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地域支援体制加算(2024年度調剤報酬改定)

2024年度調剤報酬改定の短冊、答申を終えて感想はいかがでしょうか?

今回は地域支援体制加算1.2について確認していきます。

はじめに


今回のサプライズは地域支援体制加算の7点減算です。
連携強化加算と医療DX推進体制整備加算等の算定できてやっと現状維持となります。
今回は地域支援体制加算の要件が厳しくなったこともあり、加算2から1になる薬局もありそうです。
2025年までに「すべての薬局をかかりつけ」にするんじゃなかったんですか?といいたくなるような点数配分でした。
むしろ何もやってこなかった薬局が調剤基本料の3点アップにて加算されるという不思議な展開です。
給与アップのためとはいえ逆行しているように見えます。

地域支援体制加算1.2の算定要件

施設基準10項目と必要な体制


施設基準10項目


体制整備



施設基準では、これまでの9項目に小児特定加算の実績をプラスし、要件を緩和して地域支援体制加算1にも実績を求めました。
地域支援体制加算2にはポリファーマシー改善への取り組みや、個人在宅や在宅移行期の患者さんに目を向けるように促しています。
私のいる薬局は小児特定加算と、時間外等加算及び夜間・休日等加算の算定40回は厳しいので、他の8項目を満たす必要があります。
現状で前年8月から本年1月実績で満たすことができましたので、体制整備の準備を行っています。

注目すべき項目


・かかりつけ薬剤師指導料の実績
今までかかりつけ薬剤師指導料が届出だけでよかったのが疑問でしたが、低いハードルではあるものの実績が求められます。
まだ半年あるので、かかりつけの要件を満たす薬剤師が1名いれば間に合うレベルです。
認定薬剤師持っていないけどその他の要件は満たしている薬剤師、であっても前年8月から7月までの実績で9月以降の算定を行うため、間に合うかもしれませんね。

・小児特定加算の実績
医療ケア児への在宅はいろんなところで取り上げられていましたが、地域支援体制加算の要件の一つになるとは思っていませんでした。
頑張ってどうにかなるような加算ではないように思います。

・地域支援体制加算2において、外来服薬支援料1、服用薬剤調整支援料1・2の対人業務がほぼ必須化された
厚労省や中医協資料で、時間外400件に次いで算定できていない要件としてあげられていました。
薬局の置かれている状況によりますが、時間外・麻薬・小児特定加算は薬局の努力では達成しづらい項目です。
その他の項目は企業努力で達成できる項目です。

外来服薬支援料1や服用薬剤調整支援料1・2は、患者さんやご家族とお話をしないと獲れない加算です。

私が算定する際は、複数病院受診されている患者さんの消化器系の内服や整形の内服に対して減薬の提案、飲み忘れの多い患者さんの体調変化を確認し、減薬や中止の提案が多いです。
患家に訪問して獲ることが多いですね。
文書はある程度定型文を作成しておくとやりやすいです。

・健康サポート機能としてOTCの取り扱いが必要になったこと
まだ疑義解釈がでていないので経過をみる必要がありますが、販売するために常備する必要があるのか、販売できる体制があればよいのか。
零売でよかったんじゃないかと思いますが厳しくなるようですね。
オンラインでのOTC販売は緩和されるけど、薬剤師が常駐している薬局での零売にだけ規制がはいるのは納得がいきません。

・緊急避妊薬の備蓄と相談体制が必要となったこと
研修への参加と登録、そして備蓄が必要になります。
県薬剤師会が研修を増やしているところもあるようですので確実に参加しましょう。

・経過措置後に加算をとる場合は昨年8月から今年7月までの1年間の実績を元に算定
今回の薬価改定は4月ですが調剤報酬改定は6月から施行となりややこしいスケジュールとなりました。届出をする際は注意して条件を確認してください。

まとめ


・地域支援体制加算は7点減算分は医療 DX 推進体制整備加算の4点と連携強化加算3点(5-2点)で相殺する
・かかりつけ薬剤師指導料の算定が実績が必須
・医療ケア児への対応を評価する小児特定加算が条件に加えられた
・地域支援体制加算2を算定するために外来服薬支援料1や服用薬剤調整支援料1・2の算定が必要になった
・OTC販売の体制づくりが必要になった
・緊急避妊薬の備蓄と相談体制が必要になった

小言


今回の調剤報酬改定は、患者のための薬局ビジョンからかけ離れた改定だったと感じます。後発品の安定供給が難しい状況だったから後発医薬品使用体制加算を今回の改定で減算するのが難しかったとはいえ、地域支援体制加算を減算するべきではなかったと思います。
されたものは仕方ないんですが。
ただし、「今回はラッキー」程度に2年過ごしてしまうと、さすがに淘汰認定薬局・薬剤師となる覚悟が必要です。
今回は地域支援体制加算について述べましたが、今回の改定で私が注目しているのは末期がん患者の在宅ケアの加算が増えていることです。
次回以降の改定では後発品使用体制加算の大幅な見直しが行われると思いますので、このあたりの加算に注目したいと思います。
今回の改定では「地域支援体制加算」「医療DX推進体制整備加算」「連携強化加算」を算定しつつ、「調剤後薬剤管理指導料」「特定薬剤管理指導加算1.3」「在宅移行初期管理料」「外来服薬支援料+施設連携加算」「服用薬剤調整支援料1.2」を安定して算定する薬局の体制づくりに取り組みましょう。


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