2月26~3月4日 ちらし寿司×進撃の巨人
日本のエンタメは、一歩遅れている。いや、日本の業界全てが遅れている。未だに、日本の技術力世界一、勤勉世界一、治安世界一、日本が何でもNo.1であり、日本は世界を牽引する先進国だと勘違いしている。韓国や中国、シンガポールやタイなど、アジア諸国は世界に向けて動き出しているのに。国内ばかり気にして、外に出るのを怖がっている。いや外に出る方法を知らないと言ったほうが正しい。どこまでいっても保守的な鎖国主義なのだ。だから、投資も一向に浸透しない。さらに、長らく続く不景気が原因で、研究費は削られていくばかり。まだノーベル賞を獲得する者もいるがすべて過去の遺産だ。あと十年は持たないだろう。余談だが、2025年は40年周期説によると、この世界は終わるらしい。申し訳ない。話がそれてしまった。
そこで、オレは健ちゃんと一緒に、ネオエンタメ集団「Chirashizushi no Kyojin」を結成。そして、開発したのが“4D MANZAI”システムだ。
ネタを世界中の言葉に同時翻訳。さらにネタに合わせて、音響が流れAR技術で話の内容の場面を再現。しかも匂いやツッコミの振動までも再現可能だ。今まで世界中にない画期的なエンタメシステムだ。
結果としてライブは毎回、チケット即完。100万円以上するプレミアムチケットが発生するほど世界中で大ヒットになった。今までの日本の漫才が、“MANZAI”になり世界を席巻。MIも世界規模で行われるようになった。賞金は1億円。世界中で最大規模のビッグイベントになった。この大成功は当然の結果だとオレは思っている。現状にとらわれず未来を予測し、10年先を見据え頭をひねり続けてきたおかげだ。
しかし今、目の前で予測しなかった事態が起こっている。
巨人の襲来だ。2025年になった新年の夜明けとともに奴らは来た。手には巨大なしゃもじ、吸い込まれそうなブラックホールのような鼻の孔、頭はパンチパーマ。次々とビルをしゃもじでき切るようになぎ倒していく。まるでチラシ寿司でも作るように・・・
そして、大地を切り裂く咆哮が世界中に鳴り響く、
「アッタカゴハンニマゼルダケーーーー」
人類は恐怖と空腹に襲われ、ちらし寿司の口になっていた。