人が定着しない理由
月~金の出勤日が、昨年から月2回平日が休みになった。パートさん全員対象である。
休みを増やした理由は、いろいろあるようだが、1番の理由は、パートさんの月の収入を減らすためである。
なぜ収入を減らさないといけないかというと、扶養内勤務をしたいというパートさんが多いからだ。
全員一律で時給が上がったので同じ時間働いていたら年収は増え、扶養から外れてしまうパートさんがいる。交通費が出ていない人は年収130万以内に抑えられるので、休みでの調整は不要だが、交通費が出ている人は130万を超えてしまう。扶養から外れたくないパートさんから、休みをとって調整したい、と希望が出る。
少人数での製造業。誰かが休むと、その日の製造分は誰かが代わりに増やして作ることになる。交通費が出る人は休んでよい、出ない人は休めない、という不公平が生じることに不満を言う人は誰もいないのだが、もしかしたら言わないだけで不満に思う可能性は十分ある。不公平が生じないために会社が一斉に休む日を作ったわけだ。会社から決定後の報告だったにも関わらず、パートさん方は概ね賛成だった。
ただ、1万円ほど月の収入が減ってしまうので、より多い収入を目指す人は転職していった。
休みが増えた分、会社の売り上げも減るのではないか?と思うのだが、1日の製造量を増やされた。会社側は、休みを増やし、人件費を減らしたが、売り上げは変わらないようにした。人員を増やそうという考えは無いようだ。
疲弊していくのは、パートさんたちである。確かに休みが増えて安心して扶養内勤務ができ、よかったのだが、1日の作業量が増え、サービス残業が増えた。
サービス残業と書いたが、時給が30分以内は丸められるというシステム。
皆、時間外は30分以内に収めているようだが、現実はそのはみ出た部分はただ働きだ。残業申請をし、30分以上作業すればいいのだが、残業申請をする雰囲気でないのもわかる。私はわりと空気を読まない、時々空気凍らせてしまうくらいな性格だと思うが、そんな私でさえ、残業申請せずに30分以内ぎりぎりまで作業をしようとしてしまう。会社はすべて分かっていてそれに目をつむっているのだと感じる。時間が余っていそうなときは口を出してくるのに、時間をはみ出して作業している人はスルーしている。卑怯でケチな会社だなと感じる。
無理が続くとストレスがたまり、作業も適当になってくる。と書いたが、実際には適当にならない。みんな、真面目な人ばかりなので、与えられた作業を必死でこなそうとしている。本当に疲弊してしまうと、辞めていく。そういう会社だからいつまでたっても人が定着しない。
もしかして誰も気付いてないかもしれないが、ちょっと考えてみればわかる。サービス残業をしないと売上げが厳しい状況なんだったら、そんな会社つぶしてしまったほうがいいのではないか?
パートさんが疲弊していって、人が定着しない会社。私が入って3年近くなるが、ずっとそんな状況だ。何か会社のやり方が間違っているのではないか、と思う。思うだけで、いちパートには何もできない。辞めていくことしかできない。