い面があるのもわかっているけど
気が合うから楽しいという感じ)

夫も可愛くて仕方ない様子


下の子らしく
甘え上手で 誰にでもなつくので
大人にも可愛がってもらえて

モラハラ気質は今のところ見えないので
そこは
引き継いでいないことを祈りつつ💦



次女を可愛くて仕方なかったのは
昨年亡くなった私の父も同じでした

父にとって 私は1人娘なので
長女と次女は唯一の孫
(母は、父とは再婚で、生まれたのが私1人
でも、1度目の結婚で生まれた子が
母には3人いるため
母の方は、孫やひ孫が10人くらいいます)


本当は優しいけど
無口で、真面目で、頑固で、怒ると怖い 
純粋で 真っ直ぐな 昭和の男の父

私が困った時は いつも尽力してくれて
多分私は 可愛がられたんだろうけど 

言葉や、態度で愛情を伝えられたことは
一度もありません


祖父(父)譲りの 口下手で頑固な長女
父は、長女には
自分に似ている分、気を使うのか
可愛く思ってはいても
どちらかといえば対等に接していました


そんな中
頑固なじいじをもろともせず
全力で愛を叫んだのが 次女でした


人に気を許すのが苦手で
口下手なせいで 友達もおらず
お酒とニュースが楽しみだった父

父母宅にいくと、そんな父に

じーじーーー!!

と叫びながら飛びつき
抱きつき
まとわりつき

子犬のようにくっついて
無口な父に 自由気ままに話しかけ
膝に乗り ふざけてはケラケラ笑い
遊ぶのが苦手な父に
自分がやりたいことを平気で付き合わせる


誰も言えない
大好き! を
迷わずじいじに伝えられる

いつしか父は、次女には
(小学生なのに)
聞いたこともないような赤ちゃん言葉で
話すようになり

次女の前では 声を出してよく笑うようになり

孫がくる日は、待ちきれないのか
タバコを吸うのを口実に
必ずベランダにいて、駐車場を見つめていて

帰りは名残惜しそうに
車まで見送りに来るように
(週2くらいで会ってましたが 汗)

わたしは長女と似たタイプ

父が大好きだったけど
そんなふうに
屈託なく接することはできなかったから

次女の天真爛漫さには
本当に色々と救われたし

晩年の父に
私にはできなかった幸せを
たくさん与えてくれたと
彼女に すごく感謝しています

父が亡くなる5日ほど前

面会に行く際に
持っていた子供ミシンで
いそいそと
すみっこぐらしの人形を作った次女 

それを

じいじに プレゼントするんだ! 

その頃にはもう、父は
モルヒネの影響と、末期がんによる
認知症状が進み
会話もあまり成立しない状況でした

私の事も、かろうじて
娘、とは言うものの
名前が出てこなくなっていて

大好きだったテレビも
病室で付いていても
見ようともしない

そんな中でも父は、次女のことだけは
最後まで名前で呼ぶことができていました


そして、次女から人形をもらうと
全てに興味を失っているはずなのに
いつまでも手に持ち
見つめ、愛しそうに触り続けて

表情を失った父が
次女の人形を手にしている時は
柔らかい顔になっていました


次女は病室で
痩せてすっかり変わり果てた
うつろな父の姿にも
臆することなく 最後まで自ら手を握り
父に抱きついて

じいじ、大好きだよ!

と、言い続けてくれました


父が亡くなったあと

外で蝶々を見かけるたびに

じいじだ!

というようになった次女

母宅に行けば
誰よりも先に仏壇に座り
1人でも 手を合わせたくて
マッチも使えるように


もうすぐ一周忌

父を最後まで幸せにしてくれた次女には
本当に感謝しています



今、夫にも
同じ天真爛漫さで接している次女

私は 夫を孤独にしたいわけではないので

私がもう関われない分

彼女が自らの意思で
結果的に夫の気持ちの支えになっているなら

それも、次女に対して
感謝の気持ちでいます

彼女の屈託のなさに

わたしも支えられています





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