第1話 ハル、上京する!
漫画家になろうと決意したハルは、毎日授業中もくもくと漫画を描いていた。
最初はヘタだったストーリー構成も、
なんとか4ページ漫画がマシに見えるくらいの
画力にはなってきた。
毎日腕が真っ黒になるくらいに鉛筆と対決。
練り消しも最早ダークマターである。
目にも真っ黒なクマができて、クラスメイトの
女子達は本当に同じ女子かとウワサするほど。
ハルはそんな事気にもとめず、
授業中先生にチョークを投げつけられていたのであった。
そんな毎日漫画を描いていたハルの所に、
1人の女子がやってくる。一条舞。
同じ漫画家志望で、1歩先に賞をもらっている漫画家だ。
舞はハルの熱心さにふれ、
ハルを「ねぇ、一緒に上京しない?」と誘ったのだった。
ハルは最初は驚いたものの、
すぐ様熱意を顕にし、舞と一緒に歩むことを決めた。
もうすぐフェリーがでる。
憧れのシェアハウスの始まりだ。
ここは四国の街。土佐の四万十である。
ハルは、一途に漫画を描き続け、
ついに念願の上京を決意したのである。
「ハル、上京するんだって」
「えぇ?!ハルちゃんが!?」
陽光(ようこう)のサッカーボールがゴールを外れる頃、同じクラスメイトの女子の上京を、クラスメイト達がウワサしていた。
春野陽光(はるのようこう)、中3の頃の話。
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