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1級土木施工管理技士 経験記述

解体工事施工管理にて1級の施工管理技士を取得する際に土木で受験される方もいます。私の先輩が取得した際に、解体工事に関わる土木の経験記述になります。
基礎・杭の撤去工事になりまして、工事エリアをシートパイルで囲い、基礎は重機解体、抜杭はフライヤー工法、BG工法によって行う。汎用性の高いものとなっております。

経験記述

×××川崎製造所××跡地 基礎杭撤去工事

神奈川県川崎市 ×× 1-2-3
工場跡地
基礎・杭撤去工事 杭抜き工事 
延べ面積 1265㎡
現場代理人
工期 令和3年4月1日~令和4年11月30日

・概要
本工事は工場川崎製造所内、建屋解体基礎残地の工場跡地において、基礎845㎡、杭1050本、Ⅼ=8m Φ=400㎜ の撤去工事である。
・現場の背景
現場は海沿いの地域で埋め立て地であり、工事エリアの土は砂質であった。また、地下水位は現状地盤からー1.2m、撤去対象となる基礎は-1.5mの位置であった。
・課題・テーマ
高水位と軟弱地盤を考慮しながら、クレーン及びバックホウの転倒を防止し安全に基礎、杭の撤去を行うことが課題となった

検討理由
高水位により基礎が水没し、撤去が困難となることと、埋め戻し後の地盤が軟弱であることで、バックホウ及びクレーンの転倒の恐れがあるため
検討項目
工事エリアをシートパイルで囲い、ディープウェルとウェルポイントを併用して設置して、地下水位を下げた後に基礎、杭撤去を行うこととした
②75tクローラークレーンが作業できる地耐力を確保する為、セメント系固化材を地表1m、80㎏/㎡添加にて地盤改良、あわせて5×20の鉄板を敷設することとした
③杭の引き抜きは、フライヤー工法だけでなく、杭頭の掘削を行わずにすむBG工法も視野に入れた

検討後
検討の結果、水位と地盤に次のような対応を施した
①エリア外周にシートパイルを打設して囲い、ディープウェル深度5mを中央に4カ所、ウェルポイント4mを外周に設置して、地下水位を地表よりー3mまで下げることが出来た
②地盤改良後、キャスポルによる地耐力検査を行った結果、200KN/㎡を確保し、130枚の鉄板を敷設したことで車両動線をも作成でき、搬出入が滞りなくできた
③杭の引き抜きはフライヤー工法に加えて、BG工法を選定したことにより、地盤の掘削量が減ったため、地山の崩壊を防ぐことが出来た

令和6年以降、記述式問題の大きな変更されました。法改正や人材の不足など、業界は大変な時期ですが、得難い体験をすることもできました。
ご参考になりましたら幸いです。

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