詰将棋解答選手権の振り返り

今回、わたくし心太は詰将棋解答選手権のチャンピオン戦に参加してきました!
最初に結果を言ってしまうと、私は100点中28点という点数でした。穴があったら入りたいような成績なのですが、来年の自分への戒めの意味もこめて、各作品について感じたことを書き残しておこうと思います。

第一問

例年、第一問は最も簡単であることが多いです。今年も第一問は軽く解けるっしょ、くらいに考えていた私はこの初形をみて意気消沈してしまいました。なんでこんなに持ち駒あるんだよ
とりあえず6三飛、7四玉、8三銀、同竜、8六桂まで進めてみたのですが、そこで同金と取られたときの詰まし方がどうしても分からず。
実際はそこで6五金という好手があって詰みます。

この6五金自体は考えてはいたのですが、8五玉に8三飛成、7六玉、6六飛でぴったり捕まってるのが盲点でした。
20分近く使ってもこれが見えなかったため飛ばして第二問へ

第二問

これまた解きにくそうな見た目。とりあえず4三馬、3四合(6五の銀を守る意味)と進みそうなのはわかりますが、3四に打つ駒が桂、香、歩と三通りあり、さらにそれに対する攻め方の手が2五銀と同馬の二通りあるのでかなり大変です。私は桂合の変化がどうしてもクリアできませんでした。
作為は香合だったようで、それが決まればあとは比較的すんなり進むのですが、、、。
私はこの辺りで、もしかして0点になるのでは、、、という気がしてきて、(こんなことなら解答選手権なんか出ずにぬくぬくしとけばよかった、、)と後悔モードに入っていました。涙目になりながら第三問へ

第三問

問題を最初に一望したときから、これはなんとか解けそうかな、、と期待を寄せていた作品。逆に言えば、これが解けないとなると0点がいよいよ現実味を帯びてきます。
とりあえず3三角、5二玉、8五角、7四銀合、同角、5三玉まではすぐに思いつきました。

ここで5二角成と4五桂の二択かなと思ったのですが、4五桂は同香に継続手が見えなかったので5二角成の変化を深堀りすることに。これが地獄の始まりでした。
間違いは間違いでも、やってみてすぐに違うと分かるようなものなら問題ありません。しかし、不幸だったのは5二角成6四玉7三銀の変化も相当に際どかったということです。結局私は5二角成の変化を読み続け、正解にたどり着くことはありませんでした。
作為は上図から4五桂、同香に5四銀と捨てて、同玉に3四飛と打つ順だったようです。言われてみればなんで見えなかったのかと悔しくなりますが、これも実力なので仕方ないです。
0点の覚悟を決め、開き直って第四問に。

第四問

、、、。初形をみて10秒で逃げました。こんなのやるくらいなら第一問解きなおした方がいい、と思ったからです。
しかし、結果的にはこの問題は比較的解きやすい問題だったようです。
上位に入賞していた方は、見て解ける気がした、というようなことを語っておられたので、そのあたりの感覚も自分に足りていなかったのかなと思います。

この後は第一問に戻り、なんとか前に記した6五金の変化に気づき、やっと一問解けました。
、、、と思ったのですが、実は収束三手に罠が仕掛けてあり、まんまとそれに引っかかってしまいました。悔しいです。

あ、そうそう。第五問も一応載せておきます。
第五問

解けるわけないですね、はい。
初手は3七銀なのかなくらいはわかりましたが、そこで同銀不成の変化も相当難解だし、作為の1九玉もかなり複雑だしで、自分は10時間あっても解ける気がしません。藤井八冠なら時間内に解くのでしょうか。気になるところです。

そんな感じで第一ラウンドが終了し、お昼休憩に。周りの方と雑談をしていたのですが、みんな難しいと言っていたので少しだけ安心しました。
気を取り直して第二ラウンドへ。

第六問

第一問に比べるとだいぶ解きやすそうな感じ。とりあえず1四角、2四玉、1五銀、同玉、5八角、2六玉、2四竜を読みましたが、そこで2四歩合という手があります。以下同竜、3七玉、4七金、3八玉、4九銀、3九玉と進んで下図

中合の効果により香が取れないため詰みません。
これを踏まえると、3手目に3三銀不成という手があることに気づきます。

同香と取るしかないですが、この交換を入れておけば、さっきの順で3三竜と取れるので詰みます。
ちなみに、3三の香を取らせないように、2二竜に2五歩合という手には同竜、3七玉、4六銀以下ちゃんと詰むように作られててすごいなと思いました。この問題は開始5分くらいで解けて上々のスタート。

第七問

いかにも構想作という感じの見た目をしているので解きやすそうだなとは思いました。1五角、2四歩、同竜、4二玉と進めて下図

ここで2二竜とするのが自然なのですが、私は野生の勘で、ここは2三竜の一手だと確信しました。この作品は4四地点での打ち歩詰が絡んでくるのですが、それを回避するためには2二角を生かしておいて将来的に4四歩を同角と取れるようにするしかないと思ったのです。結果的にはこの勘が当たり、すんなりと解くことができました。第一ラウンドと打って変わってウキウキで第八問へ

第八問

複雑な見た目をしていますが、王手は意外と限られています。
とりあえず4二飛成、3二桂合、同竜、1三玉、2四銀、同玉くらいまで進めてみました(下図)

ここから3五銀打、同と、1三角、同玉、2五桂、同と、1四銀としてみました。これを同玉なら1二竜以下きれいに詰むのですが、2四玉とかわされると、2五銀引、1三玉(下図)となって

打ち歩詰です。
ここで私は、(3二が飛車だったらどうじゃ、、?)という天からの声を聞きました。そうか、初手は4二飛車不成や!とひらめき、以下同様に進めて1四銀に取るしかないからピッタリ詰み!と結論をだしてしまいました。
しかし、一つ重大なミスがありました。それは、1三角に1四玉とされる手を見落としていたことです。

これには1五銀打、1三玉、2五桂、同と、1四銀とすれば結局合流するのですが、こちらの方が二手長いので正解です。
これはかない痛いミスで、解答が配られてこれに気づいたときは叫びそうになりました。解いている間は何も知らなかったので、ニコニコしながら第九問へ進みます

第九問

これは見た瞬間に難解であることを確信しました。とにかく手が広すぎて、なにから読めばいいのか難しいです。たとえば1二歩としたとして、玉方の応手が同玉、2二玉、2一玉と三通りあります。こんな感じで手が絞り切れない展開が結構長く続きます。
自分はこの問題に至るまでは30分くらいでクリアしていた(つもりになっていた)ので、残り時間60分をほとんどこの問題に投入したのですが、解くことはできませんでした。全体でも正解者ゼロだったらしいのでまあ仕方ないかといったところです。

最後に第十問を載せときます。
第十問

これは正直、解く問題ではないです。観賞用だと思います。
解説を聞きましたが、変化が膨大なうえに、何重にも伏線があり、時間内に正解するのはほとんど不可能だなあと感じました。実際、正解はおろか、部分点獲得者すら一人もいなかったとのことです。この恐ろしい作品を作ったのは若島正さんですが、やはりこの方は異次元なのだなと思いました。

このような形で、私の初めての詰将棋解答選手権は幕を閉じました。
決して満足と言える結果ではありませんでしたが、それ以上に、会場であの緊張感で詰将棋を解く経験は得難いものでしたし、詰将棋を解くということの純粋な楽しさを再認識しました。来年もぜひ出場したいです。
詰将棋最高!

最後までお読みいただきありがとうございました!
また次の記事でお会いしましょう。

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