夏期講習中の相談1

仕事柄、教育関係・子供がいる家庭のニュースに触れる機会が多いです。
夏期講習中には「夏休みなんてなくてよい」という記事を見ました。この記事では経済的理由についてでしたが、面談においては、両親共働きによる安全面・安心面からの理由、昼食準備に係る家事の負担からの理由、子供だけではゲーム・ネットのやりすぎからの理由と様々です。
当方では受験生を対象に、ある程度自習ができることが前提であるため、御崎エデュケーションに通ってくる生徒は充実した夏休みを送ることができました。やはり、子供の性格をふまえて、子供に合った塾や習い事を見つけることは、その後の人生における大きな糧になりうるため、日ごろのコミュニケーションがなりより大事になってきます。

さて、例年通り、今年も夏期講習途中での相談で多い内容の一つに、「現在通っている塾・予備校の、夏期講習用のテキストはこれで良いでしょうか」というご相談がありました。現在、難関大・難関高校を志望する高2・中2の生徒、生徒を持つ保護者の方は、来年の夏期講習の参考にしてはいかがでしょうか。
もちろん、「テキスト自体はどれでもOK」というのが答えになります。
御崎エデュケーションの持論は、「入試問題が全て、絶対基準である」ということから、夏期講習用のテキストのみならず、テキストや問題集・参考書はその使い方が大切です。もちろん、入試問題自体については、想定される受験生のレベルに対応していないものや、いわゆる悪門、ただ問題作成者の自己満といった問題点もありますが、どういった問題が出題されてどのような対応を取るかの基準となるため、入試問題自体を基準にすることは合格において必要不可欠となります。

多くの受験生、具体的には6~7割以上の受験生にとって重要なのは数学(又は算数)であるため、今回は受験生用の数学(算数)の夏期講習用のテキストに絞って書いていきたいと思います。

まず集団塾・予備校においては夏期講習用のテキストをまずはきちんとこなしてください。それだけで一定の効果が認められます。そこで難関校志望者は、夏期講習用のテキストに何をプラスアルファするかが重要になってきます。難関クラスであればテキスト自体のレベルが高いため、テキストを理解する、勧める、復習すること自体が重要です。そして時間に余裕があり、数学が苦手な生徒であれば、通常テキストや学校の教科書、参考書などで基本の理解を深めたり、広げたり、復習として簡単な問題で定着を図ることが重要です。合格平均者以上の学力であれば他の科目に目を向けましょう。
次に、難関校志望者で標準クラスにいるのであれば、夏期講習テキストにプラスして、通常テキスト・問題集・参考書の中から、夏期講習テキストで学習した問題の発展・応用問題に取り組まなければならないでしょう。
次に、個別指導ですが、「生徒の学力状況に合わせて、夏期講習テキストを補助テキストとして用いる」の一言に尽きます。難関大志望者であれば、8月入った時点で入試問題に手を付けていないのであれば論外です。残念ながら、塾・講師としての力量不足です。以前にも書きましたが、校舎運営の観点からテキストのみに絞ればアルバイト学生の管理・引継ぎが容易であるため、気持ちはわかりますが、通常テキストとの併用ができてないのであれば難関大志望者において有用な授業・夏期講習であるとは言えないでしょう。
また、通常・平均・実力相応の志望校であれば、通常テキストで復習したり、追加で類似問題のプリントを渡したりと定着のためにやるべきことはたくさんあります。まだまだ数学の学力が不足しているのであれば、通常テキストよりも簡単なレベルで復習するなど、基本に立ち返った夏期講習への取り組みもあります。
さらに、「正負の計算」、「文字式」などの単純な計算問題、その他の分野の基礎問題を授業で取り上げているような夏期講習テキストの使い方も、受験に対する知識不足が否定できません。これらの分野については宿題にしつつ、できていない分野について初めて授業で取り扱う必要性が生じます。これは数学に限らず、あらゆる科目についても当てはまり、よほど学力が不足している受験生でない限り、テキストの最初の部分や基礎的な部分を取り上げて夏期講習テキストの頭から授業で使用している講師・塾は受験生の指導力に大きな不安があるといってよいでしょう。

いいなと思ったら応援しよう!