世襲候補の立候補は禁止すべきだの、女性を一定割合にすべきだの、あたかもこれらの意見、すなわち被選挙権を制限する主張が正論であるかのような雰囲気がある。
新党も既成政党もこうした主張を堂々としている。が、憲法を公職選挙法を読んでもらいたい。現行の公職選挙法で被選挙権を有していないのは、刑法犯他公職選挙法違反の者に限るのであって、憲法四十四条では「人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない」と謳っているのであって、二世三世の「世襲議員はダメだ云々」ということは、そもそも憲法違反なのである。しかるにそう主張されている人たちが「ゆえに憲法を変えるべきだ」という主張をされているのを、私は知らない。
議員としての適不適を判断するのは有権者の意志によるものであって、それ以外のことによって、ということはあってはならないのである。(令和五年十二月三十一日)