【MTGアリーナ】ヒストリック調整録 その4 「究極生命体にあこがれて」
皆様お久しぶりです。ボル子です。普段はYouTubeやニコニコ動画にMTGアリーナ、主にヒストリックの動画を投稿しています。
今回はこちらの動画を投稿しました。
で、こちらのデッキなのですが思いのほか強く、なんと上旬ミシック、現在16位と自身最高記録を更新中です。
※追記
ミシック9位到達しました!うれしい!
そんなわけで今回はその自慢を兼ねてこのデッキ誕生の経緯を書いてみます。
究極生命体(アルティミット・シイング)との遭遇
きっかけはスタンで結果を残した一つのデッキリストでした。
もはや一目ぼれでしたね。
このデッキの主役は間違いなく《アーボーグの掃除屋》です。
ETBと攻撃時に墓地のカードを追放し成長、そして追放したカードの持つ基本的なキーワードを継承するという令和の《魂剥ぎ》です。 もともとアリーナではこいつを究極生命体(アルティミット・シイング)にする試みはされてきました。
完全生物とはッ!
ひとつ ライフレースで無敵なり!
ふたつ 決してタップせず!
みっつ 決して破壊されることはない!
よっつ あらゆる生物の能力を兼ね備え
しかも その能力を上回る!
そして その形はMTGのカードのように美しさを基本形とする。
そして今回のファウンデーションズで2枚のカードが追加され、ついにスタンダードでデッキとして成立するまでになりました。
1つは《原初の夜明け、ゼタルパ》。こちらはイクサランの相克で登場したカードで、今回の再録によりスタンダードで活躍の場を与えられました。
8マナと重いですが飛行・二段攻撃・警戒・トランプル・破壊不能とキーワードのドカ盛り状態。
これはもうWotCからの「《掃除屋》の餌にしてくれよな!」というお達しでしょう。
もう1枚が《ゾンビ化》。こちらはオデッセイからの再録です。
一見特に変わったところのないリアニスペルですが、スタンのリアニスペルの相場が5マナとなっていたところでこちらは4マナ。この1マナの差が非常に大きく、《掃除屋》戦略に「餌をそのまま吊り上げる」という幅を与えました。
そんなカードをひたすらルーティングで回して《ゼタルパ》や《アトラクサ》、それらを食べた《掃除屋》で勝つというのがこのデッキのプランです。
このリストの完成度の高さに感動を覚え、しかし同時にある確信も生まれました。
このデッキの主戦場はヒストリックだと。
なぜヒストリックなのか
このデッキはヒストリックでやっていける。そう考えた理由は主に2つあります。
1つ目は《栄光の闘技場》が存在すること。平たく言うと唱えた生物に速攻を付与する土地ですね。
《掃除屋》自身の効果で速攻を得ることも可能なのですが、逆に言えば《闘技場》さえあれば速攻を持つ餌を採用する手間が省けるのです。
《掃除屋》は攻撃時にも墓地を食べるので速攻と相性がよく、ETB・攻撃時で1ターンに《ゼタルパ》と《アトラクサ》を同時に食べ4/4の飛行・警戒・二段攻撃・破壊不能・トランプル・接死・絆魂が速攻で走ってくるなんてことも。
2つ目はソリンテルとの親和性。ソリンテルとは《傲慢な血王、ソリン》の効果で巨大な吸血鬼、主に《聖エレンダ》や《血管切り裂き魔》を早期に叩きつける理不尽コンボです。《切り裂き魔》との組み合わせはパイオニアでいやというほど見た方もいらっしゃるはず。
そんな《ソリン》と掃除屋戦略を繋ぐのが《ベイルマークの大主》。5マナのエンチャ生物ですが、兆候コストの2マナで墓地を肥やしながら生物かPWを回収するという使われ方が主流です。
この「生物かPW」という範囲が優秀で、PWである《ソリン》や発射する大型吸血鬼を拾えます。
もちろん墓地肥しは掃除屋戦略とも相性がよく、また主流の大型吸血鬼である《聖エレンダ》は《ゾンビ化》で釣っても強いということでこの2つの戦略は自然に同居しました。作中でも吸血鬼は究極生命体の餌みたいなものでしたからね。
そんな発想のもと仮組みしてみたのが以下のリストです。
解釈違いの特大地雷カプ
上記のリストはかなり好感触で、各種ルーターや《ベイルマーク》でライブラリーを掘り進め究極生命体(アルティミット・シイング)を目指したり《ゾンビ化》で4ターン《ゼタルパ》を決めたりとかなりの再現性をもっていました。
墓地対策に対してもソリンテルで抗うことができるため勝負を捨てる必要はなく、逆に《掃除屋》がメインから相手の墓地をとがめることもしばしば。
しかし回している中で改善点は見つかるものです。今回最初に気づいた違和感は《ソリン》の孤立感でした。
ソリンテルは理不尽ともいえるほどに強力です。しかしデッキに3枚の吸血鬼を踏み倒すためのカードを4枚取るというなんとも言い難い状態であり、《エレンダ》引きを待っていられず結局ルーティングで捨てるという場面は多かったです。
掃除屋戦略ともリアニともかみ合っていないということで、現時点でこのデッキのソリンテルは同居可能なだけの「居候」といったイメージで回していました。
何かうまい手はないかと考え吸血鬼のラインナップを確認していたところ、ソリンにとっては因縁の相手が候補に躍り出ました。
《深紅の花嫁、オリヴィア》は6マナと重いですが飛行と速攻を持ち、攻撃時墓地の生物を攻撃状態でリアニします。
本人が重い分リアニ先に制限はなく、《ゼタルパ》だろうが《アトラクサ》だろうが《エレンダ》だろうが攻撃するだけで一本釣り。
もちろん《オリヴィア》とほかの生物を墓地に仕込んで《ゾンビ化》で《オリヴィア》を出せば2体ともリアニできます。
当然この方は「吸血鬼」。つまり《ソリン》で踏み倒せるのです。手札に《オリヴィア》があれば《ソリン》を3マナのリアニスペルとしても扱えるようになります。これでソリンテルとリアニにくっつきが生まれました。
さらに《オリヴィア》には飛行・速攻と強力なキーワードが2種。つまり《掃除屋》の餌としても優秀なわけです。
《エレンダ》にも絆魂があり《掃除屋》が食べてライフレースに貢献したりはしましたが、上記のように《掃除屋》と速攻の相性は抜群。《闘技場》に追加で速攻付与の要素を搭載できます。
これで掃除屋戦術ともくっつきましたね。
ソリン×オリヴィア…本人が聞いたら卒倒しそうな組み合わせなのですが掃除屋界隈的にはかなりアチアチなのでした。
以下がその時の動画とリストになります。
クルシアスが今年もやってくる
《オリヴィア》採用は非常に好感触でした。デッキの動きを変えずに自然な流れで《ソリン》を運用できるのがとてもストレスフリーでしたね。
そんな中で次に気になってきたのは《ソリン》と同じ3マナ域、《鏡割りの寓話//キキジキの鏡像》のもっさり感です。
手札を回すルーティングスペルとしての採用だったのですが、出てすぐルーティングしてくれない点が非常に気になります。
口が裂けても弱いとは言えないのですが、「とりあえずネームバリューで入れてる」みたいな感覚は否めない状態でした。
もっといい感じに手札を切れるカードはないものか…とカードリストをあさる12月半ば。世はクリスマスムードという中でこのデッキは運命の出会いを果たします。
《波の巨人、クルシアス》はアリーナのデジタルオリカの1枚。エンド時に手札を切ってそのマナ総量を参照し「それより大きい(野望)」か「それより小さい(方便)」かを選択、選ばれた方のマナ総量を持つカードを1枚抽出します。なぜか宝物生成のおまけつき。
疑似ルーティングではありますがある程度引きをコントロールできる点、太っ腹すぎる宝物生成とあまりにもこのデッキとかみ合っていました。
デジタル特有の頭おかしいカードなのですがここ最近のヒストリックでは影の薄い存在でした。赤黒中心のデッキはこぞって《ルールス》を相棒指定していたので3マナの《クルシアス》は弾かれていたんですね。
やっぱり《ルールス》おかしいって!
しかしこのデッキは構造上相棒指定なんてできません。
相棒
必要なし。頂点は常にひとつ。
そんなわけであわてんぼうのサンタ《クルシアス》がクリスマス前にやってきたことでこのデッキは(メインボードは)完成となりました。
冒頭の動画はその時のものです。リストはこちら。
おわりに
ここまで読んで下さりありがとうございます。
プレイガイド的なものを期待していた方には申し訳ないのですが、私自身このデッキにキャリーされて分不相応にこんな順位まで登ってきてしまったところなのです。
サイドボードに関しても仮想的に応じて一貫した指針なんてものはほとんどなく、なんとな~く重いところから1枚ずつ抜いてなんとな~く効きそうなカードを入れる…という状態です。
一つだけ断言できることがあるとすれば、この先白緑ベースの呪禁オーラが台頭すると思うので《貪る欲望》をサイドに刺しておくと安心できると思います。
3マナのインスタント布告除去なのですが最もパワーの高い生物を狙い撃ちできます。贈呈で墓地回収できるのもたまーに役立ちます。
基本的にオーラ相手は《危難の道》でいいとは思うんですが相手も無策ではないので破壊不能スペルで防がれるみたいな裏目は絶対に回避できますね。
というわけで現行のリストはこんな感じです。
この先有料箇所を設けていますが特に何も書かれていません。
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それでは今回はこの辺で。
お読みいただきありがとうございました。
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