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【MTGアリーナ】ヒストリック調整録 その2 「ハンマータイムあれこれ」
皆様お久しぶりです。ボル子です。
今日もヒストリックの動画を投稿しました。
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今回は《力線の斧》をフィーチャー。ドミンゲスで即装備したり《ケンバの装具役》で即装備したりでアホみたいな高速打点を出します。
その《力線の斧》パッケージを収める枠として今回は「ハンマータイム」デッキを採用。
ハンマータイムとは主にモダンで活躍していたデッキで、1マナで+10/+10修正を与える《巨像の鎚》を使用したコンボ搭載ビートです。
モダンで名前を聞かなくなって久しいですが実はヒストリックにも結構前から生息しており、私もちょいちょい持ち出すくらいには気に入っているデッキでした。そんなわけで今回は「ヒストリックにおける」ハンマータイムについて少し振り返ってみようと思います。
巨像の鎚、爆誕
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頭の悪すぎる数字で結構な数のプレイヤーの脳を焼いた《巨像の鎚》が登場したのは2019年7月、「基本セット2020」でのことでした。
これ以降ハンマーユーザーは「どう手札に加えるか」「どう踏み倒すか」「どう攻撃を通すか」で頭を悩ませ続けることになります。
紙ではすでに《石鍛冶の神秘家》や《鋼打ちの贈り物》によるサーチ、《シガルダの助け》による踏み倒しの手段が用意されていたため瞬く間に「ハンマータイム」はモダンに姿を現します。
ヒストリックはというとそれらの便利カードが収録されていないため、《巨像の鎚》は「ゼンディカーの夜明け」まで日の目を見ることはありませんでした
ハンマーの夜明け
「ゼンディカーの夜明け」が収録されたのは2020年9月末。石鍛冶の故郷ゼンディカーの復興をテーマとしたセットで、そこでは装備品が大々的に取り上げられていました。
その中には「《巨像の鎚》のために作っただろ!」と言いたくなるカードが登場します。
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《毅然たる一撃》はごく普通のバットリですが、戦士に使用することで場の装備品をタダで装備させることができます。
装備コストが3だろうが8だろうが100だろうが関係ありません。
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《古代を継ぐ者、ナヒリ》も非常にうれしいカード。プラス能力でトークンを産みそれに場の装備品を無料で装備できます。無限にハンマーの担ぎ手が湧いてくるわけですね。
これらカードの登場により、「ヒストリックハンマータイム」は戦士を軸に組まれていくことになります。
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「ゼンディカーの夜明け」では装備品シナジーを持つ戦士が大量に追加されましたが、当然過去セットから有用な戦士を探す流れも生まれます。
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《戦慄衆の解体者》は死亡時パワー分のダメージを飛ばせるため、《ドスン》を用いた20点ダメージコンボにおける追加の《火刃の突撃者》として採用されました。
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《霧まといの川守り》と《川潜み》はアンブロであり、チャンプブロックを許しません。
そんなわけでヒストリックハンマータイムは赤白を主軸としつつ黒や青をタッチしながら即死系地雷デッキとして生を受けました。
ダンジョンをハンマーでぶち破れ
次に大型アップデートが行われたのは2021年7月「フォーゴトンレルム探訪」。当時は物議をかもした全く別の世界観とのコラボ。
しかしハンマータイムは待望の強化を手に入れます。ハンマーのサーチです。
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《ファイター・クラス》は当時発登場した「クラス」エンチャントで、まあいろいろ書いてはいましたが最も重要なのは「戦場に出たとき装備品をサーチする」というテキストです。
一応ここまででも《タイライト剣の鍛錬》というカードは登場していましたが、本体が重くさらにサーチまでタイムラグがあると使い物になりませんでした。
そんな中でシンプルな装備品サーチは非常にありがたく、これでデッキ内のハンマーを水増しできるようになったわけです。
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さらに装備コスト踏み倒しとして《ブルーノ―・バトルハンマー》が登場。ターン最初に支払う装備コストを0にしてくれます。
《ナヒリ》とマナコストが被るため枚数に苦慮しましたが、どちらも伝説のため散らすという結論になっていたと思います。
武装錬金
2021年12月、アリーナ界隈に激震が走ります。
新フォーマット「アルケミー」。紙では印刷されず、デジタルならではの要素を取り入れた新規カードたちにプレイヤーは困惑の色を隠せませんでした。
そんな混乱がありつつもハンマータイムはユニークな新規を迎え入れます。
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《武装あさり》は毎ターン自分の在庫から3枚プレイヤーに見せ、その中から1枚唱える権利をくれます。そのラインナップにはあの《巨像の鎚》の姿が。
自身も戦士なので《毅然たる一撃》で装備の踏み倒しが可能と非常に噛み合っており、ハンマー以外の在庫も有用なものが入っていたりして今でもちょいちょい試されるカードになっています。
偽ハンマー現る
2022年7月。またしてもコラボセットでハンマータイムにアプデが入ります。
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「アルケミーホライゾン:バルダーズ・ゲート」で登場した《ベルト・オヴ・ジャイアント・ストレングス》。装備クリーチャーのサイズが10/10になります。
まだまだサーチ手段の少ないハンマー、今度はそれ自体を増やす選択肢が生まれました。
しかし緑の戦士がイマイチパッとしなかったため、赤白にタッチ《ベルト》といった形での採用がよく見られました。
猫と和解せよ
2023年2月、ついにあのイカレ野郎が登場します。
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《ケンバの装具役》はETBで手札か戦場の装備品に「装備①」を付けます。つまりどんな重い装備品だろうと1マナで装着可能というわけです。
これはもう1マナで出したハンマーを1マナで振り回せというお達しでしょう。《装具役》本人も1マナなので2ターン目に12/11が殴りかかるなんてことはざらにありました。
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そのほかの装備品カードもなかなかの粒ぞろいで、《ゴブリンの小槌打ち》を戦場に創出する《呪い金の大槌》や装備クリーチャーが死亡すると後続を手札に補充できる《刃砦の大鉈》と大盤振る舞い。
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さらに言うと直前の「ファイレクシア:完全なる統一」でほぼ2枚目の《突撃者》である《騒音の悪獣》が登場しており、ドスンコンボが大幅に安定したとあって当時のヒストリックでは「何もさせないデッキ」としてたいそう嫌われていました。
遅すぎた助け
あまり時間を置かずに2023年3月、「イニストラードを覆う影リマスター」からついに助けが到着します。
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《シガルダの助け》は装備品に瞬速を持たせ、装備品着地時自身のクリーチャーに無料で装備させることができます。《巨像の鎚》が1マナ+10+/10のコンバットトリックになるのです。《装具役》の軽減効果もありハンマータイムは《毅然たる一撃》を卒業。戦士縛りから解放されました。
モダンではおなじみのカードでパイオニア収録範囲内だったのでハンマータイムユーザーは今か今かと待ち望んでいました。しかし、それはすべてのヒストリックユーザーが望んでいたわけではなかったのです。
前述のとおり下手すりゃ3キル最悪2キル、そのくせ生物1枚はじくだけでゲームが終わるというなんとも相手をしていて面白くないタイプのデッキに強化が入りさらに使用者が増えるのです。
ぶっちゃけ愛好家ですらミラーに頭を抱える始末で、私の観測範囲内では他フォーマットに移行する人も少なくなかったように感じます。
無法者襲来
領界路も開きケラン君が冒険している間、ハンマータイムは特段強化されることなく過ごしていました。
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《フェイの血筋のケラン》は結構貴重なサーチカードだったのですが、当時の時点でこのデッキは戦士から解放され主要パーツが1マナに固まっていたので《夢の巣のルールス》を相棒にしたものが主流でした。
ほかのデッキも順当に強化、あるいは開発され時代がハンマーに追いついたかに思われた2024年4月、全MTGユーザーは目を疑います。
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なんと「サンダージャンクションの無法者」スペシャルゲスト枠で《石鍛冶の神秘家》が再録。こんなもん入れない理由がありません。即4積みです。
《巨像の鎚》のサーチに装備役までやってくれさらに《ルールス》対応。《殴打頭蓋》や《カルドラの完成体》がいないのは片手落ち感がありますがまあないものはしょうがない。というか《石鍛冶》実装がそもそもおかしいんです。
サンダージャンクションはほかのカードも強かったのでトップメタ独走とはいきませんでしたが、ハンマータイムは環境デッキの一角としてほどほどに存在感を示す立場に収まりましたとさ。めでたしめでたし。
地平線からの侵略者
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2024年6月。すべてが一変しました。「モダンホライゾン3」がまさかのアリーナ実装です。
もう何が変わったのか列挙するだけで5000字くらい書けそうですが書いてる内に気が滅入ってきそうなので止めます。
ハンマータイムへの影響という点で言えば、ボロスという色がエネルギーに乗っ取られました。
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ボロスカラーでデッキを組もうとするといつの間にかエネルギーのパーツが忍び込み、じゃあこれも相性いいからと組み続けるといつの間にか「ボロスエネルギー」が完成しています。誇張抜きでナーフまでこんな感じでした。
幸いハンマータイムは圧倒的パンプ値という個性もあり侵略を受けにくいタイプではありましたが、今度はエネルギーとの相性差が出てきます。
細かい除去、湧いてくるチャンプブロッカー、下手に殴ると切れ散らかすレオニン…そして何より遭遇率の高さがこちらの心を挫いてきます。
丁度動画を投稿し始めたのもこの頃だったのですが、当時は「いかにボロスエネルギーへ一矢報いるか」に躍起になってた時期でもありますね。もちろん楽しいギミックデッキも投稿していましたが、どうしてもやっててエネルギーが頭から離れない。そんな環境でした。
そして現在へ
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案の定ボロスエネルギーはナーフされました。主犯のレオニンはなぜかピンピンしているわけですがなんにせよ環境はだいぶ多様性を取り戻しました。
ボロスエネルギーの寡占状態で研究が遅れていたモダホラカードが発掘されたり新カードでデッキが組まれたりと私はエンジョイしています。
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ハンマータームの話をすると今は《力線の斧》で悩んでいるところです。はたして環境を打破する武器なのか、はたまたルールスの邪魔をするオモチャなのか…使ってて楽しいのは間違いないです。
というわけでヒストリックハンマータイムの歴史をざっと振り返ってみました。あくまで自分の観測範囲内での話なので事実と食い違う記述があるかもしれませんが「こんな感じのプレイヤーもいたんだな」くらいの気持ちで読んでいただけるとありがたいです。
有料部分を設けていますが中には何も書いていません。気に入っていただけたら購入してくださると励みになったりアリーナのワイルドカードになったりします。
それでは今回はこの辺で。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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