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小論テーマ・異文化理解
今日はなんと学校推薦選抜型(東京医科大学)の英語小論文と学芸大学の小論文のテーマが似通うという授業でした。
難関大レベルの小論文であれば実はそこまで珍しいことでもありません。
まず、学芸大学の入試問題ですが、問は「社会福祉における『異文化理解』についてあなたの考えを書きなさい」です。
ここで注意しておきたいのは、「異文化理解は重要である」という方針で「積極的に会話すべき」や「決めつけずに話を聞く」となどの一般論や抽象論にとどまらないことです。大学側も市販の小論文対策の問題集や参考書を見ているようで、これまで教えてきた合格者は、一般論や抽象論にとどまらない受験生自身の価値観に基づいた意見を書いたようです。そして受験生独自の意見を述べる前提として、前回も述べましたが、課題文と問を精査しておく必要があります。
今回の問題でいうと、課題文の方向性として「異文化理解が重要、必要」であるから解答もその方向性になりますし、一般論としても当然肯定で話を進めることになります(ただし、賛成・反対を決め打ちしないことが重要で、どちらか一方のみ書くよう指導される塾・講師はかなり問題があります)。そして今回の問の肝は「社会福祉」の意味・内容をある程度理解しておくことと、「文化」の意味を自分で定義づけることです。これは課題文において、「異文化とは外国人人との間だけにとどまらず、夫婦間においても存在する」との記述から、「文化」を定義づけないと論理が拡散して、抽象・曖昧になり、不合格答案になるからです。
受験生は課題文や問をパッと見て簡単そうに感じたときほど慎重に課題文と問を精査して、から小論文を書き始めるよう心がけてみてください。