旧制大阪高等学校寮歌 (ああ黎明は近づけり…)
まだ自分が生まれていない時代の遺物に出会った時
ふっと郷愁を感じる事があります
もし、生命は永遠で生死を繰り返すとしたら
その時代に生きた自分が生まれ変わって
此処にいるのかもしれないと思えるのです
寒くなってきて湯船に浸かるようになってきたら
ふと この歌を口ずさんでいた自分がいました
年々 歳は取りますが気持を若替えさせてくれる
いい歌です。(因みに、私は同校に縁も所縁もありません)
H.P『Jun’room』(2018年終了)より転載。
2011.09.05
大正・昭和の良きもの
私は西岸良平の描く世界が好きだ。
特に三丁目の夕日には魅かれる。昭和30年代の人の生き様や風景にとても懐かしさを感じた。その時代に生きたわけではないので懐かしさというのも変かも知れないが・・・。
三丁目の夕日の時代の少し前、昭和25年に旧制大阪高等学校が廃止されているが、ここの寮歌が実にいいのだ。
最初に聞いたのはいつか忘れたが久しくこの歌の出典がわからなかった。
ある日偶然インターネットで知ることになりました設立は大正時代とのことだが、その時代の学生の気概が感じれられて勇気をもらえる歌です。
ここを訪れた人にも是非知ってもらいたいのでその歌詞を旧制大阪高校のHPより転載させてもらいました。
東天紅を染むる金剛の峯にこれを嘯かば天下の惰眠一時に破れ、
夕陽沈む茅渟(ちぬ)の海にこれを叫ばゝ魑魅魍魎も影を潜めん。
1.嗚呼 黎明は近づけり
嗚呼黎明は近づけり
起てよ我が友自由の子
帝陵山下の熱血児
侃諤の弁地をはらひ
哲人の声消えんとす
2.嗚呼 暁鐘は鳴り響く
嗚呼暁鐘は鳴り響く
三州の野に殷々と
強き響きを伝えつゝ
旧殿堂の奥深く
眠れる魂を醒ますべく
3.城南高し三層楼
籠もれる理想を誰か知る
美酒玉杯に耽りたる
偸安の世を低く見て
文を学び武をば練る
五百の健児君見ずや
4.橄欖咲いて海青き
アテネの街の春の色
七丘の森秋更けて
ローマの古都に月高し
歴史はふれどオリオンの
三つ星いまだ光あり
5.それ青春の三春秋
交に友と呼び交わし
君が愁いに我は泣き
我が喜びに君は舞う
若き我らが頬に湧く
その紅の血の響き
6.紫匂ふローレルの
葉蔭に宿りし美鳥が
一度目覚めて羽搏かば
彼の大空に雄姿あり
友よ溢るゝ若き日の
希望の果てをいざや見ん